うさぎとかえるの里

鳥獣戯画をこよなく愛する自分の日本文化や日常に関する想いをつづります。

よしなし事。

2011-01-26 19:29:16 | つれづれ
ほとけはつねにいませども うつつならぬぞあわれなる

ひとのおとせぬあかつきに ほのかにゆめにみえたまふ

(仏は常にいませども 現ならぬぞあわれなる
人の音せぬ暁に ほのかに夢に見えたもう)

今日の朝、お店の掃除をしているときにふと思い出した今様です…。

大学生の頃に後白河院を調べているときに一緒に今様や梁塵秘抄口伝集を学んだのでした。

今様は、いくつかひどく印象的なものがあって、忘れられないものがこのひとつ。

どんなにお参りしても、本当に聞いてくれているのかなぁ…と不安になるとき。
仏様はお姿が見えないので会いたくても会えずにその存在さえ不安になるとき。

きっと聞いていて見守ってくれているんだろうなぁと信じたいときにこの今様を
都合よく思い出したりします…。

ちょっとでも、姿を現してくださればいいのに…なんて。

だから、お寺に行って仏像におすがりするんですね。

先日、押上や門前仲町を廻ってお参りしてきました。

人は、不安な気持ちをやわらげたいがためにお参りするのでしょうか…。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新選組。

2011-01-26 19:02:15 | 読書
先週は風邪でダウンしておりました(--;)

ようやく読み終わりましたのが、

「土方歳三 新選組を組織した男」。

私情を挟まず、土方さんを客観的に捕らえているのがいいです。

新選組以前…というか、試衛館に入る以前の歳三の経歴が、今まで読んできた
いろんな書物や資料と違っているのもまた刺激的でした。

近藤勇や沖田総司等、新選組小説だとどうにも感情が入りすぎて書かれるきらいがある
部分も、その部分には踏み込まず、あくまでも隊内の序列として触れている部分が
またなんとも簡潔で「組織の鬼」の歳三本にぴったりです。

それにしても、一緒に上洛した食客メンバーも、試衛館メンバーとしてひとくくりに
されていますが、実は結構内部で軋轢があったんだなぁと感じさせる一冊です。
(山南、藤堂、永倉、原田あたりです)

そして山場はやっぱり幕府崩壊後の、江戸に戻ってからの新選組北上編でしょうか…

正確にはそのころにはもう土方は新選組副長ではなく、旧幕府脱走軍の隊長、陸軍奉行並、
…なのですが。

武士ですらなかった身が、いつの間にか驀臣、やっぱり土方は幕府に殉じるしか
道はなかったのだと思います。
「武士道」ですから…

まだ私は目にしていない、函館の「碧血碑」、いつか必ず参りたいと思います。

忠義に殉じて死んだものの血は、地中で三年経てば碧玉となる…という
孟子の言葉にちなんで明治八年に建てられたものです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする