黄昏叔父さんの独り言

 アマチュア無線と何でも有りのブログ

 多段積みアンテナ・システムの特性良化作業

2017年08月14日 14時38分27秒 | アマチュア無線


 今朝の5時頃の気温は24度と可也涼しい温度だったので台風襲来時にアンテナ・ローターの指示器の表示と実際のアンテナ本体の方向のズレ(約45度)を修正する為に7時頃にタワーに上がって作業を行った。地上も少しは風があったが20mの高さに上がると風の強さが違うのか2時間近い作業をしたが暑さは感じなく順調に進んだ。


 アンテナ方位のズレ調整は簡単でローター上部のマスト・クランプのUボルトの締め付けを緩めアンテナ・マストをフリーにした後にローターから少し上がったタワー内のアンテナ・マストに取り付けた昇降用の足場用ステップ(アンテナ・マストをフリーにしても人力でアンテナを回すには結構力が必要なので)をレバー代わりにしてアンテナ方位をコンパス方位に合わせたら後はUボルトを締め直す事で終了


 第一タワーには10,18,24MHzのトライバンダー3エレを一番下に其の上が21MHz帯の5エレ八木、其の上に24MHz帯の5エレ八木と3段積に成って居るが此処のアンテナ単体は保々最良点に追い込んではあったが各アンテナ間隔に於ける影響は詳しく調べて居なかったので今回は其の条件下で最良点を求める作業をする事にした。


 此の3本の各アンテナはアメリトロンの屋外のアンテナ切替器(4回路)に接続されて居るので室内コントローラーをタワー上部に持ち上げてタワーに常設のAC100Vラインでコントロラーを動かす訳だがコントローラーと切替え器本体を同軸ケーブルで繋ぎ(同軸に直流の12Vを重複し流すタイプ)コンントロラーの機器側に同軸を経由したアンテナアナライザーを接続して二つの器具をタワーの天辺から出て居るアンテナ・マストの中間点(2mくらい上)に其々の同軸部分をガム・テープで固定し機器を吊り下げた形で固定しアンテナ切替器を切替える事に寄り其々のアンテナ間隔を動かした状態に於ける相対的な数値を(SWRやインピーダンスの変化)計測出来る様にした。3本のアンテナの内の一番下のトライバンダーの取付け位置は変えられないので今回は下から2番目と3番目のアンテナ間隔を動かせてアナライザーの数値が一番良い場所に2本のアンテナを固定する作業となる。


 此れは当初大変な作業と成ると思って居たが元々21MHz帯の5エレ八木と24MHz帯の5エレ八木のアンテナ間隔に於ける干渉問題点は余り実感が無かったのでトライバンダーに対する21MHz帯のアンテナの影響を少なくする事で解決し21MHz帯のアンテナを動かせた間隔だけ24MHz帯のアンテナを同間隔にスライドさせば良い事となる。


 最終的に一番下のアンテナと中間のアンテナ間隔を20cm単位で3回程動かしたら二番目の位置と三番目の位置では大きい変化が無かったので最終的に従来より40cm程間隔を広げた位置で二番目のアンテナを固定し3番目のアンテナも同じく40cm程持ち上げる事で調整は終わった。この様に取付け位置を決めるのは思いの他早かったが50φの二重管と云えどもタワーから目線で4m以上も上がると結構揺れて気色の悪い事は言うまでも無くアンテナ間隔を変えると成ると足場ステップの位置も変えねば成らずアンテナを持ち上げる場合も重いので肩にアンテナを乗せて狭くて足の痛いステップを踏締めながらせり上げて行くと可也の力がアンテナマストに掛かり揺れる事揺れる事、流石に此の時は恐怖感からお尻の筋肉がピリピリと痙攣してスリル満点の作業と成った。


 タワー上で有る程度の測定数値は抑えて居たが最終的にはシャックからの無線機を繋いでの値が一番肝心なので逸る気持ちを抑えながら最終的な測定を終えたら保々満足の出来る数値と成って居た。

 

 



     3エレトライバンダーの測定値(10,18,24MHz帯)


    10.100     10.120     10.149

    SWR 1.1       1.1        1.1


    18.069     18.110     18.164

    SWR 1.0       1.1        1.3


    24.892     24.945     24.989


    SWR 1.2       1.2        1.2



               21MHz帯 5エレ モノバンダー


    21.001  21.100  21.200  21,300  21.400  21.449


    SWR 1.5   1.3      1.2     1.0     1.0     1.0



             24MHz帯 5エレモノバンダー


    24.891   24.900   24.950   24.989


    SWR 1.1    1.1      1.1      1.1


  此処の数値を見て21MHz帯のアンテナ共振点が上の方にズレ込んで居るのが気に成るが自立タワーで然も多段積みの狭いアンテナ間隔の中でエレメント間隔を弄るのは大変だし他に4エレの八木も第二タワーに搭載して居るので今回は辛抱す事にした。矢張り今回の調整で一番良化したのは10MHz帯と18MHz帯の両バンドエッジのSWR値が1.5近く有ったのが少し良くなった事か?矢張りトラップタイプのマルチバンドのアンテナの多段積みの場合は他のアンテナの影響を受け易い事を物語って居る。此の程度の数字の変化が電波の飛びに如何程の影響が有るのか解からないが改善の余地が有るならベストの状態に持込むのがアマチュア精神と云うものだろうか?明日から国内との交信は諦めてDX交信中心の運用形態に変更して運用する事にする。