北海道美術ネット別館

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■たぴお記念25th + 13th 異形小空間 (1月19日まで)

2008年01月09日 22時46分47秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 
 「異形小空間」は、ギャラリーたぴおの、年末年始恒例のグループ展です。 
 ことしは、「たぴお」の25周年記念展を兼ねたものになりました。
 ギャラリーを切り盛りしてきた竹田博さんが亡くなり、展覧会のオープニングパーティーは、竹田さんをしのぶ会になったそうです。
 会場の、いちばんめだつところに、竹田さんの遺影が飾られています。
 遺影を取り囲むタンポポの綿毛の額は、植物の種や綿毛をもちいたインスタレーションで知られる杉田光江さん(札幌)が手弁当で作ったものです。
 オープニング当日は、故人をいたむ赤いバラが100本、壇にかざられたそうです。
「鮮やかだった。見てもらいたかったなあ」
と、竹田さんからギャラリー運営を引き継いで東奔西走している林教司さん(岩見沢)はしみじみ話します。
 遺影の手前には、お酒をこよなく愛した竹田さんが使っていたぐいのみやおちょこがたくさん置かれ、希望者は無料で持ち帰れるようになっています。

 今回の記念展は竹田さんが生前もっとも気に懸けていた展覧会でした。
 他の作品にくらべると竹田さんをしのぶこのコーナーが圧倒的に目立っているのも、むべなるかなといったところだと思います。

          

 ギャラリーの入り口には、生前の竹田さんの写真が所狭しと貼られています。


          


 案内状に記された名前は次のとおり。

阿部有未、阿部啓八、今荘義男、漆山豊、大友洋子、大畑和子、大林雅、柿崎秀樹、上條千裕、亀井由利、久保千賀子、古賀和子、斉藤邦彦、鈴木功一、瀬野雅寛、竹田博、棚田裕美、為岡進、辻井秀郎、中森秀一、名畑美由紀、能登健一、林教司、兵藤いずみ、福原多賀士、藤川弘毅、星こず枝、三神恵爾、宮本市子、柳川育子、山岸せいじ、横山隆、吉住ヒロユキ、吉田英子、渡辺英四郎
(※星さんの名はDMでは「こずえ」になっています)

 このほか、飛び入り参加が6人(金子Sinya、Mai.J、長谷川雅志、岡部節子、吉井見知子、福地秀樹)あり、壁面はぎりぎりとなっています。

 ただ、こんなことを書くと水を差すみたいですけど、10年前の15周年のときは、作品の密度は今回の倍ぐらいあったような印象があります。出品者も倍以上いて、道特会館(たぴおの入っている建物)の上のフロアでひらかれたパーティーは盛大なものでした。
 2000-01年の異形空間展の記事を読むと、今回と出品者の顔ぶれが相当変わっていることに気づきます(両方に出品しているのは、山岸さん、大林雅さん、古賀和子さん、兵藤いづみさん、それに竹田博さん)。
 もちろん、あたらしい顔ぶれの参入もありますが、たぴおの壁面を去っていった人も多いのだなあと、あらためて感じます。

 その山岸さんの写真インスタレーションですが、ほとんどのコマが、青やオレンジの茫漠とした光をとらえた、いわば「抽象的な写真」です。
 心象的といえるかもしれません。
 法悦としてくる美しさです。


          

 林さんは「昇化(しょうげ)」という、ほそながい舟のようなかたちを板に貼り付けた壁掛け型の立体を展示。
 大林さんは「躁」「鬱」の2点を上下にならべています。


 この展覧会が「新生・たぴお」の出発になればいいと思います(なんか、ひとごとっぽくてすいませんが)。


07年12月17日(月)-29日(土)・08年1月7日(月)-19日(土)11:00-19:00、月曜休み
ギャラリーたぴお(中央区北2西2、道特会館 地図A


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9th(14日の項)
2000年(4日の項)


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