中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

産業医8割「メンタル対応に自信ない」

2018年02月20日 | 情報

反対に、自信があっても困ります。産業医は、診療行為ができません。
必要であれば、然るべき精神科専門医への受診を勧めるのが業務です。

産業医8割「メンタル対応に自信ない」 時間・知識不足
20171216日 朝日

職場の健康管理を担う産業医の8割が、過労やメンタルヘルスへの対応に自信がない。
こんな実態が、医師専用の会員制交流サイト「メドピア」のアンケートで明らかになった。
相談にあてる時間や精神科の専門知識が足りないことなどが背景にあるという。
産業医は、50人以上の従業員がいる事業者に選任が義務づけられている。
アンケートは11月、サイトの会員のうち、産業医として働いている500人からウェブで回答を得た。
非常勤の産業医が多く、1カ月あたりの勤務時間は5時間未満との回答が6割にのぼった。
勤務時間に占める業務で多いのは「安全衛生の会議」「職場巡視」「健康診断の結果確認」の順で、
従業員と接する時間を長くとれない実態が浮かび上がった。
過労やメンタルヘルスの対応で十分な役割を担えていると答えたのは2割。
対応に困る理由には、精神科が専門ではなく「的確に診断できる自信がない」
「職場復帰までの見極めが難しい」ことなどが挙がった。

(参考)産業医の約8割がメンタルヘルス不調・過労対応に自信がない、
「時間」「専門性」「相談しにくさ」に課題感~first callが産業医500人に調査~
ストレスチェック施行から2年、約9割がメンタルヘルス改善をまだ実感していない。
メドピア株式会社 20171130

メドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長 CEO:石見陽)の連結子会社である株式会社Mediplat
(東京都渋谷区、代表取締役 CEO:林光洋)は、従業員のメンタルヘルス対策および健康増進を目的に
オンライン健康相談「first call」(https://www.firstcall.md/)を法人向けに展開しています。
このたび、企業における過労やメンタルヘルス不調(以下、メンタル不調)対策の現状と問題点を把握するために、
医師専用コミュニティサイト「MedPeer」に参加する産業医500人を対象にアンケート調査を実施しました。

■調査の背景
仕事の量・質の原因を中心に、仕事において強い不安や悩み、ストレスを感じている労働者の割合は半数を超え、
精神障害に係る労災請求件数も年々増加しているなど、職場でのメンタル不調や過労の問題が深刻化しています(※1)。
これらの課題を軽減するために、労働者自身がストレスに気づき、適切に対処できるよう、
事業者が積極的なメンタルヘルスケアの推進を行い、早期発見ができる環境や仕組みを作ることが重要です(※2)。
平成2712月には、従業員50名以上の事業場でのストレスチェック実施が義務付けられました。
このような流れの中、労働者の心身の健康管理を担う産業医が、
メンタル不調や過労への対策に現状どのような課題を感じているのかを探るため、調査を行いました。
1 厚生労働省「労働安全衛生調査(実態調査)」、「過労死等の労災補償状況」より
2 厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」より

■調査結果のサマリー
1.産業医の7割が非常勤。1社あたりの平均勤務時間は1ヶ月わずか2時間未満が多数で、
従業員との面談・相談対応に割く時間の確保に課題。
2.従業員のメンタル不調や過労の早期発見・対策への役割に自信がない産業医が8割。
精神科の専門性の不足や、時間の不足に課題。
3.メンタル不調者への早期介入に産業医の立場・役割としての限界を実感。気軽に相談できる第三者との連携を要望。

■調査結果の詳細
【1】産業医の1社あたりの勤務時間が不足。従業員との面談・相談対応に割く時間の確保に課題。
・産業医の7割が非常勤。
・非常勤産業医の1社あたりの平均勤務時間は、1か月わずか2時間未満が最多。
・業務として占める割合は、「衛生委員会への参加」「月1回の職場巡視」「健康診断の結果確認」が上位。
従業員との面談や相談対応に時間を割けられていないことが分かった。
【2】メンタル不調や過労対策への役割に自信がない産業医が8割。専門性や時間の不足に課題。
・約半数の産業医が、メンタル不調や過労による相談、休職・退職の増加を感じている。
・一方、メンタル不調や過労の早期発見・対策に十分な役割を担えていると感じている産業医は約2割。
自信がない8割の産業医は、精神科分野での専門性や時間の不足を理由とする声が多い。
・精神科ではない医師の半数以上が「メンタル不調者の対応に困ることがある」と回答。
理由としては、専門外なためうつ病など精神疾患への的確な判断・対応が難しいとの声が多い。
【3】メンタル不調への早期介入に限界を実感。気軽に相談できる第三者との連携を要望。
・約8割の産業医がメンタル不調や過労にもっと早く介入できれば良かったと感じることがあると回答。
・メンタル不調や過労の相談を受けるきっかけは、「上長や周囲からのアラート」を通じてが最多。
・約9割の産業医がストレスチェックのメンタル不調・過労の改善への効果をまだ実感していない。
・約8割の産業医が産業医に限らず従業員が気軽に健康相談を行える場が必要だと回答し、
メンタル不調・過労対策に対して第三者の相談窓口との連携を多数が要望。

 

 

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