切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

2024年 桜の花 伊勢田神社・・・式内社   京都府宇治市    2024.4.2 訪問

2024-04-07 22:35:25 | 撮影
   

 宇治市内にある伊勢田神社に行く。久しぶりだ。私が利用する近鉄京都線小倉駅から奈良方面へ一つ目の駅が伊勢田駅となる。駅から西へ 少し歩くと、すぐに長い参道に出る。この参道の北側に境内が広がる。
 伊勢田神社の創建については詳細は分かっていない。境内に説明書きも駒札も何もない。 しかし「山城国風土記逸文」の中に、この地で祭礼が行われたことが記されている。これが大宝 3年平城京造営の少し前になる。平安時代になると「延喜式神名帳」に伊勢田神社の名前が出てくる。これが今現在の伊勢田神社に比定されている。当初の神社の名称は違ったらしい。しかし少なくとも平安時代初期あるいはそれ以前には、伊勢信仰のもとに入り、天照大神を勧請し、名前も伊勢田神社となったようだ。伊勢は伊勢神宮を表し、田はこの地が伊勢神宮の料地であることを表し、伊勢神宮にここから穀物が納められていたと考えられている。この辺りのことは「三代実録」に記されているという。

   

 当時の歴史書や記録からどこまで信憑性が高いものかは分からないものの、あえて作り話を記すことも必要がないので、歴史的事実であろうと考えられ、そういった点からは西暦703年の創建が、あるいはそれ以前の創建が事実ではないかと考えられる。そして延喜式神名帳に記されているということで、式内社という格式の高い神社ということになるのだろう。

     

 今回は参道の入り口から順に撮影していくことにした。かなり長い参道であり途中、道路が横切っている。鳥居に近づいてようやく桜の花が見えてくる。さらに本殿に近づくとやはり桜の木があり、いずれも白い花であった。様々なアングルから撮影を続け、ほぼ本殿の周りを回り切ったところ、少し離れたところに桃色の花が見えた。近づいてみると品種は分からないが桃色の桜の花だった。さほど大きくない木に満開に近い状態で広がるように咲いている。少し離れた本殿を背景に撮影する。このように一箇所に複数の色があるケースというのは、撮影していて何か気が高まるものがあるように思う。

     

 あいにく空は薄曇りの様子で、その点が悔やまれる。今年の桜の時期は天気予報では晴れとは言うものの実際には黄砂の影響もあるのかどうか、全体的に真っ青な空はほとんどないに等しい。なんとか薄い青空が見える気もするが、ほとんど白に近いような色で、白い桜は空に溶け込んでしまって何とも頼りない感じになってしまう。

 伊勢田神社の記録は江戸時代の文献にも出ており、それらをまとめて文章化し是非、駒札を用意して掲げてもらいたいものだと思う。

        
コメント
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