切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

玄隆寺~天満宮(寺戸町)~願成寺 京都府向日市

2021-07-30 23:14:13 | 撮影


玄隆寺

 

 玄隆寺は阪急京都線東向日駅のすぐ西側にある。お寺そのものが結構派手な雰囲気で、入り口が坂になっており、のぼり旗が立つ。またそこには大きな石柱が立っており、大きな文字で「南無妙法蓮華経」とあり、その下に「法華宗」とあった。
 法華宗というのは日蓮宗と同義語、あるいは俗名。厳密に言えば若干の違いはあるが、日蓮宗そのものが現れた後、その教義の解釈などをめぐって様々な派閥に分かれて行く。日蓮本人が迫害を受けて日蓮宗そのものも禁教扱いとなるが、日蓮の門下生たちがそれぞれに新たな宗派を起こしながら歩んで行った。という意味では確かに違いはあるのだろう。ただ基本的な教えそのものは、「法華経」を根本的な経典としており、ほぼ同義語的な扱いでいいのではないかとも思う。
 ただ同じ法華宗と言っても、本門流という宗派であり、他の流派もあるので本山も異なる。この本門流は京都市内にある有名な「本能寺」を本山とする。
 門がないのでそのまま境内に入ると、よく整理されていて綺麗だが、中央に目立つ建物があり、これが本堂なのかとは思えないような、現代的な建物が控えている。やはり周りを見てもこれが本堂なのだろうと思われる。
 このようなお寺も珍しいので、一見の価値はあるだろうと思われる。
   


天満宮(寺戸町)



 阪急京都線東向日駅から西へ少し歩かなければならない。街道沿いに小さな神社がある。これが天満宮だ。しかし石造鳥居の額に、単に天満宮とあるだけで、他の場所を見ても名前に関わるものはこれ以外認められない。したがってやはり名前は天満宮なんだろう。
 天満宮と言うからには当然、菅原道真公が祭神となっているはずだ。そしていわれのある牛の石像も鎮座している。表面が剥がれたりしているので、おそらく江戸時代あたりの物だろうと思われる。鳥居の奥に小さな祠が建っており、祭神名等はなかった。しかししめ縄には手が入れられており、地域の中で大事にされているものだと考えられる。
  


願成寺



 願成寺は阪急京都線東向日駅から西へ徒歩約10分くらいと思われる。住宅街の細い道沿いにありやや複雑なところだ。西山浄土宗のお寺で、謂わば地域の檀家さんによって支えられるお寺だと言える。
 寺の前に着くと門は閉じられていた。ただし冊があっただけなので、そこから身を乗り出して内部の写真はなんとか撮ることができた。正面の本堂はかなり立派なものだ。境内は全体が石畳になっており、両端の方に多くの緑が植えられている。なぜ石畳なのかは分からないが、いわば典型的なお寺といった感じだ。
 なおお寺の創建等詳しいことは一切情報がなくわからなかった。
  
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《新型コロナ禍は新たな段階へ到達なのか》

2021-07-28 23:13:00 | 社会

 今日のニュースで、まず東京の方が新型コロナの陽性者数がついに3000人を突破して過去最高を記録したと出た。オリンピック前に専門家が、今のペースでいけば8月の初めごろには東京だけで3000人を超えるだろう、と言う予想を述べていたが、それをはるかに上回るペースで一気に突破してしまった。その後新たなニュースが入ってきて、東京周辺の県も大きく陽性者数が増え、中には過去最高になったところもある。そして夕方のニュースでは、石川県や私の住む京都府も過去最高記録となってしまった。 

 確か昨日だったか、東京都が2800人を越しても、菅総理大臣は特に緊張感もないような顔つきで、問題なのは重症者数がどうこうとか言ってワクチン接種も進んでいて、そう大きく心配する必要はないといった旨のことを、記者たちに述べていた。ところが今日の3000人突破で東京都庁は、かなり深刻な状況に陥ったと認識したようだ。もうまもなく陽性者数においても、重症者ベッドが足らなくなってくる事態に近づいている。もちろん今回のハイペースの増え方は、インドのデルタ株の影響だと言うが、それがわかっていれば専門家が言うように、今の一部の県に出している緊急事態なり蔓延防止等対策等の中身について、もっと検討すべきだし、その内容を強化すべきではないかと言う意見も出ている。当然だろう。特に若者から中年世代が陽性になるケースが多いのは、その年代の接種がまだまだ進んでいないからだろう。外国の例ではデルタ株による陽性者の重症化率と死亡率はかなり高いと言う。

 日々の菅総理の会見の様子を聞いていると、毎日同じ事しか言わない。またその口調も特に緊迫感が溢れているような感じもしない。はっきり言ってもはや、どうしたらいいのかわからないのではないか、というのが政府の現状なのかもしれないと思う。だから人流を抑えてくれ、飲食店の時短要求、オリンピックは家で見る、ことなどといった全く同じ内容の繰り返し。そんな有様だから、国民がテレビ局のインタビューを受けていても、もう慣れっこになってしまった。あんまり緊迫感を感じない、と答えるのも致し方ないような気もする。総理を始めとする国にそういったものがないから、国民もそうなるのだ。その一方、オリンピックは特別扱いで行われている。

 そして今日の日本全国の養成者数は、9000人を突破し10,000人に達する勢いだ。もちろん過去最高の人数。そして政府にはもはや、とるべき対策が思い付かない。接種のほうもこの調子で行くと全国民に完了するのが、年末近くまでかかると言う話も出ている。高齢者組はかなり接種が進んでおり、確かに陽性者数は大幅に減っている。私も、また私の友人たちも皆さん2回の接種は終えた。だからと言って安心かと言えばそうでもない。実際抗体ができているはずの人が、陽性になったと言う話も出ている。

 マスクをする、密を避ける、人流抑制、家に閉じこもる、リモートワーク、テレワーク、こんなものいつまで同じこと言われても、さっぱり先へ進まない。政府が危機感を持って緊張して国民に訴えると、国民に不安を与えるとか言う意見も政府内にはあるらしい。国民を馬鹿にしているのかと思った。

 やはり事実に基づく実態を、ここに目の前に明らかにして、具体的な新たな対策を出す必要があるのではないかと思う。このデルタ株がさらに変異して、強力な変異株になった時、場合によってはワクチンすら効かなくなるようなところまで行ってしまうのではないか、といった不安さえ出てくる。そういった可能性は今のところ専門家も含め、誰も言っていないが、ないならない、あるならある、そしてより強力な対策を具体的に国民の前に出していくと言うことをしないと、明日には確実に全国で陽性患者10,000人を突破するだろう。1部の専門家はすでに、パラリンピックは中止せざるを得ないのではないか、との発言。今日の国会でも共産党の議員が、今からでもオリンピックを中止すべきではないかとの質問をしていた。中止する必要がないと言うならば、素人の国会議員だけではなく専門家を交えた具体的な根拠を国民の前に示さなければならない。そういったものがないから、国民はますます耐えきれなくなって、外を歩きまわっているのだ。オリンピックの関係で東京の街の様子が生中継される場面が多く出てくるが、まさに人間だらけ。すごい人流と言うべきだ。これでは感染者数が減らないのは当たり前としか言いようがない。何もかもが中途半端な政権の姿勢。この政権に限らず、野党も含めた政治家たちが危機感を持って、本気で対処しないとこの先一体どうなるのか。我々一般国民としては専門知識も何もないので、ただただ不安が増すばかりだと言うのに。

 しかしこういう状況で注意しておかなければならないのは、下手すると感染拡大が収まらないのは、「国民たちが専門家や政府の言うことを聞かないからだ」と言う言い方が1部聞こえてくる。表面的には確かにそういう面はあるだろう。しかしそのような声と言うのは、個々の人々の生活の実態や経済的な実態等々の真の姿を見もしないで、十把一絡げに束ねて言うから、そういう表面的な見方にしかならないのだ。国民たちがこのように動いてしまう背景には、政府や専門家たちの危機意識と言うものを、どれだけどのように発するのかと言う問題点がある。そして日本と言う国全体の様々な活動における、整合性と言うものが極めて不十分で不公平なものになっていると言う現実があるのだ。特に経済的弱者については、日々の生活をどのように送っていくのかと言う、いわば死活問題にまでなりかけている。菅総理は「安心安全」と極めて抽象的な言葉で、何が言いたいのかさっぱりわからない言葉を発している。そんなスローガンは要らない。具体的に今、何をどうするのかと言う「具体的方針」が必要とされているのだ。しかものんびりしている時間はない。急務だ。

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教念寺 京都府京田辺市

2021-07-27 22:39:15 | 撮影


教念寺

 

 近鉄京都線興戸駅から北東へ約1km。草内地区の住宅街だが、このあたりに5箇所ほどのお寺が集まっている。そのうちの一つが教念寺だ。細い路地を入ったところにあるので車を停める余裕はない。少し離れたところに置いてあとは徒歩で行く。
 お寺に着いた時に先客が何かの用事で来られていて、住職が対応されていた。境内の写真を撮らせてほしい旨伝えると、ご住職はせっかく来たのだから是非本堂の内部も見ていってください、ということで、わざわざ本堂を開けてくれた。先客の2名もついでという形で本堂の内部を初めて見ることになったようだ。
 本堂そのものも比較的新しいように見えたが、内部は非常に美しく黄金色に輝いている。そういった意味ではどこのお寺の本堂の内部でも、同様と言えば同様だが、一番奥に本尊の阿弥陀如来坐像が見える。ご住職によるとこの本尊は平安時代のもので、ほぼ1000年経っているということだ。
 それを聞いてびっくり。よほど状態が悪ければ話は別だが、平安時代作となれば何らかの文化財に指定されているはずだ。やはり京田辺市の指定文化財となっていた。どうぞ近くでゆっくり見てくださいとのことで、本尊に近づいてよく見てみる。もちろん1000年という長い年月の中で、昔は油に火をつけてお経を唱えていたので、本尊はその燃えカスの油で全体が真っ黒になっている。これはどこのお寺でも同じことが言える。しかしご住職が示されたところには、一部1000年前の金箔がわずかに残されているのが見えた。かつては阿弥陀如来そのものが全身金箔で覆われていたものだ。見たところ全く素人ではあるが、京都府の登録有形文化財でもいいのではないかとも思った。写真もどうぞということで撮らせて頂いた。
 その後2名の先客は先に帰り、私の方はご住職とお話をしばらくした、といっても普段ご住職が法話をされるような時の話で、延々約1時間、ご住職の思いを聞かせていただく。かつては市役所に勤務されていたということで、お話の内容には政治的な問題も数多く出てくる。日本の政治に対する憤りが直接的に出てきて、まあ私と全く同じ思いだと何回も頷いた。このようなことをズバリ言われるお坊さんも比較的珍しいのではないかと思えた。
  最後に境内とその横にある墓地を拝見させていただいた。予約された墓地には名前が記されている。そこには、最後の勤務校で同僚だった方と同じ苗字の名前を見つけた。そういえばその方はこの草内地域の方だったはずだ。ご住職に聞いてみると、なんとその方を知っておられた。おそらく檀家さんの一軒だということだろう。思わぬところで人を介して知り合いの方を知ることになって親近感を抱く。
 お寺そのものの創建等についてはよくわかっていないらしいが、江戸時代早期であるらしいとのことだった。なお宗派は浄土宗西山禅林寺派。

  
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西念寺~長福寺 京都府京田辺市

2021-07-25 23:05:50 | 撮影


西念寺 (草内)

 

 同名のお寺は京田辺市内に2箇所ある。そのうちの1ヶ所。草内地区だ。西念寺についての情報は皆無。浄土宗で本尊は阿弥陀如来ということだけ。
 近鉄京都線興戸駅から北東へ約1km。住宅密集地の端にある。門前に来てみると何か半分朽ちかけたような雰囲気。そのまま境内に入ると、あまり整備された跡が感じられない。全体的に雑然とした状態だ。すぐ目の前に本堂があるが、こちらも開かずの扉かのような引き戸が閉まったままになっている。この中におそらく阿弥陀如来があるんだろうか。
 境内は雑草があちこち生えたままで、土地もあまり整備されていない。一つだけお寺らしいものがあって、境内の端に小さな覆い屋に石地蔵が鎮座していた。どこを探してもお寺の名前、山号なども何もない。ひょっとして無住のお寺で、廃寺が近いのかもしれないと思ってしまった。
   


長福寺

 

 近鉄京都線興戸駅から北東へ約1km。住宅密集地の中にある。この辺りにはやや小さめのお寺も少し密集している。浄土宗西山禅林寺派で本尊は阿弥陀如来。
  構えのしっかりした山門があり、くぐると細長い境内が先へ続く。途中に本堂があっておそらく再建されたからさほど年月は経っていないんだろう。かなり新しく見えた。典型的なお寺の本堂という形式だ。境内には緑も豊富で通り道もよく整備されている。巨石も置かれており、奥に鐘楼があった。梵鐘は中規模のもので、しっかりした鐘楼を持つお寺というのは意外と少ないものだ。特にこのような地域に根ざしたお寺というのは、さほど鐘楼を見ることは少ない。
 このお寺は、すぐ近くの周辺に檀家さんが固まっており、その人たちによって支えられている地域密着型のお寺だろうと思われる。しかしこの場所で西山禅林寺派のお寺を見るとは思わなかった。

   
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教法寺 京都市伏見区

2021-07-24 22:31:22 | 撮影
教法寺

   

 教法寺は地下鉄東西線石田駅から、東へ徒歩約10分くらいのところにある。山科盆地のほぼ南の端になる。ただし行政区としては伏見区となる。
 このお寺に関する情報等は、手元の書物やネット上にも一切なかった。「浄土真宗本願寺派」の寺院で、浄土真宗の中でも最大の会派となる。さらに仏教の各宗派における信徒数においても約800万人という人数は日本最大となる。
 平安時代末期に現れた法然の浄土宗が民間の庶民の間に広がり、専修念仏の「南無阿弥陀仏」を何度も口で唱えることにより、極楽往生へ向かうことができるというその教えは、瞬く間に庶民の心を捉えた。後に「教行信証」において浄土宗の根本的な教えを唱えた親鸞が現れ、さらに人々の支持を得ることになる。当時においては一部の貴族たちを中心とする、いわば特権階級が文字の読み書きができるという状態であり、農耕作や漁業などに携わる庶民達が、貴族、また後に政権が武士に移ると、そういった権力者のために懸命に働き、文字の読み書きができない人たちにとってみれば、ただただ南無阿弥陀仏を唱えるだけで心の拠り所となる法然や親鸞の教えというのは、大いなる救いになったものと言える。
 その結果浄土宗のお寺については、各地域に創建され地域の人々のよりどころとなって、全国に広がった。浄土真宗の方については、親鸞の教え・教義というものがかなり体系的な形で、僧侶たちの間にも大きな支持を得ることとなり、次第に親鸞の教えに基づいて様々な教えがまとめられ、京都に本願寺が創建されそこが本山となる。各地に「別院」や「教堂」が建てられ、全国にさらに本願寺派の寺院が建立されていく。現在では別院という名称が各地で使われている。本山直属ということで各地域にも大きな影響を持つ。しかし近年本願寺派に所属していても、その地域独自のお寺については檀家数の減少もあり、経済的に厳しい状態にあるところも増えていると言われている。
 教法寺は山門も比較的大きく、どっしりとした構えだ。境内に入ると宗祖親鸞の銅像が建っている。正面には屋根の高い本堂が控えており、境内全体を見回してもある意味、さすがに本願寺派だなと言う思いにさせられるようだ。
 しかし今まで多くのお寺を回ってきたが、その大半は浄土宗のお寺であり、また日蓮宗のお寺が多かった。浄土真宗のお寺というのは思いの外少なく、この辺りはひょっとしてその地域の特性があるかもしれない。しかし浄土真宗本願寺派のお寺を見てきた限りでは、やはりそれ相応の立派なところが多いように感じられる。また山科にも別院があるが、広大な境内を有し、人々の憩いの場ともなっている様子を見ていると、さすがに本願寺別院だなと思うほどのものだ。

     
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