太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

何度も行った東京

2017-02-16 16:52:18 | 仕事に関すること

業界でのビジョン作り作業会があり出掛けた。2050年までの太陽電池関連産業に関わるビジョン策定である。月に1~2度程度あるが、相変わらず作業は白熱する。膨大ば関連資料(他機関による見通しなど)が紹介され、しかも次々と更新される。それらを理解して行くだけでも大変だが、一人の委員から、話が難し過ぎるという指摘があった。委員には私を含めて過去のビジョン策定に永く関わって来た者、ある分野の分析力に長けているものなど、当然皆も分かっていると思いながら議論をしており、この指摘は反省させられるものだった。ビジョンを読んで貰いたい人は、この作業会など露知らず、日々の業務に邁進している人、あるいはもう少し将来を見据えた経営者達である。彼らは、難し過ぎると指摘した委員よりさらに素人に近い人達である。理解されないことを幾ら精緻に書いても有難そうだけど訳分からんという念仏と同じである。議論そのものが、普段最も侮蔑している専門馬鹿になっているかも知れない。時々こういう素直な意見が出ると、そうそう、最後は読者に理解して貰うような纏め方にしないとといういけないという原点に立ち返ることができるから貴重である。

言うまでもなく、太陽光発電(再エネ)に関する世界共通のテーマは「環境問題」である。COPに見られるように、我が国は環境問題と無縁ですと言い切れる国は殆ど無い。温暖化の科学的論拠を未だに訝る意見(国)も少しはあるが、だからと言ってCO2をどんどん排出して良いというものでは無い。ただ、国あるいは地域によってはCO2削減より、兎に角もっと電気が欲しい、あるいはエネルギーセキュリティ上国産エネルギーをもっと増やさなければという方がプライオリティーが高い場合もある。環境問題という世界共通のテーマの上にそれぞれの個別事情が乗っかる。しかし、何でも良いから電気をとか、化石燃料が潤沢にあるからこれだけをとは言えない。CO2は瞬く間に世界に拡散するから国単位の固有の問題足り得ない。

環境問題は真綿で首を絞めるようなもので緊急性に乏しいように思うが、パリ協定で示されたように今から今世紀を掛けて取り組まなけば確実に首は締まり続けて行くから厄介である。勿論、太陽光発電が唯一の救世主では無いが、相当の貢献はできる。しかもそれは環境問題というベースでありながら、ビジネスとしても大きな発展の可能性がある。この辺りをこの6月までには何とかビジョンに纏め上げる予定である。現状のビジネス環境は厳しいが、やらなければならない事がビジネスになるという迷いのない技術であることは確かである。

それにしても東京の街並みは清潔である。冬晴れだから余計にそう思う。北京だって何れはこうなる。多くの国が辿って来た道である。世界の都市は皆似て来る。アフリカ諸国の都市に高層ビルが建ち並ぶのは伝統や文化の発展の結果ではなく先進国が持ち込んだのだろう。環境対策も似たようなことが起こる。