中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

服薬自殺未遂者の調査結果

2016年01月29日 | 情報

「薬の過量服用で自殺未遂などを図って入院した際に精神科医の診察を受けた人の方が、
受けなった人よりも、再び過量服用する割合が低い」。
貴重な調査結果ですね。
このような結果をかみしめながら、メンタルヘルス対策に取り組まなければならないと、自戒しています。

『服薬自殺未遂 繰り返さないで』=東大調査=
日経 16.1.19

『精神科医の診察 重要』=実施率は44%どまり=
薬の過量服用で自殺未遂などを図って入院した際に精神科医の診察を受けた人の方が、
受けなった人よりも、再び過量服用する割合が低いことが18日、東京大学の調査で分かった。
精神科医による診察の実施率は全体の44%だった。
専門家は「診察率はまだ低い。 
自殺を繰り返させないため、精神科医は診察の有効性を理解し、患者に接してほしい」としている。
日本臨床救急医学会が2009年にまとめた自殺未遂患者への対応の手引は、
自殺を繰り返すのを防ぐため、精神科医ら専門家が診察して原因や背景を聞くことを推奨している。
国内外の他の診療ガイドラインも同様の対応を勧めている。
東大の研究グループが、睡眠薬などの過量服用で救命救急センターに搬送された患者のうち、
2010年7月~13年3月に退院した2万9564人を調査したところ、
精神科医が診察したのは1万3035人(44%)だった。
精神科がある大学病院などの救命救急センターに搬送された女性や統合失調症などの患者が多かった。
また精神科医の診察を受けた患者と受けなかった患者から、
年令や服用した薬の種類などの属性が似ている患者をそれぞれ7938人抽出。
過量服薬で再入院した割合を比較したところ、診察を受けた患者は7.3%(582人)だった一方、
受けなかった患者は9.1%(722人)で「統計的に意味ある差が出た」(同グループ)。
研究グループ代表の金原明子・東京大特任助教(ユースメンタルヘルス)は
「自殺未遂者が再び自殺を繰り返さないようにするためには、
救急医療時に精神科医の診察が重要だということが研究結果から示された」と分析している。

『自殺者なお年2万5000人』=厚労省、対策を強化=
年間約2万5千人に及ぶ自殺を少しでも食い止めようと、厚生労働省は対策を強化する。
悩みを抱える人からの電話相談などに応じる「地域自殺予防情報センター」を来年度末までに
現在の約30カ所から倍増させるほか、自殺を図った人が再び試みるのを防ぐためのモデル事業も始める。
厚労省研究班のこれまでの調査で自殺未遂者は6カ月以内に再び自殺を試みることが多いことが判明。
モデル事業では、日本臨床救急医学会の診療ガイドラインなどを参考に、
救急搬送された未遂者の入院時から退院後約6カ月までの間、精神科医ら専門家が悩みを聞き出したり、
自殺願望の原因を探ったりするカウンセリングを行う。

過量服薬による入院患者と精神科医による診察の関係(東京大学HP)

http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/utokyo-research/research-news/psychiatric-intervention-and-repeated-emergency-admission-due-to-drug-overdose.html

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