御香宮神社へ行く。
国道24号線沿いにあり、京阪や近鉄の駅からもすぐ近く。家からは車で15分もあれば十分。この日の条件は当初、青空があったものの、現地に着くとどんどん曇ってきてしまい少々残念だった。
創建の詳細は不明だが、おそらく平安時代に遡ると見られている。当寺、この地から香りの良いきれいな水が湧き出て、その水を飲むと病が治るとのことから、天皇から「御香宮」との名前を賜ったとのこと。
表門と本殿が国の重要文化財。他に備前長光作と言われる太刀が重要文化財に指定されている。拝殿も江戸初期の建築で、京都府の指定有形文化財。かつては小堀遠州作と言われる庭園を有していたが、戦後、団地などの造成により神社の裏側に、その庭園を模した新たな庭園が作られた。
参拝者も普段から多く、便利な場所であるだけに行きやすいし 、また桜も含めて見所も多い。御香水は京都の名水百選にも選ばれており、近所の人たちが絶え間なく汲みに来ている。 桜の木は多いわけではないが、本殿の周辺に集中しており、重要文化財の見事な本殿の建物をバックに撮影すると、非常に良い絵となる。
神社の周囲は国道、鉄道、アーケード街などがあり非常に賑やかな人の多いところだ。アーケード街を抜けて西の方に行くと、いわゆる伏見の酒造地帯となる、この中に長建寺があり、御香宮神社の後、行くことになる。
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『長建寺
東光山と号し、真言宗醍醐派に属する。八臂弁財天(鎌倉時代後期作)を本尊とし、一般に「島の弁天さん」の名で知られている。元禄十二年(一六九九)、伏見奉行建部内匠頭攻宇が、中書島を開拓するに当たり、深草大亀谷即成就院の塔頭多聞院を当地に移し、弁財天を祀った
のが当寺の起こりで、寺名は建部氏の長寿を願って名付けられた。弁財天は、音楽をもって衆生を救う女神で、福徳・智恵・財宝をもたらす七福神の一つとして、多くの人々の信仰を集めている。毎年七月第四日曜日の夜に行われる「弁天祭」では、かつては、淀川に卸輿や篝船がくり出す舟渡御が盛大に行われていたが、淀川の河流が変わったことなどにより、昭和二十六年を最後に途絶えている。現在は、弁天察と二月の節分祭に、醍醐派修験道の最高の神髄として、柴燈大護摩修行が行われており、正月には、現世利益を授かるため多くの参拝者でにぎわう。
また、古銭型のお守り「宝貝守り」は、江戸時代より今に伝えられている。
京都市』 (駒札より)
続いて長建寺へ行く。
ここ何年かでこの伏見一帯が観光地として整備され、運河でも小さな観光船で巡ることもできる。伏見の酒というのは当然、伏見の名水を元に古くからこの地で造られてきた。大手酒造会社もあり、中には製造見学もできる酒造所もある。また幕末の激動期の志士たちが滞在していたこともあり、坂本龍馬がいたこともあって、女性の観光客も多い。
長建寺の名前の由来は、上記の駒札の中に説明がある通り。境内はさほど広くはないものの、島の弁天さんと親しまれており、結構有名なお寺だ。
駐車場がないので近所のコインパークに停めた。運悪く境内に入ると雨になってしまう。雨の桜も趣があって、たまにはいいかと思い直して撮影に回る。そこそこ人は来ていた。
桜そのものはなかなか見応えがあり、境内の中央部に密集している。規模は小さいものの、京都の中でも桜の名所として知られており、情報誌などにも紹介されている。桜だけではなく四季を通して様々な花が美しい寺としても有名である。
こちらは京阪電鉄の中書島の駅から比較的近く、来やすい場所にあって、すぐ目の前が観光船の発着場になっており、伏見めぐりには是非とも訪れたいお寺だと言える。