太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

大企業=優良企業ならず

2017-10-14 09:31:54 | 社会観察

神鋼の検査データ改ざんが新聞トップを賑わしてきた。不正の規模の大きさと企業の大きさは少なからず社会に影響を及ぼしている。睡眠導入剤として古い小説を読んでいるが、偶然神鋼が登場する場面がある。微かに記憶にもあるが、1968年から69年に起こった内紛に総会屋や右翼、大手都銀が関与したというものである。神鋼と尼鉄の合併後の主導権争いに端を発し、不明朗な金の流れや利益供与が小説の恰好の餌食となっている。

大手企業による偽装や不正が後を絶たないが多分零細から中小、大手まで至るところに蔓延っていると思われる。中小零細は恐らく脱税で大手は売らんがための画策が多い。違いは社会的影響力の違いである。ステークホルダーが多いため様々な影響が考えられる。今回のように強度データーの改ざんは安全性に関係するから大問題である。マージン(裕度)があるから安全性に問題は無い(他の事件でも同じ言い草があった)と言うが、じゃあマージンはどうやって決めたのか、こう言う時のためのマージンなのかと聞きたくなる。

最近の車メーカーの時もそうだが、世の中あそこまで大きく立派な会社になったのだから中身もさぞかし立派で経営も優良なのだろう勝手に思う。利益を上げるから、多くの雇用をするから立派だと言うならそうだろう。しかし、何処から見ても清廉潔白かと言うとそうでは無い。大企業に勤める若いサラリーマンに言いたい。あなたが立派に生きることを貫こうとしたら部長職までである。重役や社長になるのはちょっと変わったあるいは偏った才能や性格を持っていなければならない。それは時として冷酷に部下の首が切れるか、利益のためには手段は関係ないと思えるかは最低限の条件である。勿論世の中全ての経営者がそうであるとは言わないが、あなたは社長や重役を人間性を含めて尊敬していますかと問われれば、そこまでは知らない、ただ経営者になるからには立派なのだろうと思っているのでは。

現在の経営者のみならず代々あなたの会社は社会的存在として尊敬に値してきましたかと聞くと社史の裏側までは知らないだろう。人間に人格があるように会社にも社格のようなものがある。企業文化とか風土と呼ばれるものだが人と同じで余程の事が起こらないと変わらない。同じ過ちを繰り返すならもうこの会社は駄目だと見切りをつけた方が良い。企業が社会的存在として価値あるものとなる為には常識的で普通の人が経営側として活躍する必要がある。スーパーサラリーマンが牛耳っていては危なくてしょうがない。

不正が暴露された時、代々続けられてきたとかあの時のあの経営者に責任があり、現社長はたまたま運が悪かったと捉える向きもある。間違いである。会社の責任を最も重く受けとめる役職が社長である。その覚悟が無ければ社長になってはいけない。仕事柄結構多くの大企業のトップに会う機会があったが、やっぱりこの人は普通の人とは違うと感じたものだ。違いは良い方と悪い方両方あった。そして悪い方の幾つかの会社は大企業と雖も凋落して行った。