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地域に溶け込む川崎フロンターレ16 【J特】

2011-06-24 00:02:42 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 昨日のオヤGK氏ブログで、J1川崎の記事が出ました。J1川崎のプロモーション部天野部長の特集です。最近、著書である「僕がバナナを売って算数ドリルを作るワケ」が時々ネット上に出てきて、気になっていました。そして、この本もチャリティーとして、印税はすべて震災復興支援に回されると聞いて、当ブログで紹介する事にしました。以下、そのスポナビの特集記事を抜粋して紹介。
 当ブログは、Jクラブ(いくつかでしょうが)のフロントの方々も目にされていると思いますが、今日はぜひ読んでいってください。
    天野春果著 定価:1,470円(税込)/小学館 ISBN:9784098401246      

 J1川崎は「イベント力」ではJリーグ№1と言われ、フロンターレらしさ(=川崎ブランド)として定着しつつある。これまでも様々なイベントを企画されてきました。「K点越え」「修羅場3」「11回目のプロポーズ」ツアーなど、ネーミングからして興味を引くものでした。特にFC東京との対戦である「多摩川クラシコ」はと多くのサポーターの動員に貢献してきたと言えます。
 その「イベント力」の中心人物がはそんなプロモーション部の天野部長。15年の経験を踏まえて「僕がバナナを売って算数ドリルを作るワケ」を出版されました。そのインタビュー記事を要約すると以下のとおり。

①プロスポーツは農業に通じる
 スポーツビジネスはビジネスの延長線上にあるもの。サッカークラブというのは本来サービス業で、汗をかいて作っていくもの。客単価を上げて、滞留時間を上げるにはどうすればいいのか。そのために、どういう手順があって、どこと交渉すればいいのかというノウハウは語られていないようだ。
「いいスタジアムを作りましょう」という話も出てきますが、自分たちの自前の土地がない中で、市だったり県だったりと調整しながら、フロンターレみたいに改築まで持っていくやり方もある。市長選のマニフェストに載せてもらうために、議会に採択させるために、署名を集めるために、どういう組織を作ればいいのか。そういうノウハウが大事」

 プロスポーツクラブというのは農業と似ていて、土地や気候、土壌を知るところから始まり、それに合う作物を考えなければ駄目。その上で、耕して栄養を与え、タネを植えていかないと、育つものも育たない。多くの人の協力が必要になるが、台風や干ばつのようなものが、経営上にも起こる。
 あとは、良い作物ができて終わりではなく、それを続けていくことが大事。そこで満足、慢心する事なく、汗をかいて手間暇をかけないと駄目。

②「胃・色・柔」と「安・近・単」
 「胃」は食べ物で、滞留時間を長くするということにつながる。
 「色」は2つの意味があり、1つはチームカラー。2つ目は、目に見える視覚的要素。地元商店街に応援フラッグを掲出してもらったり、駅等の行政の案内看板をチームカラーにしてもらう事。通常は大きな費用を要するが、ただでやる方法がある。行政だけでなく、スポンサーの協力を得る方法もある。
 「柔」は柔軟性。あるものについて、1つのやり方が駄目だったら駄目だと思わず、柔軟に他に実現させる手段を探る事。

 「安」は安心、安全。安いではありません。地元の大学との提携で託児室を設けたり、席詰め隊など。「近」は、選手とのクラブとの近さ。選手やクラブをいかに身近に感じてもらえるのか。「単」は、単純明快、分かりやすさ。お金をかけなくても単純な考え方が意外と重要。

③プロスポーツでこの国を豊かにするために
 プロスポーツクラブとして勝利も必要だが、「強化と事業は両輪」。スポーツでこの国を幸せにすること、豊かにすることが重要だが、どうやって具体的に作っていくのかが語られることが少ない。まずは「見るスポーツ」「するスポーツ」の充実。クラブが中心になって、心身共に健康になる環境をどう整えていくのか。強化(現場)と事業(フロント)は両輪だが、今の日本では、両輪のバランスが難しい。強化はすごく大事で、事業に与える影響はすごく大きい。その強化と事業とをつなぐベルトが自分達、プロモーション部というイメージがある。

④フットワークの軽さの秘訣と復興支援
 J1川崎は、8年ほど前に行政の窓口を教育委員会からシティセールスに移した。スポーツクラブを活用して街の知名度を上げましょう、という観点になり、一気に街に色を出すことができるようになる。これは本当に具体的なやり方で、行政で行き詰まっているチームは、これをやることで変わる。
 震災後の仙台戦の前に「Mind-1ニッポンプロジェクト」がスタート。仙台戦でのイベントは、クラブとしての風通しの良さが発揮された良い事例だと思う。

 「Mind-1ニッポンプロジェクト」で集めたお金は、日本赤十字社に送金する。うちの「支援はブームではない」というキャッチフレーズに基づき、震災を風化させないような継続した支援が重要になってくるはず。
 また、今後の復興支援活動の形というのは、被災地のニーズに合わせた、より細やかな対応が必要になってくる。そのためには自分たちの力でやれる活動費が必要。例えば、算数ドリルとサッカーボールを提供させてもらった件で、陸前高田との関係ができたが、この後の交流費用を「Mind-1ニッポンプロジェクト」の募金から流用することはできない。
 「Mind-1ニッポンプロジェクト」は活動を継続させていかないと駄目で、資金面のところでの継続性が会社内で保てないとまずい。他に、現地を選手が訪問し、サッカー教室など支援活動を実施。逆にこちらの支援によって子供たちに等々力を訪れてもらえないか検討している。

⑤今後の支援のあり方
 6月11日に選手、フロント、サポーター、行政が集まり、今後の支援のあり方についての会議を開催。選手たちは現地でのサッカー教室について聞かれ、積極的に参加の意思を示していたとか。復興支援用の口座開設についても協議され、東日本大震災への支援活動に加え、選手サイドからは宮崎を襲った新燃岳や口蹄疫、鳥インフルエンザに対する支援についての話も出るなど、その意識の高さがうかがえたとか。毎年キャンプでチームが訪れている宮崎県を襲った災害にも心を痛めているためだそうです。
 「できる立場の人が、求められていることをする。そうした姿勢の中、川崎の復興支援活動は一歩ずつ、かつ着実にその歩みを進めつつあるようだ。なお、これらの活動については、今後も機会を見て報告できればと考えている」と締めくくられています。

 「僕がバナナを売って算数ドリルを作るワケ」面白そうですね。印税が復興支援に回ると聞いて、早くも買う気になっている自分がいます。サポティスタによれば、この「僕バナ」は発売直後に増刷が決定し、オフィシャルショップでは現在入荷待ち、アマゾンでも通常5~7日以内に発送の状態で、フロントスタッフでもまだ買えてない人がいるとか。すごいな。

 本当にJ1川崎は素晴らしいクラブですね。「サッカーだけやってればいい」という価値観とは正反対の、「強化と支援を両立させてこそ一流」という価値観を感じます。リーグ戦も初めは下位に低迷していましたが、最新順位は3位。そのうちに黄色いチームを抜くかもしれません。
 こういうチャリティー色いっぱいのクラブから、いくら目をこすってもチャリティーのチャの字がほとんど見られないクラブまで、いろいろあります。当クラブの持論ですが、クラブライセンス制度は、Jリーグ百年構想を実践するこういう社会貢献活動も含めて評価すべきです。選手がサッカー以外でも社会に貢献する活動をする、それができるクラブ、やる気がないクラブを評価し分けるという事ですか。
スポーツナビ該当ページ:http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/jleague/2011/text/201106180001-spnavi.html

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