天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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棋士の本棚(土井誠八段)/スローカーブを、もう一球

2013-12-18 21:01:23 | プロ棋士

1106157675◆書籍紹介
・書籍名:「スローカーブを、もう一球」
・発行所:角川書店
・著者:山際淳司
・発行年月:1985年2月
◆内容紹介
たったの一球が、一瞬が、人生を変えてしまうことはあるのだろうか。
競技だけに邁進し、限界を超えようとするアスリートたちを活写した、不朽のスポーツ・ノンフィクション。

   ◇  ◇

「週刊碁/棋士の本棚(12月9日号、第59回)」は土井誠・八段の「スローカーブを、もう一球(山際淳司・著)」でした。

本書は短編スポーツノンフィクションで八篇からなり、「スローカーブを、もう一球」はその一篇です。
舞台となるのは1980年の群馬県・高崎高校野球部。本校はいわゆる進学校、野球名門校のように野球環境は恵まれない中で、春の甲子園(センバツ)出場までの経過を描いています。
エースピッチャーの試合中の心理状態、野球に対する考え方など、野球名門校の有名選手とは違いローカルな無名選手の本音が綴られています。

土井八段のコメント
ともすれば暗いだけの話になりがちなのに、なぜ爽快感を覚えるのか?
僕が考えるに「やりたいことをやっている人間」を描いているからで「そこに向かって努力している人間の幸せ」を感じさせてくれるからでしょう・
・・

ノンフィクションはあまり読まない方ですが、私の身近にある高校での話で興味を持ちました。
マスコミで話題になるような強力なチームや選手ではなく、どこにでもあるような野球部にスポットを当てたのが新鮮ですね。

   ◇  ◇

「高崎高校」は県下の囲碁名門校でもあり、2010年の全国高校囲碁選手権団体戦では4位に入賞しています。
ただ最近は部員の減少で、団体戦のメンバーも揃わない心配があると聞いています。

県内高校囲碁部の不振は、その前提となる中学生囲碁界の低迷だと思います。
少年少女囲碁大会でも小学生は100名以上参加するのに、中学生はその1割にも満たないという状況です。
中学校では運動部の部活に比べ、文化部は肩身が狭いようですね・・・

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