中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

過労自殺で遺族が国提訴

2016年01月15日 | 情報

当事案は、既に公務災害(民間では労災に相当)と認定されていますので、これまでの同様な事例から推定すると、
国側の敗訴は十分に予測できるでしょう。
因みに、安全配慮義務のきっかけとなった、陸上自衛隊八戸車両整備工場事件 
(最三小判昭50.2.25)以外にも、自衛隊関係の事故についての裁判例はたくさんあります。
なお、現在、安全配慮義務は、労働契約法5条に明文化されていますが、
労働契約法成立以前は、判例法理によって形成されてきたという経緯があります。

第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、
    必要な配慮をするものとする。(労働者の安全への配慮)

「航空自衛隊で過労自殺」 妻ら4人が国提訴 大津地裁
2016年1月8日 朝日

航空自衛隊に勤務していた男性隊員(当時49)が2006年に自殺したのは、
過酷な長時間労働と隊内の支援体制不備が原因だとして、
滋賀県内に住む妻ら遺族4人が国に慰謝料など約8千万円の損害賠償を求めて大津地裁に提訴したことがわかった。
提訴は昨年11月25日付。
訴状によると、男性は06年4月から空自奈良基地(奈良市)内にある幹部候補生学校の総務課で勤務し、
通常業務に加え記念行事の準備などを担当。うつ病を発症し、同年9月に自殺した。
遺族側は、男性が自殺の1カ月前に月約100時間、5カ月間で計約375時間の時間外労働をしていたと主張。
業務負担の重さを訴える遺書の内容を踏まえ、自衛隊は業務の支援体制を整えるなどの安全配慮義務を怠ったと訴えている。
国は昨秋、男性の死を公務災害(労災)と認定した。
航空幕僚監部広報室は「コメントは差し控える」としている。

自衛隊員過労自殺で遺族が国提訴 「健康被害予見できた」
2016年1月8日 東京(共同)

2006年に航空自衛隊奈良基地(奈良市)に勤務していた男性隊員=当時(49)=が過労自殺したのは、
自衛隊が安全配慮義務を怠り労働環境を改善しなかったためとして、
滋賀県の遺族4人が国に約8千万円の損害賠償を求め大津地裁に提訴したことが8日、分かった。提訴は昨年11月。
訴状によると、隊員は06年4月から基地内の幹部候補生学校総務課で、部下の指導などを担当していたが、
9月に過労が原因のうつ病を発症し、同月5日、基地内で飛び降り自殺した。
航空自衛隊航空幕僚監部広報室は「裁判前なので、コメントは差し控えたい」としている。

 

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