さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 エジプト考古学博物館 その2

2011年01月21日 | 海外旅行
カイロ考古学博物館の内部を紹介しましょう。

カメラの持ち込み禁止のため、以下は、現地で買ったガイド本などからのコピーです。



館内は吹き抜けになっており、中央の回廊の脇に小部屋が並んでいます。

展示品は、手前から時代順になっており、二階にはツタンカーメンの墓の発掘品やミイラが展示されています。



ジョセル王石像。古代エジプトの坐像で最も古いものです。ジョゼル王の在位期間は、BC.2668~2649でした。
ジョゼル王は、初めての石造りのピラミッドである階段ピラミッドを造りました。

数多くのファラオ像が展示されており、一つずつ見ていく時間はありません。



書記坐像。

彩色石灰岩製で、BC2450年のものです。当時、書記は特権階級で、「もしお前に頭があるなら書記になれ」と言われていました。



カーアペルの像。BC2498~2491に造られた木製の像です。

カーアペルの名前の神官の像です。発掘に従事したエジプト人の作業員が、村長の姿に似ていることから「村長の像」という名前を与えました。

「アブドーラ・ザ・ブッチャーの像」と呼びたいところです。



ラーホテプとネフェレト夫妻像

彩色石灰岩製像で、BC2613~2589

ラーホテプという名前は、「ラー神は満足している」という意味で、高位の貴族に与えられた称号です。



雌牛の女神の礼拝室。BC1504~1452

雌牛の姿で現されるハトホル女神は、愛と美、出産の守護女神として信仰の対象になりました。

鮮やかな色彩に目を奪われます。



雌牛の女神の礼拝室は、ハトシェプスト葬祭殿から運ばれたもので、雌牛の乳を飲む王(トトメス3世)が描かれています。



イクナトン巨像。BC1350~1334

アメンホテプ4世は、アトム神に由来する名前から、アトム神に由来するイクナトンに改名します。

宗教改革と同時に文化革命を行い、伝統的な調和のとれた様式から、個性を強調気味に表現するアマルナ様式を作り上げます。

他のファラオの像は、見ただけでは誰のものとは判りませんが、イクナトンの像は、一度見ただけで記憶に残る姿をしています。



同じくイクナトン像。

イクナトンの改革は急激すぎて失敗に終わり、没後に彼の推奨したアトム神の神殿は壊されます。このイクナトン像は、神殿の柱を飾っっていたもののようです。



アトン神崇拝のパネル

イクナトン王墓のがれきの下から発見されたものです。

イクナトン、王妃ネフェルティティ、二人の娘がアトム神を崇拝している絵です。

絶世の美女と言われる王妃ネフェルティティの姿をこの絵からうかがうことができませんが、ベルリン国立博物館所蔵の有名なネフェルティティの胸像もアマルナ様式のもとで造られたものです。

遠い昔のことになる大学入試の世界史で、エジプトの古代史におけるアマルナ革命というできごとは頭に詰め込みましたが、受験生や教師で、実際のアマルナ芸術を見たことのあるものはいたのだろうかと、あらためて像を眺めました。



イクナトンに代わって即位したのが、ツタンカーメンです。ツタンカーメンの墓からの発掘品は、この博物館の目玉になっています。

ツタンカーメンの副葬品は、二階に展示されていますが、有名な黄金のマスクや棺は、特別室に展示されています。超満員で、押し合いへし合いで見ることになりました。

ツタンカーメンのミイラは、三層の棺に納められていました。現在、王のミイラは、一番外層の棺に納められて、王家の谷の墓に眠っています。

これは、二番目の棺。金箔を張り、準貴石をちりばめた木製棺です。



一番内層の棺。同じく金箔を張り、準貴石をちりばめています。この中に、黄金のマスクをつけたミイラが納められていました。



そして黄金のマスク。純金にラピスラズ、トルコ石、コーネリアンなどの準貴石をちりばめています。総重量は11kgあります。金が尊ばれていたのは、高価で富の象徴であったことの他に、腐食せずに不滅の輝きを保つことから、神の肉体と考えられていたことによります。



黄金のマスクは、透明ケースに入れられて、全周から眺めることができました。



あまりお目にかかれない後ろ姿。



宝飾品も展示されていましたが、込みすぎて、良く眺めることはできませんでした。

有翼のスカラベの胸飾り



ウジャトの目の護符を付けた有翼のスカラベの胸飾り



ツタンカーメン王の二体のカー像。

ミイラを治めた玄室の前に守護するように二体が立っていました。



二体は、ほぼ同じ姿ですが、かぶりものが違っています。



木製の像に瀝青が塗られています。



ツタンカーメンの王座

木製の上に金箔が塗られています。アシはライオンをかたどっています。



背もたれには、妻アンクエスエンアメンから香油を受けるツタンカーメンの姿が描かれています。



アヌビス神の厨子

アヌビス神は、ヤマイヌの姿をして、墓の守り神とされていました。



ツタンカーメン王の彩色つづら



カノプス厨子

ミイラ作りの際に、心臓以外の内臓は取り出され、アラバスター製のカノプス櫃に納められます。これは、カノプス容器を治める厨子です。

心臓は、死後のオシリスの前で、重さを量る裁判を受けるために体に残されました。



カノプス厨子の四面では、イシス、セルケト、ネフティス、ネイト女神が両手を広げて守っています。

これはサソリを頭に戴いたセルケト女神ですね。



カノプス厨子

中は四つに分かれており、内臓を治めていました。

ウィーンの聖シュテファン教会の地下墓地では、ハプスブルク家の歴代王の内臓が納められていますが、その容器に比べると、芸術的ですね。



ロータスの花から出現するツタンカーメン王の頭部

細部にまでこだわったアマルナ芸術の特徴が出ており、幼い王の姿が良く表されています。



マネキン

王の衣類をかけていたと思われます。



パピルスの小舟に乗り銛を撃つ王の像



セクメト神

牝ライオンの頭に女性の体を持つ姿で現され、人を害するものから守護する力を持つとされました。



ベス神

ライオンの頭を持ち、舌を出す姿で現されます。家庭の守護神として人気があり、像は寝室などのプライベートな場所に置かれたといいます。

この像は、ベス神を表したものの中でも、最も有名なものですね。



ツタンカーメンの墓からは、このような靴や手袋、さらに下着のパンツも発掘され、展示されていました。

ツタンカーメンの秘宝を眺めていると、その豪華さに目もくらむ思いになりました。しかし、ツタンカーメン王は、9才の幼さで王位につき、その在位期間も18才で亡くなるまでの短い期間でしかすぎません。先代のイクナートンの宗教改革を従来のアメン神信仰にもどした以外は、これといった業績も行っていません。海外に勢力を拡大し、巨大な神殿を建てた全盛期の王の墓は、どれほどのものであったのかと、想像は膨らみます。



カイロ考古学博物館内には、入場券が別のミイラ室があり、12体の王のミイラが並んでいます。ミイラ室内も大混雑でした。

これはラメセス2世のミイラです。海外にまで遠征して大王と呼ばれ、アブシンベル神殿の巨大神殿を造った王が、死後の復活を願ってミイラになったものの、博物館で大勢の目にさらされているとは、生前は想像もしなかったことでしょう。

90才で亡くなったといいますが、ミイラの顔からは確かに老人のものであることが判りました。

カイロ考古学博物館の見学は、混雑のせいもあってかえらく疲れました。他の人も同じようで、前庭は、腰を下ろして休む人で満杯状態でした。

カイロ考古学博物館は、膨大な展示品に比べて、建物はあまりにも手狭でした。現在、ギザ地区に大エジプト博物館が建設中で、2011年には完成するといいます。エジプトでは、見逃したものも多いので、大エジプト博物館を見に再び訪れたいですね。
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2 コメント

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Unknown (本読みと山歩き)
2011-01-22 08:11:31
おはようございます。
オベリスクとはなにかは初めて知りました。
欧州にも見たことがあるので、広まったのでしょうかね。
(もちろん盗品もあるでしょうが)
歴史を感じます。

エジプト考古学博物館はすごい人ですね。
一見の価値はあるのでしょうが、人ごみがあまりすきでないので、すいた時間を狙わねば。
大英博物館(略奪博物館?)はなんどか行きましたが、こんなに混んでいるのはみたことがありません。
でも行きたいですね~。
新博物館 (さすらい人)
2011-01-23 21:02:02
今晩は。
ヨーロッパのオベリスクは、いろいろ事情はあるようですが、すべてエジプトから持ち去ったものですね。
新しい博物館が今年会館予定ということなので、また行ってみたくなります。混雑度は、台北の故宮博物館もそうとうなものでしたが、黄金のマスクの展示室は、他の人間と体が触れるほどでした。新博物館では、もう少しゆっくりと見学ができるようになることを期待しましょう。

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