食べるお花畑、ガラスのオレンジ

昨日ほどではありませんが、今日はいかにもこの時期らしい爽やかな暖かさに恵まれました。こんな季節が一日でも長く続けばいい…と、心の底から願わずにはいられないのですが…。

横浜の教室に出勤する前に、四月に入って月替わりメニューが一新した《Cafeあつめ木》に立ち寄りました。今日は月替わり生ケーキを頂くことにしました。

四月の生ケーキは『オレンジ』です。

御覧下さい、この華やかな一皿を！テーマ食材であるオレンジを凌駕するかのように散りばめられた花はエディブルフラワー、つまり全て食べられる花たちです。パンジーや菜の花といった薄い花びらの花々が、ふんだんに飾り付けられています。食することを前提とした花なので、噛んでも雑な苦味が口の中に広がるようなことはありません。

そしてもう一つ特筆すべきは、手前に添えられた薄切りの皮付きオレンジです。実はこのオレンジは、生のオレンジカットをオーブンで焼いて水分を飛ばしてあるのです。なので、砂糖で煮詰めて作るピールとは全く違うものとなっています。写真だと伝わりにくいかも知れませんが、生のオレンジを絶妙な薄さと温度設定でローストしたことによってのみ得られるまるでガラス細工のような透明感は秀逸です。勿論、こちらも食べられます。

この華やかな生ケーキはオーダーを受けてからデコレーションを開始するので、饗されるまでに時間がかかります。その待ち時間がある分、一期一会の花で飾られたケーキが目の前に運ばれて来た時の感動はひとしおです。興味のある方は是非お店に行って、実際に召し上がってみて下さい。