どうやら壊れてしまった負圧コックは「ポンプ」機能も付いていたようだ。
ガソリンタンクから直接キャブに繋いだ状態ではdb4はコックとキャブのガソリン吸入口の高低差が有り過ぎてガソリン満タンでないと(少なくとも約5~6リッター消費した時点)でガソリン供給が間に合わない。
それともうひとつ問題が出来てしまった。
K&Nのエアフィルタは真円のラバーでFCRに接続されているが、FCRは楕円の吸気口になっている。楕円に真円をはめて金属リングで締め付けて固定されている。で、それが外れてしまう。
FCRに、というよりレーシングキャブなので別にフィルタに拘る必要はないかな。
ファンネルにすると公道仕様ではエンジンを痛める・寿命が短くなる、とは言われているものの一体どのくらいエンジンに影響があるのか、そういう事を数字で現した資料は見たことも聞いたことも無い。
なので今、負圧ポンプ・コックを探している。
エコカーってゆうの?
あれ、キライ。何だ「エコ」って。
減税対象とか、何でこんなもんに血税が使われるのか皆目検討が付かない。
その一台が登録されるまで、一体どんだけコストかけて、二酸化炭素排出して、要は経済活性化の一翼を担っているだけでしょうよ。
今持ってるクルマを大事に乗り続ける事の方がよほどエコロジカルだと思う。
で、今持ってる車をハイブリッド車に改造するのに税金補助が、ってんなら解る。
これ以上クルマを増やさない事がECOじゃないの?
今、人間がこぞって口にする「エコ」とは僕に言わせりゃ「戯言」だ。
誰も彼もが多かれ少なかれ加害者であり、
誰も彼もが多かれ少なかれこの天体を毎日犯し続けている。目糞鼻糞。それが事実だ。
地球に優しく、とか?
それね、そう思うんなら首括りなよ。
一番のエコは人間の数が減る事だと、テレビじゃ言わないね。
「EX;Luminous」=「エクスルミナス」と読む。
意味は「すっごく明るい」。
・・・・・何の事かと言うとdb4の「名前」だ。(僕はオートバイに名前を付ける人間なのです)
正しさも誤りもクソもへったくれもないこの歪みに歪んだ穢れに穢れた不条理でDQNで無価値な未完成なバカ世界でオートバイだけがかろうじて僕をリアルで居させてくれる。そんな感謝の意味を込めて「LIMINOUS」、それを強調語「EX」と組み合わせて「EX;LUMINOUS」と名付けた。
大きくアクセル開けた後、レスポンスに異常が出た。やはりカブったような感じ。5千回転ぐらいで咳込み、アイドリングも安定せず、しかし暫く間を置くと、正常に戻る。
「これはキャブじゃないなあ」と言う事に。
①まず先日欠けたカウリングを修正。欠けたバーツを合わせ「プラリペア」を裏から盛る。
②リアバンクのプラグチェック。何と手持ちの工具ではアクセス出来ない。
フレームが邪魔でプラグレンチが入らない。先週ライコランドで見た三節棍になっているプラグレンチを思い出した(この時、D型プラグ用は品切れ)。それを買いにdb4でNAPSへ。店員さんに頼んで「使えるかどうか実車チェック」をさせてもらう。何と、ダメだった。
プラグレンチ自体を三節棍から外せば、レンチ本体はエンジンにはまる(これだけでも充分)。でもそれじゃ三節棍は必要ないな。じゃあ、単品の短いD型プラグレンチはというと、ブランドものばかりで相当な金額。・・・・・結局三節棍を購入(810円ですけど)。
ついでにカチカチに硬化したプラグコードも怪しいと言えば怪しい。
NGKやらホットなんとかは高い。何でこんなに高いんだ。
テイラーのが安い(1本1300円弱)。ここでOさんに電話。
「プラグコードはこっちにあるから買わなくていいよ」交換しよう、と。(このヒトはカミサマに違いない)
③プラグコート交換、FCRのメインジェットを#155から#145に変更、「じゃあこれで様子を・・・・・」で、試走。明らかに爆発感覚が違う。正解だ。前が空いたところで一気に開けた。3ケタからスロットルオフ。あ、カブった。ダメだガフガフ言うしパワーも出ない。エンジンを切って溜息。もう一度Oさんのところへ。
④「うーん、キャブじゃないな。前から気になってたんだけどエンジンにガソリンが漏れた痕がある。それが気になる。もしかしてガソリンが正常に供給されていないんじゃないか」
そんなわけでガソリンタンクを外す。色々試す。結局、負圧コックが死んでた。ちなみに負圧コックはパイオリ。イタリア製だ。
db4のタンクはON・OFFコック→負圧コック→キャブレターの順で燃料供給。ON・OFFをOFFにしても負圧コックからガソリンが流れる。中のダイヤフラムが死んでどんな動きをしているか解らない。
「じゃあ、負圧コックをキャンセルして直(チョク)でキャブに繋ごう」(おおっ!何という賢さ!何と言う機転!やっぱりカミサマじゃないの?)
しかしそうすれば停車時はコックをOFFにしなければキャブがオーバーフローしてしまう。ま、その程度なら問題ないなあ。・・・・・ところでON・OFFコックのレバーは車体の内側を向いている。負圧コックが絶対の存在なら問題はないが、今は大問題だ。
しかもON・OFFコックは油量計センサーの更に内側にある(なんという素晴らしい設計思想だろうか)センサーとコックの位置を入れ替えて、更にコックレバーを外側に向けて付け直す。
センサーとコックを入れ替えて、今度はキャブのINマニホールドからの負圧パイプをメクラねじに交換。さてと・・・・・大変!センサーからガソリンが漏れているではないか!
しかもセンサーの中心部、ここは修理が出来ない部分だ。更に有ろう事か油量フロートのセンターパイプが折れた。完全に劣化破損。唯一の救いはフロートまで抜き取ってからの破損だった事。
OKOK。油量計は捨てよう。こんなもの人間をダメにする。ガスの残量なんつうものはライダーの感覚に任せるべきものなのだ。
新しいON・OFFコックを外側に着け、今までのをOFFにして油量計があったところに着ける。負圧タンクはFCRのスロットルプーリーに接触していたので外す。後で分解してみよう。
燃料パイプは加熱劣化に考慮してインジェクション用の太いもの。
長くなったが続きはまた来週。イヤ、再来週か。
3月6日、午前2時、こんな夢を見た。
僕が仕事をしている映像。俯瞰だ。
次に路面に倒れた僕のdb4の映像。
多分転等したんだろう。傷だらけだ。
・・・・・何か言われた。
答えて「何それ?」
・・・・・何かの声、直接脳に。
つまり、こうだ。
この時の仕事で「今の自分に分岐」した。
転んだオートバイは、分岐した「もうひとつのバージョンの僕」で、
映像がオートバイだけなのは、僕はもう死んでいる事を指す、と。
(量子論的並行世界?誰が集束させた?誰が観測した?そもそも拡散している事自体、何で証明する?)思考の波・渦。
すると、知らない人間の映像が、二度。やはり俯瞰の構図。
・・・・・また何かが脳に言う。
この人達も僕の仕事で「分岐」したそうだ。そしてもうひとつのバージョンでは彼らは死んでいる、と。
僕は激昂して、
「はあ?冗談言ううなよ!僕に何の権利があって他人の世界を分岐させるんだよ!」
夢が終わりに近いのを悟って、間違いかも知れない認識が訪れた。こいつがこんな夢を僕に見させているんだ、と。
「お前、ルミナスだろう!」
・・・・・そして覚醒。
思えば途中からルミナスの存在を認識していた気がする。
しかし、何ちゅうベタな夢だ・・・・・。
ビモータのdbは「ドゥカティのカスタムバイク」という認識を持つ人間が多い。
解釈の仕方は個々それぞれなんで、そう考える人間はそれで良い。
僕は「違う」と考えている。
例えばdb3-マントラ。これはLツイン+アルミフレームの可能性を立証した。それ以前にもスポンドンがアルミツインスパーの900SSを販売してはいたが。
本家M900より扱い易く乗り易い。そして車体バランスの良さはM900がおかしな乗り物に思えてしまうほど良い。質量の中心化、重量物の低位置化を実感できて、しかも驚くほど良く曲がる。
ただ、外装デザインはかなり好みが別れる。オーナーだった僕も初めて見た時は引いた。ぶっ飛んだデザインだなあ、と。しかし生産台数454台(日本正規輸入は28台)を完売している。ビモータが500台売れたんなら失敗作とは言わないのだ。
例えば今僕が乗ってるdb4はたった1年しか製造されなかった(生産台数不明)。
トラスではなくアルミフレームな所が好き嫌いの分かれ目なのか、マントラより少ないんじゃないか?
さて、db4は本家SS900ieがあるのに、わざわざキャブレタのLツインだ。
しかも1年後にdb4ieとして再登場。キャブの意味を・・・・・・何がしたかったのか解らんが、恐らくドゥカティは1997年、900SSの生産を終了。1998年、ピエール・テルブランチのデザインによるインジェクション仕様のSS900を登場させた。ビモータはここで何らかの理由でキャブレタ仕様のLツインを引き取るように供給を受けた。そしてdb4を発表した。
それか、販売成績の振るわないSS900ie(失礼な言い方ではあるが)と、一方で根強く残るキャブレタ・Lツインの人気。そこに目を付けたビモータは敢えてインジェクション仕様のエンジンにキャブをくっ付けてdb4を発表。・・・・・のどっちかじゃねえの。
しかしdb4は一年間の生産の後、db4ieを発表(えー何ソレ)。
db4の本題は、コーナリングにある。ドゥカティよりライダーの重心を高くしてタウンスピードでは軽く感じさせる車体構成(オフロード車に乗ればこの意味は解ってもらえるはず)。
スピードレンジが上がればコントロールが速度に比例して難しく、繊細になる。何しろフレームはスリムでタイト。・・・・・でエンジンは強大なトルクが売りの900Lツインなのだ。
さて、db1は非常に売れた。そのハンドリング「伝説」とまで言われるようになった。db1はGPMレーシングのF1レーサーのコピーフレーム車だ。剛性の高いフレームは900SSのエンジンを積もうがスリックタイヤを履こうが一切の補強を必要としない。1985年の公道車両が25年経っても依然として現代の車両に対して大きなアドバンテージを持っている事は驚愕に値する。db1が伝説化されても、それは当然だと思う。
当然900SSのエンジンを使ったdb2が期待された。db1は小柄な日本人の体型にフィットするがコンパクト過ぎて体格の大きな欧米人には合わなかった。イタリア人の体格はアングロサクソンより小さく、しかも開発ライダーのD・タルドッツィは小柄な人物だった。
db1の抱えるコンパクト過ぎる構造故の不具合は、ビモータにとって今後は許されない事だった(モーリ氏はdb1を失敗作を呼んだ)。
きっと誰もが待ち焦がれていたdb2も生産台数はdb1とほぼ同じだ。しかし日本では売れなかった。跨って解った。これ「外人サイズ」じゃん。
日本人はdb1フレーム+900SSを望んだが、db2は熱対策に考慮し、更に欧米人にサイズを合わせてきた。要するに大き過ぎた。日本人の期待を裏切る形で発表されたdb2はこの国で販売台数を伸ばす事が出来なかった。嫌、ビモータとしては成功例のひとつなんだろう。何故ならdb2のマーケットは日本ではなかったから。
「大きなdb1」など、誰も欲しがらないのだ。
db3の日本での絶望的な販売実績の後、ビモータは再び新型dbを発表。それがdb4だ。しかしdb4もやはりターゲットは欧米人だ。小柄な日本人では両足が地面に着かない。そして日本人はやはりdb1の伝説から逃れられず、db4の販売も伸びなかった。
260万円という価格は一気にダンピング。2000年、ドゥカティSS900ieとほぼ同額の148万円でdb4が買えた。ちなみに同時期db3は驚愕の85万円とされた。
SS900ieのエンジンをアルミ楕円トラスフレームに閉じ込め、キャスタも立てて、重心を高く設定し、うまく操る事が出来れば「2段曲げ」が出来る新たなdb。それがdb4だ。しかし日本人には下半身が伸びてしまい中々コントロールが難しい。「外人向け」を意識させられる。
db4攻略の鍵は乗車姿勢を自分に合わせる事じゃないかな。ステップを上げるか、シートを下げるか。ハンドルを手前に持ってくるとか・・・。僕はシートを下げる事が良いと思う。同じフレームでシート高の低いdb3は、実際小気味良い一体感でクルクルと良く曲がった。
ビモータフレームを硬いと表現するヒトは多い。
嫌、当たり前じゃないの。レースからフィードバックさせたフレームが売りなんだから(でもdb4ではワークスレーサーはなかったか。bb1でアルミトラスに確信した、って事にしておこうよ)。
けど、だからこそサスペンションの感触がダイレクトに伝わってライダーをセッティングへ誘う。それはツルシのオートバイしか知らない人間には理解出来ない世界なんだと思う。今日買ったオートバイでワインディングを走って、そこで評価を下す事が当たり前の国産車感覚ではビモータは理解出来ない。
ビモータは非常に高価だ。でも高価=高評価ではない。自分に合わせたセッティング(それは多岐に渡る)を出す事、それを要求してくる。ただでさえ高額を支払い、更にそこから手間・金をかけなければならない。そこで初めて評価が出る非常にやっかいなシロモノだけど・・・・・そういう過程でビモータが考えるオートバイに対する姿勢、情熱と言って良いと思う。それを感じる事が出来れば・・・・・。
ビモータは「走る事それ自体が目的で、それを実現するためには時に奇想天外なアイデアを持ち込む。純粋な追求は他の全てを犠牲にする」
「特化」と言えば特化だ、しかも極端なね。
「馬鹿じゃねえの」・・・・・うん、その通り、馬鹿だと思う。
そういう馬鹿がライダーの0.0何%か居て、そういう馬鹿どもの為にやってんのよ。
他のメーカーとは目指すベクトルが違うのだ。小規模だから出来る事、っていうアドバンテージも大きい・・・・・が、それは諸刃の剣としてひとつの機種で経営は常にシーソーみたく傾いてしまう。そんな綱渡り的存在も好き。
db4を知れば知るほど、僕はこんなにもライダーに思考を止めさせないオートバイに出会えた事に感謝するのだ。
何か偉そうだけど、一度乗ってみると解るかも。嫌、解らなくても良いや、別に。
オートバイは星の数ほどあらぁ。