カヤックと過ごす非日常

大人は水辺で子供に返ります。男は無邪気に、女はおバカに。水辺での出来事を通してそんな非日常を綴っていきます

155.懐かしい話 ― そうはしたくないこと

2007年08月31日 | Weblog
「嬉しいこと、楽しい事、大切にしていること」

それがある時、

「嬉しかったこと、楽しかった事、大切にしていた事」となった時、

どこから、どうしてそうなったのか、何が悪かったのか、と考えて、考えて、考えて…
それでも分からない時には…

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今日は友人と出かけるはずだった。

ところが、雨が強くなり、おまけに雷も!
「どぉ~しよう」と協議の結果、「本日中止」となった。

じゃあ、何するか。 で 「温泉にしよう」ということになり、1時間ほどの所にある湖北のリゾートスパに行った。

温泉につかり、いろいろ考え、「嬉しいこと、楽しい事、大切にしていること」が過去形になるのかなぁ、懐かしい話になってしまうのかなぁ、と思うと…。

    「まぁ、いいっか…」 と片付けたくはないのだが…。

そして、休憩室の片隅に本棚があり、その中にこんな絵本があった。
友人と「わぁ、懐かしい」とその絵本に見入った。

 
 スーホの白い馬

 馬頭琴

 何年ぶりかで、いや

 20年ぶりかで見た
 懐かしい絵
 


どんな人が読んだのだろうか。四隅の紙はめくれ、表紙も傷だらけだった。しかし懐かしい絵だった。

このお話は、子供の国語の教科書に載っていて知った。我が家にも一冊、長い間本棚にあった。

      そういえばあの本、どこに行ったかな…。

時、折しも、何かと話題のモンゴルが舞台のお話だ。この時に、こんな思いがけない所で、偶然出合った懐かしい絵本。

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子供の教科書に載っていたお話が懐かしい話となったように、「嬉しいこと、楽しい事、大切にしていること」もまた懐かしい話になってしまったのだろうか。  


      

154.ヤモリ ― 24時オーダーストップ

2007年08月29日 | Weblog
夏になると毎年、我が家の玄関先にはヤモリの旦那がやって来る。(いや、かみさんかも)

ドアの横のすりガラスにへばりつきじっとしている。

玄関の中から見るとその小さな吸盤がなんともかわいらしい。ガラスの内側から
トントン、と叩いてみても、びくともしない。さすが我が家の 屋守り だ。

しかし、さぁ、出ようと思った時は、一大決心がいる。
もしもドアを開けた時、ワァッと飛びついてきたら、いや、びっくりして落ちてきたら、どうしよう!

とそぉっと、そおっと、開け、見たくないけれど、そっちの方を確認しながら、サッと出る。入る時もしかり。

裏からならじっくり見ることはあるが表からは、まじまじと見たことはない、何だか気持ち悪そう。

ところが先日、びっくりする場面があり、思わずカメラに撮った。



光にすかして見てもはっきりと分かる。何かをくわえているようだ。

「エグイ」ものがお嫌いな方はここまでにしておきましょう。
気にならない方だけ先へどうぞ
           
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ぎぇー! 

だから見るなと言ったのに…

とまぁ、こんな物が見えた。

撮っている時に飛びついてきたらどうしよう、フラッシュに驚いて飛びかかってきたらどうしよう、どうしよう、どうしよう・・・

と言いながら、撮りまくった。カメラマンって、こうなんだろうな、きっと。
カメラを持つと怖くなくなるって。

でも、レンズを覗く人は、それしか見えないからいいかもしれないが、私は周りも見えるので余計怖い。逃げる構えを取りながら、撮った。

   (今の仕事、クビになったら ヤモリカメラマン になろうかな…)

幸い襲われる事もなく撮影終了。その間、フラッシュにも動ぜず、なかなかの度胸者だ。
そして翌朝、



この羽だけが外に落ちていた。あのヤモリと蝶はどこへ行ったのだろう。

生きるという事の一場面だった。

以前、こんなクモの巣を見かけた。
今まで見たことのない模様で、きれいだった。

一生懸命に張ったクモに拍手を送りたいほどだった。ようやった、でかした!
しかし、この糸にかかった虫のもがく姿を想像すると、その残酷さに賞賛も消えた。

きれいの、かわいいの、いや、残酷の、ということは人間が勝手に決めている事で、生き物達はただ、自分のなすべきことをやっているにすぎないのだろう。

あんまり、人の目を意識しないで生きていくのが自然な生き方なのかもしれない。





 琵琶湖、西野水道で見かけた
 クモの巣

 きれい!と思うのは人間だけ
 だろうか





ヤモリの旦那、今度のお食事は、私が寝てしまってからにお願いしますよ。

153. 万水川 ― 誰が楽しむか

2007年08月27日 | Weblog
実は…

記録の順番が後先になってしまったが、実は2週間前に信州、万水川・犀川に行って来た。ここは3年ぶり。

以前行ってみて、 万水は命がけ! って、思った。

なぜって、

  水が多く(?)流れが速く(!)、出艇直後から沈続出し
  「待て!」と言われても自力では止まっていられず
  岸の草にしがみついていても、その草がちぎれ
  沈しても助けは来ず
  橋桁に張り付く人がいて
  真っ二つに折れたカヤックが岸に捨てられていて

  おまけに後ろから突っ込まれて肋骨にヒビ入れて…

だから「万水川は命がけの川」と思った。
しかしその後ちっとは技術も向上し、今年、 無謀 にも また挑戦した。

そして ウワァー! ナンジャコリャ! と叫んだ。

うわぁー!、なんじゃこの静かさは!と叫んだ。

水が少なかった事もあってか、静な、穏かな流れだった。あの「命がけの川」とは程遠い、のんびりとした、と言うか、何だか物足りない流れだった。

    川って変わるんだなぁ…
    私が変わったんだろうか…

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前日の夜から走って明け方キャンプ地に着く。
薄明かりの中で3年ぶりの川はちょっと姿を変えてはいたが、懐かしい景色が目に入った。

そうそう、ここに競技用のポールがあって、あそこにアヒル小屋があって…
公園の隅にテントを並べ、ちょっと仮眠をとる。

しばらくし、カアッー! と射す太陽に、暑くてたまらず目が覚める。

いい天気だ。

テントの近くの桜の木にこんな物、発見! 
羽化したばかりのセミ。そっかぁ、こんな緑色をしてるんだ



カフカの小説に 「 変身 」 という作品がある。ある朝目が覚めると、自分が虫に変身していた…、というお話だ。

このセミは、「芋虫」として土の中にいた何年間、自分がどんな姿に変身するのか、考えた事があるだろうか。ふと我が身においてみる。

   今までどう、変身して来たんだろう…
     これからどう、変身して行くんだろう…
       どう、変身しなければならないんだろう…



出艇地のそばにある湧水池。
1分とは入っていられない、とても冷たい湧き水が流れている。本当にきれいだ。


 勢いよく噴出す湧き水

 癖の無い、おいしい水だ

 この水はどこから
 来るんだろう。

 この勢いは何を
 運ぶんだろう。 

水と光が作る不思議な光景。この世界の天井はどんな世界なんだろう…



あくまでも澄んだ水。その中にこんな物を見つける。
サングラス…

フレームが曲がっている。きっと、ここで、この水の冷たさに震え上がった人のだろう

どこの誰だろう。私が見つけたことを知っているだろうか…
どこかの誰かとつながった時だった。



冷たい水でほてった体を冷やした後は、さぁ、出艇。
出艇場所にはこんなかわいいお見送りがあった。


 この子の名前は何て言うんだろう
 「リス子」?

 いや、リスではないような…

 まぁ、いいか

 万水の、川の見張り番

 行ってきます!


途中の休憩地ではこんな物も



川原に流れ着いたリンゴ。どこの畑から落ちてきたんだろう。

見ると何だかおかしい歯型。猿?イノシシ? ヒトではないようだ。
ここにも会ってはいないが姿の見えない生き物とつながった。

川にはミステリアスな出会いがいっぱいだ。

静かに流されて一日目は無事終了。
そして次の日の朝

サルスベリの赤い花の間から、また暑い夏の陽が射して来る。



テントを片付けようとひっくり返してみると…

あぁー!、なんじゃこりゃー!



この摩訶不思議な芸術模様、一体誰が書いたのだろう。

それは、たぶん、きっと ナ・メ・ク・ジ だろう。

初めは 「 キャー、やだ! 」 と思ったが、見ているうちに、だんだん面白くなってくる。

この線の続きはどこにつながっているんだろう。この作者は今はどこに行ったのだろう。

信州では、水辺だけでなく、草むらにもミステリアスな出会いがあった。

万水と言えば、当然水車!

澄んだ水、歴史を刻んだ水車、その中を静かに行くカヤック…

そんな光景を 夢見て、期待して 行く。

ところが…

水車の前にラフトが陣取っていて…



カヤックは 「えぇー!なんでそんな所にいるんだ!邪魔だ!」と思ったが、
ラフトもきっと「なんでこんな所に来るんだ!邪魔だ!」と思っただろう。

しかし、一番迷惑したのは、静かな流れを期待してきた一般のお客さんだったのではないだろうか。

暑い中、高いお金を払い、はるばる、幻想的な川面を期待して来たのに目の前にあるのは、水を我が物顔に騒ぐカヤック・ラフト達。

ここに限らず、水辺に出ると、川や湖は誰のものかと思うことがある。
水は、誰を楽しませようと思っているのだろう。

冬の水鳥、釣り師、水泳客、漁師、観光船、そしてカヤック
みんなそれぞれ自分達の主張があるだろうが、いや、主張があるから共存が難しいのだろう。

今のところ、譲り合いと我慢のグラデーションのようだ。

2日間のツーリングはあっけなく終わり、以前は「レベル5」と感じた川が「レベル2」ほどになり、何だか物足りないような信州だった。




152.陽は昇り陽は沈む ― 琵琶湖のヘミングウェイ

2007年08月26日 | Weblog
  B-Ⅱ-8 柳川から水ヶ浜

昨日、クラブのN氏、Kさんと琵琶湖一周、いや2周目のツーリングに出た。
Kさんは今日もあの「ベッカム島命名者のMさん」の写真を持って来た。

故人となられたMさんと同じ気持ちで、Mさんと一緒に、Mさんのために、こうやって写真を携えている。

死んでもこんなふうに自分の想いを引き継いでくれる人がいるMさん、どんなに魅力的な人だったんだろう。一度お会いしたかった。

Mさんの遺志を引き継いでいるKさんの想いにも心打たれる。繊細な感受性を持ち、それでいて強い闘志を秘めているこの人も、またとても魅力的な人だ。

今回もこの 4人で 漕いだ。 … 冬の湖北もこの4人で漕いでいたなぁ …


出艇は、もうおなじみになった例の「ウサギの木」 (№143.ここをご覧下さい)

7月18日に来た時には水位が高く、この木の根元には近づけなかった。昨日の水位はマイナス32センチ。この前はたしかプラス水位だった。

4日後の22日に見た南郷の洗い堰はゲートが全開で、「鹿跳び橋」の下流はこんなふうだった。



久々に見る 激流 だった。それくらい、琵琶湖の水が多かった。しかし、昨日はまた元のように、木の根元まで人を案内してくれた。

本当に琵琶湖はその姿をよく変える。だから何度来ても面白いんだろうな。

遠浅の岸ではシジミ獲りのおじさんが2人。



ちょっと声をかけてみる。
  「どうですか?」
  「さっぱりやなぁ」「獲れへんわ」

と言うおじさんの達の今日の収穫は…



おぉ、いっぱいあるじゃん! でもおじさん達曰く、
「1時間でこれ2,3杯は獲れるんやけどなぁ、あかんわ…」

へぇ~、そんなにいっぱいいるんだ。
そう言えば以前、まだ寒い頃ここに来た時もシジミ獲りのおじさんがいた。(№60.ここをご覧下さい)



竿の先にクマデのような櫛状の物と金網で作った「シジミ獲り器」
子供の頃、私の家にもこんな物があったが、 ジョレン と言っていた。おじさん達は何て言っているのだろう、聞けば良かった。

しまったなぁ、また確認しそこなった。まぁ、いいっか、3週目のテーマが 再確認 だしな?…



琵琶湖にはよくこんな杭がある。朽ちかけた杭は苔に被われ、時々小さな木が生えている。

「ここは私の場所!」と占有権を主張しているようで、小さいながらも頼もしさを感じる。
その小さな木の小さな枝の間から、水遊びを楽しむ親子連れが見える。この親子も琵琶湖の楽しい思い出を作ってくれたかな。

親子連れ。と言えば、この中に一体何組の親子がいるんだろう。
鵜の大群!

こんな大群が、あっちからも、こっちからも飛んで来る。
琵琶湖の在来種が激減しているそうだが、この鳥のせいもあるのだろうか。



じきに八幡の伊崎寺の「竿跳び」に着く。
冬に来た時には上陸し、この竿のすぐそばまで行ってみた。

そんなに高いとは思わなくなった。
「んーん、別にど~ってことない高さだな、これなら飛び込めるよ」

でも 飛び込み禁止!



なのに、しばらく行って振り返ると
     あぁー!誰だ!

誰かが柵を越えて入っていた。2人いる。
「ダメだよ!」と思っていると、

    「禁止だからやめよう」と思ったのか、
    「怖いからやめよう」と思ったのか、

2人とも引き返していた。はぁ、良かった。




伊崎寺の周りはこんな岩場が続く。恒例の、岩と岩との狭い所をすり抜ける技を披露する。
でもって、避け損ねて岩に擦る。
「うわぁー!やってもた!」という傷が既に無数。
えぇー、まだ乗り出して4日目だというのにこの傷。「傷も勲章」とは言ったけど…。



Kさんとおしゃべりしながら漕いでいて、ブイの横を通った時、ついうっかりと避け損なって、ゴンとあたる。「The W.W.W.」号の横っ腹に鉄のブイの記念がしっかりと残った。

まぁ、いいっか、傷も勲章 と自分に言い聞かせた。

岩場にはいろんな魚がいたがオトボケなヤツがこっちを見ている。
「ハゼの仲間だろう」ということになったのだが、まぁ、恥をかくと悪いので
「オサカナ」とだけ言っておこう。



そしてこの花はなんだろう。ちょっとくすんだ水の中からきれいな黄色の、かわいい花が顔を覗かせている。時々見かける花だが、名前を知らない。



 

 先日「山野草図鑑」を買ったが

 やっぱり「水草図鑑」も
 いるかなぁ





伊崎寺を回り、堀切港の手前から沖島に向かう。

この夏まで、すぐ目の前にあるのになかなか行かれなかった沖島だが、このところ立て続けに行っている。実は何日かあとにもまた行く予定なのだが。

この日も30度を越す暑い日だったがそれでも小学校の校庭にはトンボが群れて飛び、秋の花が咲いていた。



のんびり漕いでゴールの水ヶ浜に到着。12月20日にはまだ紅葉を眺めながら通ったここも、今は赤、黄色、白と、色とりどりの花々が咲き、アヒルがお出迎えしてくれる。

「南イタリアのリゾート地のような」と言っては、言い過ぎだろうか。
(南イタリアのリゾート地には何があるか知らないのだが…)

でも、寛げそうなお店があった。出艇前から、「ゴールしたらここでコーヒーを飲む!」と言っていたのだが…

何だかんだと出艇が遅くなり、おまけに途中でゆっくりし過ぎ、車の回送が終わってさぁ、お店に突入!と思ったときには「クローズ」だった。

アチャー!
日没が閉店時間とのこと。それまでにお店に入っていれば良かったのだが。



薄暗くなり、電気が点いた店内で語らう人達を恨めしげに見ながら、次回のお楽しみができた、と負け惜しみを言った。それでも、ここからの夕暮れは存分に楽しめた。



 
 これはゴール直後の写真
 
 この後、回送している間に
 陽は沈んだのでした…

 場所取りしとけばよかった




またいい琵琶湖と出合った。ありがとう。





151.金平糖 ― なんと素晴らしい世界

2007年08月21日 | Weblog
金平糖

          

金平糖は一夜にしてできるものではなく、長い時間をかけ、心を込めて作り上げる。その工程が家庭を築く姿や子を育てきた親心にも例えられ、おめでたい席に使われる。皇室の引き出物は古来、金平糖とのこと。

私のカヤックは先週無事進水式、初ツーリングを終えた。(№150ここをご覧下さい)

私はカヤックと出合って、いろいろな楽しさ、嬉しさ、驚き、学び、そして感謝、など、語りつくせない気持ちの一つ一つを大切に育ててきた。そしてこれからもそれを大きく育てていきたいと思う。

それでその気持ちの一つ一つと、今までお世話になった、またこれからなる人達の幸多かれと願って、進水式に 金平糖 を添えた。

金平糖のツノはその思いの一つ一つだ。
これからまた新しい艇と 非日常 でのツノを大きくして行こうと思う。

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この前の土日は北山川の瀞八丁に出かけた。
進水式の後、特別ツーリングで木津川を30キロ余り下ったが、オフィシャルツアーはこれが初めて。

金曜の夜スタッフと一緒に出発し、明け方キャンプ地に着く。
月が沈み、黒い空には星がいっぱいあった。いっぱいあったが、道中

車が止まっている所には電灯があり良く見えず、
走っている時には動いているので良く見えず、
暗い所に車を止めてと言ったのに止めてくれず
キャンプ地に着いたときには薄雲がかかりよく見えず。

結局「満天の星」が出ていたのに見れなかった。クソッー!

何でもそうだが 「 また後で 」 は 「 もうダメだ 」 になる。
「 今! 」 「 絶対やりたい! 」とだだを捏ねなくては希望は叶えられないようだ。

ため息の出るような星空を見るには、月がなく、雲がなく、電灯もない。
そんな条件が揃わなければならない。何より、私がキャンプに行かれなければならない。

しかし、次のキャンプは当分先になるので 「 満天の星 」 もかなり先になりそうだ。
車を止めてくれなかったスタッフへの恨みも当分続きそうだ。

しかし、川は楽しかったので、まぁ、許したろ。

出艇地はジェット船の発着場。
まぁ、長い階段をカヤック持ってヒーコラ言いながら降りる。どんだけ降りるかというとこの位。



水の色は エメラルドグリーン

この色も見慣れてきたが、それでも何度見てもその色の不思議さに飽きない。
どこの誰だろう。緑の川に赤いカヤックが、まるで絵本から飛び出たように流れてく。

     きれい!

私の艇 「 The W.W.W. 」 号だって負けてはいない。
でも、緑に赤っていいなぁ




去年来た時より水量は少なく、たいした瀬もなく穏かに下る。
去年来た時は 「 ハラハラドキドキした 」 という印象が強かった。

瀬も今回より大きかったし、何より、「 瀬のあるカーブでジェット船と遭遇したらどうしよう! 」 という怖さが強かった。

しかし…

今年はまぁ、どうってことないな、と思える。
ふ~ん、これって 「 成長! 」 って言うのかな?
途中こんなもの発見!



ちょっと分かりにくいが…
これはきっと釣り師の 別荘 に違いない

ガードレールのテラス ― どこから持って来たんだろう
微妙に傾斜した階段  ― 斜めに降りるって、難しいだろうな
置きっ放しの竿    ― 落っこちたらもったいないのにな
大量のビールの空き缶 ― のんべぇだな 

川には所々釣り師がいたが、こんな 「 別荘 」 を持っている人はそう、多くはないだろう。

2日間のツーリングだったが2日とも、変わらずに静かで緑色の川だった。
恒例の飛び込みもやった。

そして、誰かが岩にへばりついていた。誰だ? 何のために?
どこをどうやって来たんだろう…



と思っていたら、ははぁん、どうやら飛び込みをやったらしい。
この水しぶきがそう言っている。



そう言えば誰かが

「 イバラがあって、痛いんですけど… 」 と言っていたような気がするが
「 男だ!行け! 」 と言ったような気もする…。

あれはもしや 「 プリンス?… 」

2日間の穏かなツーリングが終わった。
その晩、夜遅く、新艇を家に連れて帰った。初めての我が家だ。

「KIDUの女王号」は小さく畳まれて、車のトランクに入って我が家にやって来た。
この舟は車の屋根で、天を仰ぎながらやって来た。

    ようこそ、おいで下さいました



今はまだツルツルに光っている底だが、いずれ近いうちに、無数の傷で曇るだろう。それもまたこの艇の歴史だ。
その傷の一つ一つが 「 非日常 」 の記録となる。

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この艇の傷が増えるたびに、金平糖のツノが大きくなって行くのだろう。
金平糖のツノを育てる新艇 A-1

         
 
              どうぞよろしく



150.進水式 ― 新しいパートナー

2007年08月16日 | Weblog
昨日(おとといになってしまったが)、待望の新しいカヤックの進水式を行なった。

この舟は私の人生(と言うと大げさだが)の大きな記録という意味がある、特別な一艇だったので、その製作にも、進水式にも、こだわりがあった。

どんな大きな意味かと言うと…
まぁ、それはともかく

どんなこだわりかと言うと…
まぁ、それもともかく

いろいろ注文をつけた。

ここにこれがあったらな… と思ったので「ここにこれをつけて」と言ったら、
「え!、そんなこと言った人は今までにいませんでしたよ」
「でも、つけたい!つけて!」

ここがこうだったらなぁ… と思ったので「ここをこうして」と言ったら、
「え!、そんなことしたことありませんよ」
「でも、したい!して!」

こんなのが欲しいなぁ… と思ったので「こんなのが欲しい」と言ったら、
「え!そんなの作った事ないですよ」
「でも、欲しい!作って!」

と無理難題?というか、極自然な要求をあれこれ言った。
あれこれ言って、要求貫徹!

そして昨日、記念の進水式とツーリングが行なわれた。たいていの場合、進水式は何かのツアーの時に一緒にやるのが通例だが、この舟には特別の思いがあったので
ついでではなく
 特別に、この舟のためだけのツーリングを組んでもらった。

これも
「でも、やりたい!やって!」と言ってやってもらった。

木津川を約32キロ。こんな長距離、私は初めてだったのでちょっと不安だったが、言いだしっぺの私が弱音は吐けない。
当日は夏の暑い日が射す中にも、柔らかな雲があり、人肌のような木津川は静かに迎えてくれた。

一緒に漕いでくれたのはMさん、Tさん、Sさん、Nさんの4人。
このメンバーはもはや 同士、いや、 同志 とも言うべき面々だ。

製作・記録に関わってくれた「Jr.」や「プリンス」等も交え、木津川のほとりで、ささやかな、しかし心のこもった進水式が行なわれた。

着水の前に、新艇の名前の字入れをやった。
前日、「Jr.」が「自分でやりますか」と思いがけない事を言ってくれたので、これもとても楽しみにしていた。

自分の艇の名前を自分で入れられるなんて、これはオーナー冥利に尽きるというものだ。

名前のシールを貼り、丁寧に押さえていく。思いを込めた一文字一文字が浮き出てくる。感動する

いよいよ川に浮かべ、私の大好きなスパークリングで艇を祝福し、みんなで乾杯。
その後は、普通はオーナーを川に投げ込むのだが今回は、王子とTさんが「騎馬戦?」のように手を組んで、その上に乗ることになった。

そして弧を描くように川に飛び込む…

ハズだったが、手の上に立つ、って難しいものだ。立つ前に川の中へ…

無事進水式も終わり、さあ、出発。



 ここから出発

 この川で生まれた艇なので
 この川で進水式をしたかった

 念願かなって
 処女ツーリング。




思いっきり 「夏!」と叫びたいくらいの青い空、白い雲。
思いっきり開けている空と川。

木津川はどちらかと言えば単調な川だと思う。
しかし私はこの大きく開く景色がたまらなく好きだ。

両岸が迫る川はそれもいい。しかし、この川は、そんなに大きな川ではないのに、アフリカやアマゾンの川を思わせる雄大さがある。だから好きだ。



「木津川は単調」と言ったが、こんな所もある。結構ハードな堰堤越え。
それもまぁ、屈強な若者(?)達のサポートがあればどぉってことはない。



水量は少なかったが、大した苦労もなく無事終了。30キロとは言うものの、下ってみれば意外とできるものだ。

ゆっくり漕いで予定より早めに流れ橋に着く。とうとうやった。



こだわった甲斐があった新艇だった。思わす頬ずりしたくなる。
これから、よろしくね。

もちろんこれまでのファルト「KIDUの女王号」を忘れた訳ではない。彼女ともまた次の旅を楽しむが…

でもしばらくはこの新艇リジットとお付き合いしよう。

風呂に入り、食事が済んでから、また流れ橋に行ってみる。
夕陽がとってもきれいだった。



穏かな一日だった。この舟とのツーリングもまた、穏かな旅であってくれるようにと祈った。

私の新艇はこんな舟。これはまだ製作途中のものだが、これからだいぶ進化した。



名前もこだわりの名前をつけた。
どんな名前かと言うと…

まぁ、どこぞの水辺で、こんな色の、Wが3つあるリジットA-1を見かけたら、それがこの舟でしょう。

149.断ち切るために ― 沖の白石

2007年08月06日 | Weblog
人にはいつまでもこだわっていた事を吹っ切るために、それを乗り越えるために、何かをやらなければならない時がある。

私の場合 沖の白石 !


特別の思いで、行こうと思っていた、念願の所。

ずっと前から行きたい、行きたいと思って、1年前から行きたい行きたいと言っていた所。なかなか行かれなかった所だ。

岸から6キロほど沖にある小さな4つの岩達。
漕いで漕いで、ずっと岸に上がることなく漕いで会いに行く岩。
大きいものでも高さ14メートル程の、琵琶湖の中の点に過ぎない小さな岩

しかし、私の琵琶湖の 聖地 である。

ここを思うといつも胸が熱くなる。
1か月ほど前にも遠目に見かけ、また思いを募らせたあの岩。(№135.ここをご覧下さい)

ここは私の特別な所なのに、ここへの気持ちは
「残念」とか「無念」とか「落胆」とか「羨望」とか
ちょっと「憤慨」とか「怒り」とか「衝撃」とか…

そんな 負の感情 の方が多かった。そんな気持ちを断ち切るためにどうしても行きたかったのだが、なかなか行けなかった。

それがある日、本当に突然、行かれることになった。
その日が今日だった。

以前、心底悲しくて、憔悴していた時「念じれば花開く」なんて言葉を言って
気を紛らわせていた事があった。

やっぱり念じると花は開くんだ…

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           ・
           ・

今日は本当に静かな琵琶湖だった。今日、もし、風があったとしても、絶対に行く!と思っていた。
「今日は風があるので中止します」なんて事絶対言わない、じゃなくて、 絶対言わせない!と思っていた。

「一人でも行く!」と言いたいのだが、それが言えないので今まで胸の中で何かが大バクテンしても我慢せざるを得なかった。

しかし、今日、本当に絶好の 『 沖の白石日和 』 だった。

北船木のあの「自立の木」から出艇。
私の大きなこだわりを断ち切る儀式のスタートが、「自立の木」というのも何か運命的なものを感じる。



 自立の木

 カレンダーの木

 今日は夏のページ

 琵琶湖には
 月見草がよくにあう



真夏の暑い日、予報に反して風がなかった。
遠くに霞んでいた沖の白石だったがだんだん、だんだんその姿が見えてくる。

私はある事を吹っ切るために行くので、サッサと行く訳には行かない。みんなから少し(だいぶ?)離れて行く。

これはよくある事だが、先頭の人が何度も振り返り、確認している。
それは分かってたが、「遅れないで!」と言いたいのだろうが、ずっと後ろにいた。



4つの岩が正面から見えて来る。
やっとここに来ることができた。



みんなが先に行っても、ずっと見ていた。
これを見て、うん、やっと、こだわりの引っ掛かりが、吹っ切れた。

長かったなぁ…
もう、明日から「沖の白石」と聞いても、 正の感情 になれる。

こんなにきれいに見えてくれてありがとう。



そうなりぁ後は遊ぶだけ。
この岩に登って…

登ったはいいけれど降りる時が怖い。
それならいっそ、飛び降りた方が簡単だ。



この岩にも登って…
白石が遊んでいるみんなを眺めている。
「久しぶりで賑やかになった」と喜んでいた事だろう。

登っては飛び降りて…





 これは私ではありません。

 飛び込み隊長のTさん

 でも、この高さからは…

 私もこの半分くらいまでは行きました。



そこで見つけたこんなもの。

これは何の卵なんだろう。
巣立ったヒナもいたんだろうか。



いっぱい遊んで、名残りは尽きないがそろそろ帰る時間。



この前、沖の白石が遠ざかって行くのを見ていた時は「後ろ髪を引かれる思いで…」と言ったが、今日は感謝の気持ちで遠ざかる。

本当にありがとう。



そしてまたここへ帰って来た。
行く時と帰った時と、別の自分がいることを感じたのは私だけだろうか。

一つまた、自立できた。やっぱり 「自立の木」



今日、好むと、好まざると、私のこだわりを断ち切りに行ったメンバーを紹介しよう。
このカヤックに乗っていた人たち。

ありがとう…






148.渋滞 ― 何が時間を作れるか

2007年08月05日 | Weblog
 ― 今日(と言っても、日付が変わってしまったので昨日のことになるが)
   またその道を通った。今日も渋滞していなかった ―

時間はお金で買うことはできない。
1日という時間を長くする事もできない。

しかし、何かに要する時間を長くする事はできる。
渋滞、これは時間が長くなる理由の大きな一つだろう。 

今の社会、できるだけ時間を短縮できるよう動いている。カーナビは渋滞箇所を知らせてくれ、私達はそこを避けて通る。渋滞で時間がかからないようにとお金をかける。

渋滞で時間が長くなる事を望む人は、まぁ、めったといない。
しかし、渋滞によって時間が長くなる事を望む人にとっては、渋滞はお金を払ってでも長引かせたいと思うだろう。

でもそんなことってあるんだろうか…

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O・ヘンリーの作品に「福の神と恋の神」と言う短編がある。

   本当のことを言えば、私はあんまり 0・ヘンリーは好きじゃない
   教訓ぽくって、純粋すぎて、道徳のテキストを読んでいるようで…
   しかし、いつも核心を突いていて、それに短い話が多いので、
   読むのに時間がかからず、それがいい。

ある大金持ちの老人とその息子が話をしている。
老人は「金で買えないものなど何もない」と言い、
息子は「愛も時間も金では買えない」と言う。

息子は結婚を申し込みたい女性がいたが、その話をする時間がない。そしてとうとう彼女は遠くへ行くこととなり、その最後の日、馬車で迎えに行った。2人で話ができるのは僅か10分位だったが、そんなくらいの時間では、到底結婚の話などできない。

ところが、2人の乗った馬車がある交差点に来たところで、四方八方から馬車やらトラックやら電車やらが、今まで見たこともないくらいたくさん、いっぺんに押しかけ大渋滞となり、2時間というもの、全くその場から動く事ができなくなった。

そして息子は結婚を申し込むことができた …   

実はこの大渋滞、大金持ちの父親が大金を払って作った渋滞である事を息子は知らない。愛を金で買うことはできないとしても、愛を打ち明ける時間は、金で作る事ができた。

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先日、出かけた帰り、ある人を車で途中の駅まで送って行った。

その道は渋滞することで有名な所だ。おまけに日曜の夕方。
送る事はいいけれど、渋滞で時間が遅くなるのはいやだなぁ、と思いながらも
「ああ、いいいですよ。ぜぇ~んぜん急ぎませんから」

そら、急ぐことはないんだけれど…、渋滞でトロトロ行くのはいやだなぁ、と思っていた。

その人とは年に5,6回しか会わない人だが、その人の話から、いろいろな事に気付かされた。

去年のこと、やはり出かけた帰りに一緒になり、しばらく話ができた。
その人が、若い世代の人たちに伝えたい事をいっぱい持っているが、それがうまく伝わらない。

そのもどかしさに言葉をつまらせたのを見て、この人とゆっくり話がしたいと思ったがその機会もなく、そして先日の車中となった。

話をしている内に、もっと話が聞きたいと思ったが、なぜか
渋滞の名所なのに、日曜日の夕方なのに、全く滞ることなく進んだ。
思いがけず早く駅に着いてしまった。

どおしてこんな日に渋滞がないんだろう。
誰か大金を払って、渋滞を解消したんだろうか…

そんな気さえした。

その人とは…
実は、このブログの1回目に

 「 私は何を次の世代に引き継げるのだろう。
  (私にそれを思わせる人がいたのだが、
  『その人』のことはいずれまた紹介することにして…) 」

と紹介した その人  だった。

どんな人か、と言うと…

若い世代の人達に、伝えたいと思うことをたくさん胸に思っている人…
私がもっと、話を聞きたいと思っている人…
なかなか話す機会がない人…

今度、この人を送る時には、渋滞箇所を探して行こうと思う。

 ― 昨日、またその道を通った。昨日も渋滞していなかった ―



147.素人の決断 ― 沖島巡り

2007年08月02日 | Weblog
B-Ⅱ-7

昨日は3人で沖島に行って来た。琵琶湖に浮かぶ人口460人程の島。
6月の末、この島に来て、「 哲学 」 なんかを語ったあの島だ。(№133.ここをご覧下さい)

なぜ8月1日にしたかと言うと、この日は伊崎寺の 「 竿飛び 」 がある日だったから。昨年は中止となったが、今年は修行する人だけが飛び込んで、行なわれることになった。(詳しい事情は…)

最初の予定では、12時頃の竿飛びを見て、沖島に行って、島内を散策して、佃煮買って…

前日の予報では3~4メートルの風、と言っていたので、別プランも立てていたのだが、意外と波・風が穏かだった。

Nさんが当日携帯のサイトで見ると、5~6メートル。
えぇ~、6メートルじゃぁ無理だわ…。とりあえず宮ヶ浜へ行って見る。

さて行ってみると、風も波も何もない。
6メートル、ってどこの話か! これなら大丈夫!

何が大丈夫、かと言うと、沖島一周!

で、さっそく3人で、意気揚々と漕ぎ出す。

風は南東からのはずなので、島の北側は風がないはず。早いうちに北側を回る。

宮ヶ浜からはほぼ真北に安曇川の 「 子供の国 」 が見える。約15キロも先だが、晴れた日にはくっきりと、霞んだ日でもぼんやりと確認できる。

北極星と並んで、 北の指標 となっている。 

偶然 「 トトロ 」 さんと出会う。最近はちょっとご無沙汰しているが、つい先日、このブログの中でも、トトロさんのことを話したばかりだったので、ちょっとびっくり。

いや、トトロさんがここに居たって別に全然不思議ではないのだが。
忙しそうだったので軽く挨拶をして先へ行く。 I さんの元気な顔もあった。



程なく、岸にこんなものが立っている。何だろう。
「 ここが岸だ、という目印の標識 」 、と言う説が出たが真相やいかに…。
今度確認しなくては。



出艇当初から風はさほどなかったが、島の北側は思ったとおり、凪だった。
「 そういえば、今日、対岸の白鬚辺りを漕いでいる人がいるんだっけ、風、大丈夫かな 」 と8キロ先の人に手を振った。
  
   ― びわっこヨの一口アドバイス ―

     メールはこまめにチェックしましょう。
     メールをもらったら、できるだけ、早く
     「 うん 」 でも 「 了解 」 でも 「 3・9 」 だけでも
     お返事しましょう。

     まぁ、期待はしてなかったけど…

それはさておき、
島の北側は水際に迫った山、崩れ落ちそうな岩、湖面に覆いかぶさった木々。
水は思ったより透明度が低く、緑色によどんでいた。水温が高かったからかな。
水は生温いほどに温かかった。



琵琶湖ではよく 「 トリ 」 を見かける。白くて小ぶりな鳥は 「 小サギ 」、大きくて灰色っぽいのは 「 青サギ 」 とまとめて言っているが、正しくは他の名前がついているのかも知れない。たぶんそうだろう。

だからこの鳥も トリ にとどめておこう。





 Hello Mr.Bird

 see you again!





沖島は離れてみると大小、2つの島があるように見える。しかしつながった一つの島だ。



以前来た時この小さな島を散策した。細い道に沿って行っても、じきに行き止まりになる。小さな畑に置かれた水汲み用の空き缶に島の生活を感じた。



こんなもの発見! って、堂々とあるのだが…
「 沖島総合自動測定局 」 何の測定をしているんだろう。中に電気が点いていたので誰かいるに違いない。上がって確認したかったが、風が気になり、素通りしてしまった。

琵琶湖一周、2回目のテーマ、 「 水辺の確認 」 。
しかし、確認できない事がいっぱいある。となれば3回目のテーマは、

水辺の・再・確認!

まだ2回目の半分も来ていないのに、もう3回目のテーマが決まりそうだ。
これって、良いんだか、悪いんだか…


ここをまわると島の南側に出る。きっと風が吹いているだろうな。



やっぱり、とたんに風が吹き、波があった。北側をのんびり漕いでいる内に、風がだいぶ出てきた。島の北と南では全然違っていた。

漁港に向かう途中、三角波のかなり大きいものに出くわした。これは私も初めての大物だった。Sさんが 「 ワァー 」 とか、 「 キャー! 」 とか言っていた。

しかしまぁ、Sさんの 「 キャー! 」 はあまり当てにならない。先日の櫛田川でも、瀬に入る前の何て事のない所で 「 キャー! 」 とか言っていた。

なんであれが 「 キャー! 」 なのか、よう、分からん。
なので、Sさんの 「 キャー 」 は別として、実際、風の割には大きな波だった。岸壁のすぐ近くを通った訳ではなかったが、もっと離れたら良かったのかなぁ…。

朝、Nさんが言っていた 「 5~6メートル… 」 がふと思い出されて、一周7キロ程の島の2キロ程を残して、対岸に戻ることにした。

あとちょっと、未練が残ったが、以前N氏が言っていた 「 やるのはトライ。やるかやらないか判断するのもトライ 」 。そういえばあの時も 「 判断 」 というトライをし 「 中止 」 という結論を出したんだった。

ここで突風が吹くのを何度も見たし、明日の新聞紙面を飾りたくないし。

そんなことで素人の私が出した結論、 「 戻る! 」



島の散策できなかったし、佃煮も買えなかったが、
まぁ、いいっか、次の楽しみができたもんな。

戻って振り返れば、朝と変わりない穏かな湖面。
やっぱ、最後まで行けばよかったかなぁ、と未練がましい言葉が出る。

早々と上がったので、帰りがけにお気に入りの店でティータイム。
更に夕暮れの湖岸に腰掛けて、また一杯(コーヒーです!)

8月1日という日に、それぞれの理由で琵琶湖に出ていた人達
 
  浜にいたトトロさん・ I さん
  向こう岸にいたM氏・Tさん
  島にいたNさん・Sさん・そして私、


お互いには何の面識もない人もいるが、琵琶湖というステージで私につながった。
この日、橋の向こうでまた新しいつながりができたようだ。

もしかしたらこれが 「 アリストテレス・クラブ 」 だったのかも知れない…。