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「東アジアはどうなの」と問いたくなる

2009-08-10 20:41:26 | 読書ノート
ブライアン・フェイガン『古代文明と気候大変動:人類の運命を変えた二万年史』東郷えりか訳, 河出書房, 2005.

  地球の気候変動に合わせて、文明がどう展開していったのかを探った書籍。内容はかなり興味深い。ただし、ほとんどが中近東からヨーロッパにかけてと古代アメリカの話で、東アジアについての記述があまり詳細でないのがやや不満。この地域はあまりデータがそろっていないのだろうか?

  著者は、古代文明の展開には次のようなパターンがあることを見出している。寒冷な状態の土地に人類が進出→温暖化→狩猟採集民の増加→人口密度が高まる→農業の開始→さらに人口密度が高まる→都市化と権力の集中が起こる→気候変動(主に乾燥化)で崩壊→生き残った人々の移動。食糧生産が人口増加に追いつかなくなるというマルサス風の議論は古代文明には当てはまるということみたいだ。著者はさらに普遍化して、気候変動が起こる数世紀のスパンで見ると現代でも当てはまると言いたい様子(直接マルサスに言及しているわけではない、念のため)。

  
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