やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

「空想の森の音楽祭」2日目

2012-04-30 | art
昨日から始まった「空想の森音楽祭」が
2日目。今年のロバライブのテーマは
「いい音 みーつけた!」で、若い
アーティストを呼んでいるのが特色
だけど、もうひとつ、文化祭ノリの
音楽祭だということだ。

2月開催の「春のトビラ音楽祭」も
そうだったけど、中心にコンサートが
あるとすると、周縁に中世茶房という
カフェがあったり、楽器やがらくた市、
輪投げに加え、鳥笛作りにバランス芸
体験など盛り沢山。

2時間のコンサートで帰る方はほとんど
いなくって、ゆるゆる縁日風音楽祭を
3~4時間、思い思いに楽しんではる。

天気にも恵まれたから、隣接する玉川上水
の散歩道を楽器を鳴らしながら歩く人も
多かったなぁ。



昨日はゲストでお迎えした演奏者3人のうち
2人を紹介したから、3人目の民族楽器奏者
宗田悠のコト。

アジアを中心とした多種多様な民族楽器や
知りあい達が作った創作楽器を演奏する。
楽器の選び方は悠さんの心に響いたもの。
楽器も好きなんだけど、音好き。



民族楽器との出会いは20歳で、楽器の教育を
受けたわけでないし、楽譜が読めるわけでも
ないけど、演奏活動がやれていますって
みんなに話すから勇気をもらえた子どもも
多いのでは。

観客の声もくしゃみも演奏会の一部だよと
みんなを安心させ、でもおならは周囲の人に
OKとってね、と笑いをとる。



賑やかな宗田悠さんに始まりハラハラの
曲芸師天野耕太さん、静かな空想パイプ
オルガン師 藤田陽介、最後にロバの音楽座と
これしかないっていう構成だなって思う。

エンディングでは一堂が会してフィナーレ。
みんなもおどっていいよ、との雅隆さんの
かけ声で、子ども赤ちゃんも、大人もノリノリで
踊っていた。



次は5月5日「ことばとあそぶ おととあそぶ」
谷川俊太郎さん賢作さん親子とロバの音楽座の
ジョイント。若干の席があるから、よかったら、
ぜひ。詳しくはこちら

※追伸 おかげで大人の部は完売。13時からの
親子の部に若干お席があります(5/4)

「空想の森の音楽祭」初日

2012-04-29 | art
今日明日はロバハウスで「空想音楽会」
おかげで4回とも完売。ありがとうございました。
多くの親子で賑わっていた。

前日に多くの申込みをいただいたのね。
前もっての予約という行動パターンが
以前より、スパンが短くなってる感じ。

今日明日と若い3人をゲストに招いて、
ロバの音楽座とセッションしたり、
ソロでやってもらったり。

明日もあるから、まずは3人の内の2人を
とりあげたい。空想パイプオルガン師
藤田陽介さんと曲芸師 天野耕太さんの
コトから。

藤田陽介さんは
がらくたや空想楽器を演奏。
てっきりいろいろ作ってはるのかと
思うと、2~3しかないと言うので驚く。



パイプオルガンの親戚に当たる、手風琴で動く
ポルタティフオルガンより大きく、動力で動く
ポジティーブオルガン小さめの楽器を考案しはった
のみならず自ら作成とは!

楽器以外にはどんなものを作ってるのか
お聞きすると、なんかオブジェでもと薄々
期待すると見事に破られる。他には作っていない!

間近でみると高い素材は使ってないどころか
百均の胡椒入れや塩入れなんかも使ってはる。



天才曲芸師 天野耕太さんは以前ヒネモスとの
共演(2007年7月)以来の再登場。丸い筒の
上に板を乗せた上にのるバランス芸っていう
のかな、観客のみならずボクもはらはら。

次第にその丸い筒を重ねて高くしていくん
やから・・ロバの音楽座の演奏が緊張を
高める。子ども達がキャーキャー喜び、
なかには「こっちには落ちないでね」
なんて言って会場は爆笑に包まれる。



13歳でスペインのベンポスタサーカス団に
入ったというのは覚えていたけど、なんと
ジャグラーや手品もやったことがなくって
いきなり、入りたいって直談判したそうだ!

それもベンポスタサーカス団が平和を普及させ
ようっていうビジョンに心がうたれたそうだ。
おじいちゃんが広島で被爆し、かれは3世。
今回の震災や原発事故からも新しい人生を切り
開く若者も数多くうまれている。

とはいえ、団長もその熱意はすばらしいけど、
3ヶ月経ってまだ本気だったら手紙をください、
といって一旦別れたそうだ。

かれはスペイン語だって初めて!辞書をひきひき、
手紙をおくり、入団を認められる。

若者たちに教えられるというか、脱帽。

ヤオ族の子供用敷布展

2012-04-28 | カルチャー
青山のギャラリーFUCHISOで今日からヤオ族の
布展を行うっていうので早速行く(5/6まで)。

オーナーの小松綾子さん曰く、ヤオ族の衣類は
結構でまわっているけど、子供用敷布は初めて
見たとか。お母さんが子どものために数ヶ月かけて
敷布を作ったものだそうだ。

代々受け継ぐ性格をもち、子どもが大きくなると
じぶんの敷布に継ぎ足したり、補強したりする
ことも多いらしい。布を後から継ぎ足していくんだね。


いいでしょ。この写真を見て行きたくなる

世界の布を求めて仕入れの旅をする綾子さんが
初めて見たっていう代物。ひとつには今のところ
商業化からまぬがれていて、自分の子どもの
ためだけに作られるもの。裏地は抽象画みたい。


田んぼの「田の字」がモチーフの布。小さいのを買う。

このヤオ族、中国南部の雲南地域から北ヴェトナムで
暮らしているらしい。

綾子さんはさも行ったようにヤオ族の暮らしぶりを
話してくれたんだけど、まだ行ったことがないらしい。
布に出会ったのは北京だとのこと。

綾子さんから聞いた驚きは
1,言葉ではなく音楽で話をする
2,王女と犬の間に生まれたヤオ族を始祖とする
という神話が史記に取り入れられ、後に日本に伝わって
南総里見八犬伝につながっているとか!

またヤオ族のことがわかったら書いて
紹介していくね。

絵巻物の読み方

2012-04-27 | art
絵巻物って昔の人はどう読むのかって思っていたら、
いい解説にであった。

ジブリの高畑勲監督の『十二世紀のアニメーション―
国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの
』という
絵巻物とアニメの共通性を考察した、美術本のような
エンタメ本。

高畑さんは学芸員に絵巻物の読み方を教わる;


この読み方は絵巻物を大切に扱うには適しているけど、
絵の連続性を楽しめないのでは、と考える。

絵巻物をそれこそアニメ的にみる方法を仮説として
提示している。


こうやって少しずつずらしながらだと、
確かに絵が連続していきそう。

監督って主人公が絵巻物とどう向き合ったか、
どう読むかっていう動きを想像するいきもの。

絵巻物自体を考察したり、楽しんだりする一方で、
いにしえの人はどう読んだのか、想像するのは
楽しい。



「信貴山縁起絵巻」には僧侶が読経している絵が
ある。お経なら軽々目の前に持っていける。
絵巻の中にはそうやったのもあるかもしれない。

「写真家たちの日本紀行」オープニング

2012-04-26 | photo
写真家たちの日本紀行」オープニング
パーティに銀座キャノンギャラリーへ行く。

BSジャパンで「写真家たちの日本紀行」
という紀行番組が竹下景子さんのナレーションで
毎週放送されている。写真家が独自の視点で
日本各地の魅力を案内する番組。

1年たつと写真家は計25人登場する。
全員が番組中に紹介された写真を1枚を
選んで、それを展示するという企画展。

だから撮る対象も、撮り方もばらばらな
写真25枚が飾ってある。

OPEN SHOW TOKYOの運営を一緒にしている
エヴァレットさんもその1人で誘っていただく。


10数人の写真家が来場してはって、
それぞれスピーチをしたんだけど、
楽しくというかうまく話す方が多くって
意外といっては失礼だけど、興味深かった。

フィルム主体で撮っていた方々が次第に
デジタルも扱う推移も垣間見る。スポンサーが
キャノンだからこそ、デジタルの可能性を
追ってはる。


高井潔さん「寺院の逆行の暗い天井はデジタルでないと撮れていない」


福田豊文さん「ムツゴロウの歯はデジタルでしか撮れない」

外山ひとみさんは「カメラがものすごく進歩
するだけに、写真家のこだわりや情熱が
問われる」と。


今年で4回目の開催で、5/9まで。無料。
その後全国のキャノンギャラリーを巡回。
写真はボクが撮ったか、番組サイトから。

One Good, One Great

2012-04-25 | その他
ダルビッシュと黒田が先発投手で投げ合った。
テキサス州アーリントン市でのレンジャーズ・
ホームゲームで。

ダルビッシュは渡米して4試合目にして見事な
3勝目。好調なヤンキーズ相手にたいしたもの。
(前日は大差でヤンキーズの勝ちやし)

黒田だって、首位を快走するレンジャーズを
敵地で2点に抑えたんだから、すばらしい。

NYTimesの二人を讃えた見出しが好感がもてる;


とはいえNYTimesだって、ほとんどがダルビッシュに
記事を割いている。この写真もいい。

面白い単語がcommand。これまでのダルビッシュは
commandに苦しんだけど、今日はin command all game
だったと。命令?って最初思ったけど、意のままにできる
っていう感じやね。



レンジャーズがヤンキースをシャッタアウトしたのは
2000年以来らしい。こんなに長い回(8回と1/3)を
ゼロ封できたんは、Bob Tewksburyって投手が 1995年に
完封して以来だとか。地元がさぞ盛りあがったやろうな。

試合の動画は公式サイトが長く残っているかも。
いいねぇ、何度見てもいい。

ボールが滑りやすいだの、どうだのすべて
解った上で準備してきているだろうけど、
もうメジャーリーグ対応がほぼ完了したのでは。
これからは新たな進化をするのだろうって
楽しみになる。まだ若いからね。

いいピッチングをぐいぐい重ねていくことが
容易に推測できるし、野茂、イチロー、松井が
成し遂げたルーキーでの球宴出場も果たすだろう。



野茂に始まった日本旋風は、どちらかといえば
投高打低。それは語学のこともあるかもしれない。
内野手や外野手ほど連携が必要とされないから。

それ以上に、アメリカ人の野球がうまい人はまず
打者を目指すらしい。それに対して日本はどちらか
といえば投手が花。だから日米とわず投手が目立つ
んだと思う。

「牧野富太郎生誕150年」記念切手

2012-04-24 | 農・生物
植物学者の牧野富太郎先生(敬愛と尊敬の
気持ちをこめて「先生」と呼んでる)の
生誕150年を記念して記念切手が本日発売。
嫁さんが早速買ってくる。

今日は牧野先生(1862-1957)のお誕生日
なのでそれにあわせた発行と粋なはからい。
「植物学の日」も今日とのこと。さすが牧野先生。



切手のできもとても好感がもてる。昨今の
デザインがいまいちぶりを嘆いているけど、
今回はいい。

牧野先生の植物絵を活かしているから当然かも
しれないけど、デザインを担当しはった郵政公社
職員の切手デザイナー星山理佳さんも
さぞ力がはいったのでは。

ぐだぐだボクが書くより、切手のデザインと
郵政公社が絵の説明をしているので、それを
長くなるけど
写させてもらうね。ちなみに
学名に牧野先生が見受けられるのは彼の「発見」を
意味する。

1)ガマズミ(スイカズラ科)
(学名:Viburnum dilatatum Thunb.)


毛筆に水彩 年代不明
全国各地の山地に見られる落葉低木です。赤く色づいた果実は甘酸っぱく、
初夏に咲く白い花も趣があります。原画には果実をすりつぶし、それと同色の
絵の具を塗った跡があります。退色を嫌った牧野博士はイギリス製の絵の具を
用いています。遺された数少ない着色図のひとつです。

(2)ジョウロウホトトギス(ユリ科)
(学名:Tricyrtis macrantha Maxim.)


石版印刷に水彩 明治21(1888)年
高知県の石灰岩地に特産する多年草です。明治20(1887)年に発見し、ロシアの
マキシモヴィッチが学名を、牧野博士が和名を付けました。描かれた植物は標本の
ように折り曲げられており、花被のふちまで入る斑点や葉の裏側の毛、花序の先から
順に開花するといった特徴が見てとれます。

(3)ヒメキリンソウ(ベンケイソウ科)
(学名:Phedimus sikokianus (Maxim. ex Makino) 't Hart)


毛筆に水彩 明治22(1889)年
四国の山地に特産する多年草です。明治22(1889)年、高知県仁淀川町鳥形山で
採集した標本をもとに新和名を発表、明治24(1891)年にマキシモヴィッチから
授かった学名を発表しました。生育地が限られているため全国的に珍しく、
自生地のある徳島県、高知県で絶滅が危ぶまれています。

(4)ホテイラン(ラン科)
(学名:Calypso bulbosa (L.) Oakes var. speciosa (Schltr.) Makino)


石版印刷 多色刷り 明治44(1911)年
本州中部の針葉樹林下に稀に生える多年草です。牧野博士は、江戸時代の植物画から
その存在を知り、明治35(1902)年に和名を付けました。明治40(1907)年、開花株の
寄贈を受け、初めて実物を見て花の図を描きました。「大日本植物志」全16図版の
うち唯一の彩色図です。

(5)コオロギラン(ラン科)
(学名:Stigmatodactylus sikokianus Maxim. ex Makino)


本州~九州のスギ林に生える多年草です。草丈は5cm程度、唇弁は5mm程度と極小です。
明治22(1889)年に高知県越知町横倉山(おちちょうよこぐらやま)で発見、標本と図を
ロシアに送付しており、精確な図はマキシモヴィッチから絶賛されました。牧野博士は、
明治23(1890)年にマキシモヴィッチが提唱した学名を発表、翌年和名を付けました。



すっかり暖かくなって花もいっぱい咲きだし
てるから、ゆっくり草花を見ていたいなぁ。

タイタニック号のボイラーマン

2012-04-23 | 歴史
NHKBS歴史館『タイタニック 100年目の真実』で、
沈没まで電力供給に命をかけたボイラーマン達の
ことを知る。

タイタニックの動力や電気はボイラーマン達が
石炭によってボイラーを沸かしてタービンを回す
ことによって得られる、つまり石炭発電を船内で
行っていたわけだ。

そのボイラーマンはなんと300人いたそうだ。
乗組員が880人の3分の一だったんやね。
ちなみに船客は1327人。


一番底はすべてボイラー室


タイタニックの大きなボイラー群

氷河との追突事故が船の沈没につながる可能性の
高さを悟った船長はボイラーマン達に伝えたそうだ。

「船外に避難しても構わない。もしくはボイラーの維持
にたずさわってくれないか。これはこれは命令ではない。
ボイラーが止まったら電気が失われて船内は暗闇になり、
避難は困難になる。」

この言葉に持ち場を離れるボイラーマンはいなかったそうだ。
そして沈没2分前まで電気がついていたそうだが、ボイラーマンの
多くは命をおとす。その数216人。その勇気ある行動を家族や
仲間は誇りに思っただろう。

番組ではフクシマ原発事故への言及はなかったが、きっと
多くの人が原発の平時も事故時も支えている現場の人達と
重ね合わせたことは想像に難くない。



今年は沈没して100年目だそうで、番組やイベントが世界で
行われている。

米国のミズーリ州のブロンソンにタイタニック号の
一部レプリカなどをもちいたテーマパークが2006年に
できたらしい。

アイルランドのベルファストにもこの4月に
ミュージアムができたばかりだ。


これを見にアイルランドに行きたいとは思わないけど、
ボイラーマンの扱いがどうなのか気になった。


ロバの音楽座と初共演、しかもダンサーとして!?

2012-04-22 | art
ロバの音楽座が昨年発表の新作「森のオト」を
国分寺市立いずみホール主催で行う。

「森のオト」には、「ぼくのおじいちゃん」という
参加型の曲がある。イントロはこちら
これには振付があって聴きにくる父兄に有志をつのって、
舞台で一緒に踊ってもらうモノ。

今回も聴きに来てくださるお母さん3人が志願下さった
んだけど、リーダーの松本雅隆さんからお誘いをいただく。

ボクが国分寺市民だからだと思うんだけど、
ロバの音楽座結成30周年をして、初共演や!と
心躍る。何せ生演奏で踊れるんやから。

踊り自体は誰でも踊れるものだし、腰も曲がった
おじいさんが踊るという設定だから、間違うことも
歓迎されているのがキモ。



いずみホールは、天井がすばらしく高い。音響もいいし、
キャパ370名で、郊外には最適というか、もったいないくらい
いいホール。初共演にはふさわしい(笑)といって盛りあがる。

設計は現代計画研究所を主催する、藤本昌也山口大学教授。
1988年竣工。



踊って下さるお母さん達3人と、段取り、衣装合わせ。
お2人はお友達だけど、他は初顔あわせ。そのまま
リハーサルへ突入。

間違えたトコもいくつもあるし、みんなてんでばらばらの
ところもあってこれは面白そう。

「間違うところがいいですね。」と雅隆さんから褒められる
ように励まされて、ボクたちにわかダンサーズは意気揚々と
控え室へ。チーム意識みたいのがわきおこってる。
いったんもとの服に着替えて、客席で聞くことに。



「ぼくのおじいちゃん」の2曲前に、控え室に再集合。
ドキドキする、とか、ロバさんと一緒に踊れてありがたい、
とか、みんなテンションが高くなっている。

「おじいさん達が踊りに来てくれましたぁ~」と
りぐまさんの声に招かれて、登場。舞台袖の暗い
世界から明るい舞台へ。いいなぁ。

みなエアー杖を突きながら、舞台中央に向かう。
自己紹介と称しておじいさん役の名前を、
ひとりひとりマイクで喋ると、拍手が沸き起こる。

「熊田留吉だっ」ってボクは言うのがトリで、
さっそく踊りスタート!

他のおじいさん達がちらちら見える。。
リハの時はよく見えた客席があまり見えない。。
ロバの人達がニコニコしてる。。
あっ間違えた。。うまく踊れた。。
とあっと言う間に終わる。



高いテンションのまま、控え室で踊り終えた
達成感みたいのをみんなで共有し称え合う・・
おつかれさまでした!

終演後、よかったよかったと、言われたり、
ずっとボクをみてたとか言われたり、楽しかった。
機会をいただきありがとうございました!

そのあと、公演の残りを聞いたり、舞台を
片付けたりしていても、とても身体が軽く
感じる。その感覚はずっと残っている。

「カワイイ論」が難しいワケ

2012-04-21 | カルチャー
プロジェクト・プランナーの真壁さんによる
ザ カワイイ ヴィジョン ~新たな抽象性を求めて
セミナーを聞きに行く。

「カワイイ」をキーワードに建築やデザインの
新しいパラダイム論は、彼の本や雑誌、
講演会などで接していた。事例としての
カワイイはよくわかるんだけど、その理論
というか哲学はまだ染みいっていない。

近著の感想を読みかえしても、なんのこと
やら。。いつもながら恥ずかしい。



それが、今日のセミナーの2部で建築家の
難波和彦さんのお話で得心がいく、なぜ
カワイイ論が難しいのか。

真壁さんがアフォーダンス理論を援用して
「 作り手」と「使い手」との感覚共有が
新しいカワイイ像をつくり出すこと、と
話されているのを受けて、カントの美学を
引き合いにするところから始まる。

カワイイという建築物があるのではなく、
文化的感覚が育つことで、一定の建築物を
カワイイって捕らえるようになる。

「青木淳の建物をみて、子どもはカワイイって
言わないでしょ。真壁さんは、見方の転換を
求められている」

「カワイイってことを分析するとかわいく
なくなる」と言われ、納得する。なるほどね、
だから難しくなるんだ。扱っている建築や
デザインの具体例はわかりやすいのにね。



難波さんは次にパスカルをもちだして、
「情感(ハート)には、理性(リーズン)が
感取しえない独自の理性がある」と。

難波さんのブログではそこからベイトソンに入って
「意識に支配されている限り、精神はこうした対象を
掴むことはできないというばかりでなく、かりに夢、
芸術、詩、宗教、酩酊などによって、それが運よく
把握できたとしても、それを言葉に翻訳するのが、
また途方もなく難しいのだ。」

だから、難しいんだし、だから芸術や詩なんだし
だから酔っぱらうんだって。2次会で飲んだ紹興酒が
効いているなぁ。