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■木村富秋展「心の色、変わりゆく形」 (2013年7月14日で終了、札幌)

2013年07月21日 19時09分17秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 
 木村富秋さんは札幌在住のベテラン画家。
 独立美術と全道展の会員であり、グループ展「ACT5」や、北海道現代具象展など幅広く活動している。

 微妙な中間色の組み合わせや、たくみな曲線の配置などは、木村さんの絵はじっくり見るとほんとうにすごい。
 多くの絵に、トルソのような黒い人物が描かれている。
 木村さんはモダニストで、絵の眼目がかたちや線、色彩であるならば、これらの人物像は単に抽象画にならないための方便にすぎないことになってしまう。でも、そういうことではないのだろう。以前、木村さんにお話をお聞きしたときに「ぼくの絵で、人物はへそのようなもの」とおっしゃっていたが、色やかたちの追究が、どこかで人間の追究と結びあっているのが、北海道の独立や全道展の伝統なのではないかと思う。
 そして、人間と結ばれているところに、絵画世界が鑑賞者のほうにひらかれている可能性があるのだと感じ、この会場に来る前に見たアートプラネッツグランプリ展がアイデア頼みで、他者へとひらかれていないのに比べて(比べちゃいけないのかもしれないが)、ある種すがすがしさを感じたのであった。

 出品作は次の通り。
立像三態
座るかたち
水辺
遠い海
赤い屋根
なつかしい水辺へ
風の通り
降臨
レクイエム「空」

 冒頭画像は、手前から「水辺」「遠い海」「赤い屋根」。


2013年6月24日~7月14日(日)午前9時~午後6時(土日祝日~午後4時、最終日~午後3時)、会期中無休
STV北2条ビルエントランスアート(中央区北2西2)

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