共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

箸の持ち方も民族文化ですが…

2014年03月27日 19時56分08秒 | 日記
仕事柄、朝食以外は殆どが外食になってしまいます。昼は勿論ですが、夜も教室が終わって帰宅してから作り始めたら、一体何時に食べ始まるのか…ということになってしまいますので。

そんなわけで昼食や夕食のために食堂やラーメン屋等に行くと、相席とまではいかないまでも、不特定多数の見ず知らずの方と席を隣り合わせになって食事をすることが多くなるのですが、たまに近隣の席の人の食事のマナーがどうしても気になってしまうことがあります。

今日、とあるところで昼食を摂っていたら、私の隣の席に、40代くらいの両親と、中学生くらいと小学校4~5年生くらいの男の子2人という家族連れが座りました(写真はイメージです)。基本的に和食が中心の店だったので、天ぷら定食やカツ丼のようなものがメニューに並ぶ中、下の男の子が天ざる御膳(天ぷらとざるそば)のセットを注文しました。

やがて、めいめいのところに料理が運ばれて来ると「いただきます」の一言もなく三々五々食べ始めました。ところが、さっき天ざる御膳をたのんだ男の子の箸の持ち方を見て、思わずギョッとしてしまいましたΣ(゜ロ゜ノ)ノ。

何と言いましょうか…私も子供時分にはいわゆる『バッテン(×)持ち』という箸がクロスしてしまう持ち方をして随分叱られたのですが、この子の箸の持ち方というのが殆どグーのかたちで、それでも突き刺してものを取るのではなく、一応蕎麦も箸で掴んでいるのです。文字にしようとすると何とももどかしいのですが、こればかりは実際に目にして頂いた方が早いかも知れません。

正直驚きました。あんな持ち方でも蕎麦が掴めるなんて…。しかももう一つ驚いたのが両親がそれを全く注意せず、ひたすら黙々と自分の食事に勤しんでいるのです。それらのことに、他人事ながらしばし唖然としていました。

それでも、いくら慣れているとは言えそこはやはり相手が蕎麦ですから、さすがに取り難そうに苦戦しだしました。『そりゃそうだよね。あんな持ち方じゃ蕎麦を口元に持って行くだけでも一苦労でしょうよ。』と思っていると、その子の向かい側で食事をしていた母親がその様子に気づきました。

『おお、いよいよ注意されるのかな?』と思って見ていたら、その母親が無言でスッと立ち上がって従業員の近くに歩いて行きました。そして、帰ってきた母親の手には…何とも子供っぽい柄のプラスチックの茶碗とお子様ランチについて来るようなフォークがありました。

『…へ?』と思っていた私の横で母親は席に戻ると、その茶碗とフォークのセットをそのまま下の子に渡しました。そうしたらその子もそれを受け取って、次の瞬間フォークをざるそばに突き立てたではありませんか!Σ((゜Д゜ll))。そして、まるでパスタでも食べるかのようにクルクルとフォークを回して蕎麦を絡め取ると、そのまま蕎麦猪口にそれを突っ込んで食べ始めたのですw(゜o゜)w。

昨年『和食』が世界遺産に登録され、世界中に和食レストランが開店するようになっています。そういう海外のお店でも、当初は現地の食文化に配慮してナイフやフォークを出していたようですが、最近ではお店で箸の持ち方をちゃんとお客に教えていて、外国人でもかなりキチンと箸が使える方が多くなってきています。

そういった中で、当の日本人がこういう体たらくではどうにもなりません。箸の持ち方も大切な民族文化の一環ですから、キチンと子供達に教えてもらいたいと願わずにはいられませんでした。
コメント
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