太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

もうそんな季節か

2016-10-01 09:00:00 | 日記

10月に入りおせち料理の予約宣伝が方々で見られるようになった。我が家でも昔は家内が可能な限りそれらしいモノを大晦日から準備していたが次第に具材の出来あがったものを買い足すようになり、最近では出来あいのおせちを丸ごと買うようになった。永年かけて変わって行った正月料理だが実はどんどん美味しくなって行ったという思いがあるから手抜きとは言わない。いや寧ろ手を抜いてくれて助かったのだが勿論誰にも言わない。出来あいの重は品数も多く、普段口にすすことなど無いものも入っている。正月早々食事の支度をする手間も省け家内も助かっているのだろう。最近では何処で売っている何を買おうかと選択するのが役目である。偶にこれは美味いなどと言うとちょっと自慢げな家内の一瞬の顔を見逃すことはない。選択眼を褒めているのだが。

しかし、値段を聞くと驚く。ン万円と言われると途端に損をしているんでは無いかと思ってしまう。もっとも大きな要因はチラシやポスターの写真と明らかに色つやが違う。最も違うのは去年も書いたが写真では海老は重から半身を乗り出し逃げそうな雰囲気であるが、我が家の重では桝目の中にすっぽり収まっている。写真の具材は良く見ればどれも重箱から少し飛び出しこちらを向いている。重箱であるから高さ制限があるのに誇大広告である。写真の絵姿を上からギュット押さえつけた姿を想像して選択できる目が家内に備わるかどうかが倹しい老後に向けた課題である。

(8)・・・

古田常務は前の会社で営業を担当していた。景気が悪くなり折角軌道に乗りかけたダイアモンドの研究が中止と決められてから会社には秘密でスポンサー探しに奔走した人物である。会長より年上だが、同郷ということもあり技術と営業という立場を超えて兄弟のように馬が合った。研究を始めて3年、ダイアの収率も上がり製品化に目途が付き始め、技術的にも多くの成果が得られた時であった。吉田常務もある程度市場の確保が出来ると自信が出て来ており、当時の会長に独立の話を持ちかけてきた人物である。そうして出来たのが今の会社であり、その意味では砥流事業部は会社創立の元となった事業である。

 新しく設立された会社は小さいながらも着実に実績を残し、10周年を迎えた時には従業員200人程度にまでなった。しかし、この頃から事業の伸びに鈍化が始まり、古田常務は、今までは工業用材料に特化してきたがこれから日本はドンドン豊かになって行く。その時は身の回りの豊かさに消費者の目は向き始める。ダイアが作れるなら人造の宝石もできるのではないか。若い人は高級な天然の石は買えなくとも美しくて手頃な価格の宝石があれば売れるのではないかと考えた。これを聞いた時、社長は直感的にエメラルドやルビーなら結晶構造も材料も分かっている。温度と圧力を制御すれば我が社でも再結晶宝石は作れるはずと思った。これがアクセサリー事業部の始まりである。