ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
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教育基本法の改正9~義務教育

2006-04-26 17:37:19 | 教育
現行法は、第四条に義務教育を定めている。私は、生涯学習、家庭教育、幼児教育、義務教育、学校教育という順番が良いと考えるので、ここで取り扱う。

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●現行法

第四条(義務教育)
 国民は、その保護する子女に、九年の普通教育を受けさせる義務を負う。
2 国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料は、これを徴収しない。
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 自公案・教改委案は、以下の通り。

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●自公案(要旨)

【義務教育】
 国民は保護する子に、普通教育を受けさせる義務を負う

●教改委案

第九条(義務教育)
一 国は、義務教育に関する権限と責任を有する。
ニ 国民は、教育の目的を達成するため、その保護する子供に一定期間の普通教育を受けさせる義務を負う。
三 義務教育は、これを無償とする。
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 まず普通教育と義務教育という用語の規定を明確にしたほうがよいと思う。これは憲法の規定の不備から来ている。
 普通教育という用語は、初等・中等・高等のそれぞれに用いられており、概念規定が明確でない。普通は、特殊と対比して使われる言葉である。普通教育は、特殊教育にあたる専門教育や職業教育に対比し、国民が一般に受けるべき共通の基礎教育をいう。こうした一般共通の普通教育の上に、個別的部分的な専門教育・職業教育が行なわれる。
 私は、教育基本法においては、初等・中等教育のみを普通教育と呼び、高等学校以上の学校における教育は、専門教育または職業教育としたほうが、よいと思う。

 次に、上記の意味の普通教育は、親または保護者が国民の義務として子供に受けさせなければならないので、これを義務教育ともいう、としたほうが、わかりやすくなると思う。
 教改委案は、第一項で突然、義務教育という言葉を使う。義務教育とは何かは、第二項で述べられる。そうであれば、条項の順序を逆にした方が良い。普通教育について「一定期間」というのは、現行は九年であり、これは引き続き明記すべきだろう。また、第三項の「義務教育は、これを無償とする」という規定は、あらゆる費用を無償とするという拡大解釈を許すおそれがある。

 以下に私案を示す。

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◆ほそかわ案

(義務教育)
第七条 国民は、教育の目的を達成するため、国民一般に共通する基礎教育としての普通教育を、ひとしく受ける権利を有する。
2 国民は、その保護する子供に、九年の普通教育を受けさせる義務を負う。
3 国は、前項に定める義務教育に関する権限と責任を有する。
4 国または地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料は、これを徴収しない。
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