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■竹下正剛 創作写真「いちご性」 (2009年2月12日まで)

2009年02月09日 23時18分47秒 | 展覧会の紹介-写真
承前
 
 2月7日のギャラリーまわりで最後に足を運んだのが、アートマン・ギャラリー。
 竹下正剛さんの個展のオープニングがあったのだ。

 フリーマーケットなどで自作ポストカードを販売したり、クラブ・イベントでカメラマンを買って出たり-と、幅広く活動している
 札幌で写真の発表をしている人は少なくないけれど、スナップやネイチャーフォトに取り組む人が大半で、竹下さんのように作り込んだ被写体を撮っている人はほとんどいない。

 それにしても、なぜいちご?

 「初期に作った、イチゴを題材にしたポストカードが、いまでもいちばん好評なんです。だったら、それでいっちゃえ-と開き直りまして」

 今回は、すべて本物のイチゴが被写体。
 紫に塗られた絵の上で、イチゴが真空管といっしょになったり、鍵に刺されたり、レースのリボンにぐるぐる巻かれたりしている。
 1個で登場したり、団体になったりと、バリエーションが豊富で、見ていていろいろな物語が浮かんできそう。




 終わりごろには、リボンが焦がされてしまう。

 リボンで巻かれたイチゴを見て
「包帯に巻かれた綾波レイを思い出す-と言った人もいました」
と竹下さん。実際、最初は包帯を使おうかと思ったという。

 性急にことばにしてしまわないほうがいい作品だと思うけど、残酷さとポップさを併せ持ったような、独特の世界だと感服させられた。
 イチゴは、女性のアレゴリーのように感じられて、そこにとどまらないのだ。


                 

 ところで、竹下さんは一貫してネガカラーを使用している。
 今回、最初にプリントをたのんだら、思いもよらぬ色に仕上がってきたので(筆者も見せてもらいました)、わざわざプリント担当者に紫色の背景を見せて、プリントしてもらったそうだ。
 筆者はデジタルで会場を撮影し、ホワイトバランスをあれこれ調整しているとはいえ、やはり微妙な色合いは表現しきれていないようだ。会場で、本物のイチゴのみずみずしい色をたしかめてください。


2009年2月7日(土)-12日(木)11:00-19:00
ART-MAN gallery(中央区南4東4)



・地下鉄東西線「バスセンター前」駅7番出口から徒歩6分
・地下鉄東豊線「豊水すすきの」駅1番出口から徒歩9分
・中央バス「南4東1」から徒歩3、4分(市民会館前の「北1条」、ジュンク堂近くの「南1条」から乗ると、大半の便で行けます)


500m美術館(2008年11月)
冬展2008
竹下正剛写真展(2007年)
夏展06


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