カヤックと過ごす非日常

大人は水辺で子供に返ります。男は無邪気に、女はおバカに。水辺での出来事を通してそんな非日常を綴っていきます

6.ただ憧れを知る者だけが ― 時にはゲーテを

2006年09月10日 | Weblog
ゲーテの詩に「だた憧れを知る者だけが…」という一節がある。

   Nur wer die Sehnsucht Kennt,Weiss,was ich leide
   (ただ憧れを知る者だけが、私の苦しみを知るのです)

この詩の内容を知る人にとっては今日の内容とはちょっと違うと思うだろうが、最初のフレーズだけを見ていて欲しい。知らない人はこのまま Go!


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私は子供の頃、憧れるものが二つあった。

一つは白壁の蔵。

扉を開けると、平家から続く家系図があったり、家康の家来が使っていた茶碗があったり、明治維新に活躍したご先祖の羽織があったり…、とお宝が埋まっていそうで、蔵のある家の前を通るだけでワクワクしたものだった。

残念ながら実家にはそんな蔵はなく、我が家にももちろんない。これは憧れだけに終わってしまった。

               

もう一つは地名のついた苗字。しかも簡単に読めない名前に。
自分のルーツがわかるようで、どんなに遠くに暮らしていても(その頃はアフリカの草原やアマゾンのジャングルを思っていたのだが…)自分の帰る所がはっきりわかる気がして、憧れた。

しかしこれも憧れに終わってしまった。

       
          アフリカの草原  

 
                
                 アマゾンのジャングル(中央にいるのはワニ)      

今も昔も私の名前はと言えば、まぁ、どこにでもある単純な名前だ。「日本の名前百選」の上位にランクインされる。ご先祖様には申し訳ないが、あまり好きではない。
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私は「幻のトランペッター」さんが好きだ。
まじめ(そう)、誠実(そう)だし、思いやりもある(ようで)、頼りがいがある(みたいだ)。
それにレスキューしてくれた。だから好きだ。

あまり褒めるとつけ上ると悪いのでこの位にしておくが、私が「幻のトランペッター」さんを好きな理由はもう一つある。

彼の名前がちょっと変わっている。簡単には読めない。更に「きへん」付き!
しかも「 地名 !! 」

「あこがれるゥ~!」 お近づきになろう。




・・・・・ しかしある日の川で、それもまた幻に終わったことを知った。

その日以来、「幻のトランペッター」さんを好きな理由が一つ、減った。

                  だた憧れを知る者だけが…