さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 エローラ石窟群 その1

2017年11月01日 | 海外旅行
エローラ石窟の入口にあるホテルで昼食をとった後、歩いて遺跡に向かいました。土産物屋が店を並べていました。



猿もいました。ここの猿は、エレファント島で見たものとは種類が違っていました。ハヌマンラングーンと呼ばれる白毛の猿で、猿の神様ハヌマーンの使者として大事にされているようです。エレファンタ島で見たのは、ボンネットモンキーと呼ばれる種類のもののようです。



歩いていくと、エローラ石窟群の最大の見どころといえるカイラーサナータ寺院が見えてきました。



カイラーサナータ寺院の見学は後回しにして、まずはバスに乗って、1kmほど離れた北の外れにあるジャイナ教石窟群に向かいました。



バスを降りると、ジャイナ教石窟群が見えてきました。



遊歩道脇の木に、昼食で食べたアナナ(あるいはバンレイシ、釈迦頭)の実がなっていました。



エローラ石窟群は、南から北に向かって番号がふられており、1~12は仏教遺跡(7~8世紀)、13~29はヒンドゥー教遺跡群(6~9世紀)、30~34はジャイナ教遺跡群(9世紀)と三つの宗教の遺跡が並んでいます。

このジャイナ教石窟群では、32窟と33窟が見どころになっています。



ジャイナ教は、日本ではなじみの薄い宗教ですが、アウランガーバードの街中のロータリー交差点の真ん中にジャイナ教のシンボルが置かれていました。

ジャイナ教は、仏教の開祖ゴータマ・ブッダとほぼ同じ前6世紀ごろ、開祖マハービーラによって生まれました。アヒンサー(生きものを傷つけぬこと。〈不殺生〉)の誓戒を遵守するなどその徹底した苦行・禁欲主義が特徴になっています。仏教と異なりインド以外の地にはほとんど伝わりませんでしたが、インド国内には深く根を下ろして文化に影響を与えています。ジャイナ教は、厳格な非殺生を信条とするため、農業にも従事できないことから、商業に従事することが多くなっています。厳格な信仰心から信用を得て経済的に成功する者が多く、その結果、寄進も多いといいます.。現在は、全裸で修行する裸衣派と白衣派に分かれています。ジャイナ教の寺院では、神の像ではなく、全てを捨てて全裸・無一物で修行して悟りを得たとされる全裸のティールタンカラと呼ばれる祖師達が祀られます。開祖のマハービーラ以前に23人のティールタンカラと呼ばれる祖師たちがいたと信じられています。



第32窟。



地面に石窟番号が書いてあって判りやすくなっています。



こちらは第33窟。第32窟とは二階でつながっています。第32窟の内部を見学していくと、いつのまにか第33窟の見学になってしまいます。



第32窟は、第16窟カイラーサナータ寺院を模して造られており、小カイラーサナータとも呼ばれるようです。



外部からでも様々な彫刻が施されているのが見えました。



柱の上に仏像に似た像が置かれていました。ここはジャイナ教寺院なので、ティールタンカラ(祖師)像ということになります。





内部に入ったところの前庭には、ティールタンカラ(祖師)を祀った四面堂が置かれています。



四方を向いてティールタンカラ(祖師)像が置かれています。



巨大な象の彫刻。



階段脇にあるのは馬の像でしょうか。



壁面には、細かい彫刻が施されています。



ティールタンカラ(祖師)像が彫られています。



カジュラホ遺跡を思わせる男女像もありました。



蛇の下で瞑想するティールタンカラ(祖師)が描かれています。釈迦が悟りを開く時にナーガ(蛇神)が守護したという伝説と重なっています。



ティールタンカラ(祖師)像。男性器も露わに全裸で直立したこのポーズの像は、ジャイナ教独自の像といえます。



ティールタンカラ(祖師)座像。仏像との違いは、裸でいることですが、見分けは難しいですね。



ライオンにまたがる女神像。ヒンドゥー教の女神ドゥルガーは、ライオンに乗った姿で現されますが、そこから取り入れられた女神でしょうか。乳房部分が触られて黒くなっていました。安産とか子育てのご利益があるのか。



中庭に面した回廊を見ていきます。



鎧を着込んでいるようで、守護神でしょうか。



ティールタンカラ(祖師)立像。



壁に施された像とライオン像。

中庭からの眺めだけでも見どころは多いのですが、石窟の中に入っていきましょう。
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