Seasons

花鳥風月を撮りつづけると季節の移り変わりがわかるかも
でも風を撮るのはむつかしいので花鳥虫月だという噂も・・・

トベラ

2008-05-17 | 植物 写真
トベラ(扉・海桐)=【Pittosporum tobira



トベラ科トベラ属

生活型:常緑低木

わが国の本州、岩手県以南から四国・九州
それに台湾にかけて自生しています。
海岸の崖地などで群落を形成します。
名前の由来は
全体に悪臭があるため
節分のときに扉にはさんで魔除けにしたことから。
4月から6月ごろ
枝先の集散花序に白い5弁花を咲かせます。
花色はのちに黄色く変化します。
果実は10月ごろ黄色く熟し
3つに裂けて赤い種子が露出します。
果実の写真は
こちら

英名は Tobera



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新古今和歌集  巻第十二  恋歌二

題しらず

             大納言實宗

1127
 夢のうちに逢ふと見えつる寝覚こそ
 つれなきよりも袖は濡れけれ







ヒルガオ

2008-05-16 | 植物 写真
ヒルガオ(昼顔)=【Calystegia japonica



ヒルガオ科ヒルガオ属

生活型:多年草

わが国の北海道から九州に分布します。
荒地や道端に普通に見られます。
5月から8月ごろ
葉腋に直径5~6センチの
淡い紅色の花を咲かせます。
蔓性で他のものによじ登ります。
葉は鉾形から鏃形で
長い葉柄があります。
しっかりした地下茎があります。

英名は Japanese bindweed



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新古今和歌集  巻第十二  恋歌二

百首歌中に

          式子内親王

1124
 夢にても見ゆらむものを嘆きつつ
 うちぬる宵の袖のけしきは




 


ハリエンジュ

2008-05-15 | 植物 写真
ハリエンジュ(針槐)=【Robinia pseudo-acacia



マメ科ハリエンジュ属

生活型:落葉高木

北アメリカが原産です。
わが国には1877年に渡来しました。
別名で「ニセアカシア」とも呼ばれます。
ラテン名のなかにあるpseudo-
似非という意味なのです。
成長が早く
痩せ地でも旺盛に生育するので
砂防用の緑化樹として植栽されました。
5月ごろ
多くの白い花を咲かせます。
この花からは良質の蜂蜜が採れます。

英名は Black locust。



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新古今和歌集  巻第十八  雑歌下


述懐のこころをよめる

                寂蓮法師

1751
 身の憂さを思ひ知らずはいかがせむ
 厭ひながらも猶過ぐすかな









タニウツギ

2008-05-14 | 植物 写真
タニウツギ(谷空木)=【Weigela hortensis


スイカズラ科タニウツギ属

生活型:落葉低木

北海道から本州のおもに日本海側に分布しています。
別名で「ベニウツギ(紅空木)」とも呼ばれます。
日当たりの良い谷間に生え
5月から6月ごろ、枝先や葉腋に散房花序を出し
長さ2~3センチで淡い紅色の漏斗型の花を咲かせます。
赤花もあります。

英名は Japanese weigela




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新古今和歌集  巻第十八  雑歌下

題しらず

               西行法師

1749
 うけがたき人の姿にうかび出でて
 こりずや誰もまた沈むべき








ムシカリ

2008-05-13 | 植物 写真
ムシカリ(虫喰)=【Viburnum furcatum


スイカズラ科ガマズミ属

生活型:落葉低木

わが国の各地をはじめ
サハリンや南千島それに済州島に分布しています。
山地帯から亜高山帯に生え、高さは2~5メートルになります。
葉は円心形で鋸歯があり、対生します。
また葉脈がへこんでしわ状になります。
5月から6月ごろ、枝先の散房花序に白い花を咲かせます。
葉を虫がよく食べることから、「ムシカリ(虫喰)」と呼ばれます。

英名はありません。

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           葉は円心形で鋸歯があり、対生します




新古今和歌集  巻第十六  雑歌上


述懐百首の哥の中に
五月雨

                  皇太后宮大夫俊成

1490
 さみだれはまやのゝきばのあまそゝき
 あまりなるまでぬるゝ袖かな









スイカズラ

2008-05-12 | 植物 写真
スイカズラ(吸葛)=【Lonicera japonica


スイカズラ科スイカズラ属

生活型:半落葉蔓性低木

わが国の各地をはじめ朝鮮半島、中国に分布しています。
山野や道端にふつうに生えています。
楕円形から長楕円形の葉は対生し
5月から6月ごろ、枝先の葉腋に2個ずつ花を咲かせます。
初めは白色で、やがて黄色に変わります。
果実も2個が並んでつき、黒く熟します。
別名で、「キンギンカ(金銀花)」とも呼ばれます。

英名は Japanese honeysuckle


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新古今和歌集  巻第十八  雑歌下

題しらず

                     権中納言資實

1789
 来し方をさながら夢になしつれば
 覚むる現のなきぞ悲しき







サワフタギ

2008-05-11 | 植物 写真
サワフタギ(沢蓋木)
=【Symplocos chinensis var. leucocarpa forma pilosa


ハイノキ科ハイノキ属

生活型:落葉低木

北海道・本州・四国・九州、朝鮮・中国に分布します。
細い山間渓流を上から覆うように生育していたり
湿原の周辺に生育して群落を形成しています。
このほか
明るい二次林中のやや湿った場所や林床に
広く分布します。
高さは2~3mになり
葉は多く、長さ4~7cmで両面に短毛があり
ざらつきます。
花期は初夏。
若葉とともに新しい枝先に長さ3~6cmの花序がつきます。
花弁は白色5裂で、おしべは多数で花弁より少し長いです。
秋には果実があざやかなルリ色となります。
和名は
繁って沢を覆い隠すことから。



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      葉は両面に短毛があり、ざらつきます

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    花弁は白色5裂で、おしべは多数で花弁より少し長い


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新古今和歌集  巻第三  夏歌

題しらず

              よみ人しらず
194
 おのがつま恋ひつつ鳴くや五月やみ
 神なび山の山ほととぎす





 


カルミア

2008-05-10 | 植物 写真
カルミア・ラティフォリア=【Kalmia latifolia


ツツジ科カルミア属

生活型:常緑低木

北アメリカの東部が原産です。
捻れた幹はよく分枝して
高さは3.6メートルほどになります。
葉は長楕円形で光沢があり
互生します。
5月から7月ごろ
枝先に花序をつけて
白色からローズ色までの花を咲かせます。

一名、ハナガサシャクナゲ。
英名は Mountain laurel



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         金平糖のような花の蕾がかわいいです

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新古今和歌集  巻第十五  恋歌五

千五百番歌合に

                   皇太后宮大夫俊成

1388
 あはれなり
 うたたねにのみ見し夢の
 長き思にむすぼほれなむ








フジ

2008-05-09 | 植物 写真
ふじ (藤) =【Wisteria floribunda



マメ科フジ属

生活型:落葉蔓性木本

わが国の本州から四国、九州に分布しています。
丘陵や山地に生え
他の樹木に巻きついてよじ登ります。
蔓は右巻きです。
葉は奇数羽状複葉で互生します。
4月から5月ごろ
大きな総状花序を下垂させて藤色の蝶形花を咲かせます。
「ヤマフジ」とは異なり、上部から順に咲き下がります。
別名で「ノダフジ」とも呼ばれますが
これはかつて藤の名所であった野田村(大阪市福島区)に因むもの。

英名は Japanese wisteria



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             上部から順に咲き下がります

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            コシブトハナバチ科クマバチ属
       クマバチ=【Xylocopa appendiculata circumvolans
                 もフジが大好き




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新古今和歌集  巻第二  春歌下


飛香舎にて藤花宴侍けるに

                    延喜御哥
163
 かくてこそ見まくほしけれ
 よろづよをかけてにほへるふぢなみの花
 


天暦四年三月十四日
ふぢつぼにわたらせたまひて
花おしませたまひけるに

                   天暦御哥
164
 まとゐして見れどもあかぬふぢなみの
 たゝまくおしきけふにもあるかな




清慎公家屏風に

                  貫之
165
 くれぬとはおもふものから
 ふぢなみのさけるやどには春ぞひさしき









ムラサキケマン

2008-05-08 | 植物 写真
ムラサキケマン(紫華鬘) =【Corydalis incisa



ケマンソウ科キケマン属

生活型:越年草

わが国の各地をはじめ
朝鮮半島や中国に広く分布しています。
やや湿った低地の林縁や道ばたなどに見られます。
葉は2回3出複葉で
小葉はさらに細かく裂けています。
4月から6月ごろ
総状花序に紅紫色の唇形花をたくさん咲かせます。
ときには白色の花もあります。
花びらは内外2枚づつ。
外側の上のものは基部が袋状になり
内側のものは
左右から合わさって雄しべや雌しべを抱き
先端がくっついています。
名前は
仏殿に飾られる華鬘(けまん)に
花の咲く姿が似ていることから。
全草にアルカロイド含んでいて有毒ですが
漢方薬として用いられます。

英名は Ts'ai, Tzu chin, Murasaki-keman


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   やや湿った低地の林縁や道ばたなどに見られます

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    葉は2回3出複葉で小葉はさらに細かく裂けています






新古今和歌集  巻第三  夏歌



題しらず

                   藤原家隆朝臣

214
 いかにせん
 こぬよあまたのほとゝぎす
 またじとおもへばむらさめのそら




百首哥たてまつりしに

                   式子内親王

215
 こゑはして
 くもぢにむせぶほとゝぎす
 涙やそゝくよゐのむらさめ










クサイチゴ

2008-05-07 | 植物 写真
クサイチゴ(草苺)=【Rubus hirsutus


バラ科キイチゴ属

生活型:半常緑小低木

わが国の本州、岩手県以南から
四国・九州それに朝鮮半島や中国に分布しています。
葉は奇数羽状複葉で
寒冷地では落葉しますが
暖地では常緑です。
春に新しい茎が伸びて
4月ごろに白い5弁花を咲かせます。
果実は5月の終わりから6月の初めに赤く熟し
食用になります。

英名はありません。

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新古今和歌集  巻第三  夏歌


杜間郭公といふことを

                 藤原保季朝臣

213
 すぎにけり
 しのだのもりのほとゝぎす
 たえぬしづくを袖にのこして











東山魁夷生誕100年展

2008-05-06 | アート・文化
東山魁夷は1908年生まれ
生誕100年を記念する展覧会が
東京国立近代美術館で開催されています。

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      入場券には《道》1950年 東京国立近代美術館蔵

本制作101点
スケッチ・習作53点
総点数154点
唐招提寺御影堂の障壁画《濤声》、《揚州薫風》も
出展されています。


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         《緑響く》1982年 長野県信濃美術館蔵



長生きなさった方で
亡くなったのは1999年5月6日
満で91歳でした。

偶然ですが今日が祥月命日だったのですね。


30歳代の若描きではまだ後年の画風が定まらず
試行錯誤が見られます。
40歳代の《道》で確立されたスタイルが
50歳代、60歳代と次第に深化して
70歳代、80歳代になると枯淡の域に入っていく
という変化がよく分かる展示です。


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            《花明り》1968年 個人蔵


GWの最中でもあり
東京会場での閉幕間近ということで
朝っぱらから
入場券を買うのに20分待ち
ほんとに入場するのに20分待ち
という大賑わい。

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混雑してたのは作品のせいではないけれど
疲れちゃったので
展覧会としての評価は
☆☆☆☆★







お昼は神田神保町まで足を伸ばして
すずらん通りの揚子江菜館。

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             元祖冷やし中華であるようです



今年の初冷やし中華
《揚州薫風》
という感じです
あはは
あはは


ウノハナ

2008-05-06 | 植物 写真
ウノハナ(卯の花)=【Deutzia crenata


ユキノシタ科ウツギ属

生活型:落葉低木

わが国の各地をはじめ
朝鮮半島や中国に分布しています。
山野にふつうに生え
高さは1~3メートルになります。
葉は楕円形から卵状披針形のやや厚い皮質で対生します。
別名で「ウツギ(空木)」とも呼ばれます。
この名前は、幹の髄が中空になっていることから。
中空になっている髄の写真はこちら
5月から6月ごろ、芳香のある白い花を咲かせます。
古歌に夏の花としてよく詠まれています。

英名は Deutzia



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         うの花のむらむらさけるかきねをば

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            雲まの月のかげかとぞみる

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新古今和歌集  巻第三  夏歌


卯花如月といへる心をよませ給ける

                      白河院御哥

180
 うの花のむらむらさけるかきねをば
 雲まの月のかげかとぞみる



題しらず

                      大宰大弐重家

181
 うの花のさきぬるときは
 しろたへのなみもてゆへるかきねとぞみる




題しらず

                       よみ人しらず

193
 さ月山うの花月よほとゝぎす
 きけどもあかず
 又なかんかも









スイス・メイド(2)

2008-05-05 | うんちく・小ネタ
では
Rolex Explorer I
現行品では
どうなっているのでしょう。

内部構造については
裏蓋を開けないと確認できないので
現行品の改良点で
確認できるのは
ブレスレットだけですが・・・・・・


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表側は
本体との一体感が増したような
感じがします。


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裏側にあった
押さえ金具はなくなって
こちらも
後付けという印象が減っています。


内部構造については確認できませんが
それなりに
改善されていることを
期待したいと思います。


おまけの
小ネタはこれ


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         拡大写真でうっすら見えるホログラム
          (クリックすると拡大します。)

肉眼では
確認できませんが
ガラスの6時の位置に
Rolex の王冠のエンブレムのホログラムがあります。
Replica との鑑別点のひとつだそうです。
このホログラムは
2001年以降の現行モデル
Ref. 114270 から入れられています。











スイス・メイド(1)

2008-05-04 | うんちく・小ネタ
一方
精密機械工業で名高いスイスでは
いまだに機械式の時計が
重要な輸出産品になっています。

しかし
その名声に対する厳しい批判がありました。

時計職人でもある Walt Odets が
Time Zone.com に書いた
Rolex Explorer I Ref.14270 についての批評
です。

Rolex02

その批評は外部の構造と仕上げ
内部構造、仕上げおよび性能のすべてを
論理的にカバーしています。

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       後付けといわれた旧モデルのブレスレット



外部構造で問題とされていたのは
ブレスレットです。
革ベルト用のデザインに
無理やりステンレス製のブレスレットを後付けしている
と批判されています。

内部構造とその仕上げについても
相当辛辣で
あちこちに機械加工の後のバリが多く残っている点が
彼のこの時計についての印象を
悪くしています。

結論はかなりショッキングで
 この時計は
 マスプロ製品で
 高級時計と呼ぶに値しない
というものでした。

この記事は相当な反響があったようです。
しかし
Rolex社は反論せず
2001年に改良型Ref.114270 を市場に出しました。

これが Explorer I の現行品です。


<この項つづく>