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ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
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「親学」が、いよいよ展開5

2007-04-15 09:35:56 | 教育
●「家庭からの教育再興プロジェクト」も設立

 先回『「親学」の教科書』を紹介したが、その本の中で高橋史朗氏は、本書をテキストにして、「親学講座」や「親学アドバイザー養成講座」「親学勉強会」を全国で開催し、「家庭からの教育再興プロジェクト」を一代国民運動として展開していきたいと述べていた。
 最後に、「家庭からの教育再興プロジェクト」について触れたい。去る4月8日、東京・竹橋の如水会館で、「家庭からの教育再興プロジェクト設立記念大会」が開催された。私は、残念ながら用事があって参加できなかった。参加した友人たちから報告を受け、資料をもらったので、それをもとに、この新たな動きについて書きとめてご参考に供したい。

 「家庭からの教育再興プロジェクト」とは、「『人間教育の土壌は家庭にある』という原点に立ち還り、学校や地域の方々との連携から親が果たすべき役割を再認識することを促し、家庭教育の再興を目指した事業や活動をすること」を目的としているという。(会則より)

 設立の趣旨は、以下の通りである。長文だが、この訴えは、抜粋の出来る文章ではない。そのまま紹介させていただく。
 「いじめ、不登校・ひきこもり、学級崩壊といった子どもの問題から、自殺、虐待、不祥事など、社会問題化しつつあるわが国の現象は、大人の事件であれ子どもの事件であれ、すべてわが国の戦後教育の成果といっても過言ではありません。人間形成を担う教育がどうであったのか、あるいはどうであるのかが、厳しすぎるほどの現実としていま問われています。
 〝あらゆる教育の根幹は家庭にある〟。しかし、この一点がまるでタブーでもあるかの如く語られないのが、わが国の社会風潮の実情でもあります。しかも最近の傾向として、子どもの教育をすべて学校に任せ、食事さえろくに作らない家庭が出現するに至りました。
 親の崩壊、家庭の機能不全……。多くの人々が教育の中心課題に気づきながら声をあげることができず、学校教育に問題ありと、学校や教師を責めることで、お茶を濁してきました。長年のメディアによる攻撃とそれに乗せられた親たちによって学校現場はやる気を殺がれ、最近では、親による監視や攻撃によって、実際に子どもと向き合っている教師たちが疲弊し、内向きになってしまう風潮がつくられつつあることは、由々しき事態だと言わざるを得ません。
 学校の教師は基本的には子どもの成長のために努力しています。これを支えていくのが家庭の役割であり、仮に教師に問題があったとしても、子どもを励まし、やる気を出させていくのが親の役割です。近年さかんに教育界が発信する「学校・家庭・地域」の連携とは、子どもをもつ家庭が主体となってはじめて実現できるものなのです。
 子どもの問題の原因は、親自身の人格が問題なのではなく、親の愛情のかけ違いや序列のない家族関係など「親の誤算」に問題があったのです。それに気づいて意識改革した親たちが地獄から生還したように元気になり、親子ともども自立し、明るい家庭を築いています。そして、その喜びを伝え、苦しんでいる親たちのために、いま立ち上がろうとしています。
 親を親として教育し直す。これが真にできるのは親として生きてきた人間、そして苦しみから立ち上がった人間にほかなりません。私たちは、家庭教育の限りない使命を自覚して、次代を担う子どもたちのために進んで学校や地域の方々と手を携えて、親としての研鑽の場を生み出し、家庭からわが国の明るい展望を生み出すべく、ここに「家庭からの教育再興プロジェクト」を発足することを宣言し、家庭教育の再興を目的とした事業・活動を推進してまいります。」

 会長には、高橋史朗氏が就任した。日本の教育を変えようという高橋氏の情熱は、火の玉のようである。

 設立記念大会は、「家庭から日本を変える! ~親からはじめよう、教育の再興~」と題して行なわれた。「鬼かあちゃん」で知られる台湾人評論家の金美齢氏と宮川俊彦氏(国語作文教育研究所所長)が対談をした。続くパネルディスカッションは、高橋氏がコーディネイターをして、長田百合子氏、角田明氏、野口芳宏氏、松居和氏が「よい子があぶない! 現場からの緊急提言」を題して語り合った。教育の現場で身を張って取り組んできた方々である。
 設立大会の詳しい内容は、今後、「家庭からの教育再興プロジェクト」のサイトに掲載される。
http://www.moku-pub.com/project/top.htm
 参加した友人たちの話では、中條高徳氏も来場されていたという。中條氏、金氏は、私も登壇した「日本の再建は家庭教育から」と題するフォーラム(3月11日、名古屋)に出られた方々である。このフォーラムでも、家庭教育、特に親の役割の大切さについて訴えた。
http://blog.goo.ne.jp/admin.php?fid=editentry&eid=5e11352a88f9007db1b5dd3a903eb379
 
 いよいよ展開されつつある「親学」が広く国民に知られるところとなり、家庭から日本の再建を進める動きが活発になることを願って、この連載を終えたい。(了)

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