■亀井由利小品展 （2017年1月5～10日、札幌）

　会場の「石の蔵ぎゃらりぃ　はやし」は、北8条西1丁目一帯の再開発計画のため近いうちに閉鎖が予定されています。
　しかし、計画がちっとも前に進まないことから、店じまいも何度となく先送りされています。そのたびに、主宰の林さんが、閉鎖を見越して募集していなかった翌年のギャラリー利用者を、年末ちかくなってから急いで募るという光景も、恒例になりつつあります。
　工芸・クラフト作家に根強い人気のある「石の蔵ぎゃらりぃ はやし」ですが、さすがに厳冬期に展覧会を急きょ開こうとする人は多くありません。

　そんな中、札幌の画家・亀井由利さんは、一昨年、昨年と、林さんの頼みに応じて正月に個展を開催しました。
　ことしの新年は、亀井さんのほうから
「やりましょうか？」
と申し出たとのことです。

　新道展会員としての制作のほか個展やグループ展に精力的に活動している亀井さんですが、昨秋には体調を崩したこともあり、作品の一部は、昨年10～11月に同展会員などと開いた「仲間達展」に出品したものだということです。

　今回は16点を展示。いずれも題はついていません。
　亀井さんといえば近年は、赤や緑の大きい飛沫が特徴的な抽象画の印象が強いですが、今回の個展で正面に飾られた絵は、白が基調です。
　冒頭画像、左側の絵には、緑青を用いているとのこと。深みのある色彩には、さまざまな工夫が隠されているようです。

　絵柄はだいぶ変わりましたが、亀井さんの絵には、カラスや裸婦をモノトーンで描いていた頃と共通する心の叫びや痛みが込められているような気がしてなりません。


2017年1月5日（木）～10日(火)午前11時～午後5時（最終日～午後4時）
石の蔵ぎゃらりぃはやし(札幌市北区北8西1）


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