〈ブレーメンの音楽隊〉の話で有名な北ドイツのブレーメンから西北西に約50㎞離れた所にオルデンブルク市があります。先日講演に行ったついでに、市の中心部にある城館を見学しました。
外観 1 & 2
外観 3 & 4
ライン河流域のヴェストファーレン地方から北方の東フリースラント地方への長距離貿易ルートを管理するために、1100年頃、この地に中世の低地城塞がオルデンブルク伯爵によって建てられました。しかしこの城塞が古文書に現れるのは13世紀の終わり頃です。それから約100年後、周りにリング状の堀が造られて水城になりました。小さなスペースに多数の住宅や農場の建物が集まっていた城塞は、16世紀後半の時点で約350人の人が住む宮居だったようです。この頃からお城は荒廃していると考えられ、少しずつ改装されて行きましたが、17世紀の前半にお城はバロック様式に改築されました。18世紀には中世の低地城塞の最後の部分が取り壊され、同時に堀も埋められました。そして19世紀には最終的に城館として生まれ変わったのです。
外観 5 & 6
外観 7 & 8
城館の中核は天井画のあるネオルネッサンス様式の大きなホールで、このホールは第2次大戦後の約50年間、城内劇場として使われていました。
ホール 1 & 2
ホール同様、他の歴史的な部屋のいくつかも今日まで大部分が保存されています。
歴史的な部屋 1 & 2
歴史的な部屋 3 & 4
1918年までオルデンブルク城館は大公(この地方の君主)の住居でしたが11月革命の後にこの機能を失い、その数年後に州立芸術文化史博物館になりました。
階段 ・ 陳列物のひとつ(太ったヘラクレス)
さて、城館のすぐ近くに寿司とフュージョン料理を供する店を見つけたので、〈寿司もどき〉を食べてみることにしました。
城館近くのビストロ 1 & 2
寿司もどき 1 & 2
巻きずし全体に衣をつけて揚げてあります。中に巻く食材としてサーモンやマグロなど選べるので、私はエビを巻いたのと鶏の照り焼きを巻いたのにしました。エビを巻いたのにはとびっこをのせています。揚げて時間が経っていないので、特に表面の部分が生温かくて妙な食感です。不味くはないけれど、私はもっと酢味のきいた冷たい巻き寿司の方がずっと好きです。
〔2022年8月〕