やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

被災地・過去と明日へ向き合う

2011-04-30 | 環境
三陸町から帰ってきたんだけど、行ってる間は
ブログがなかなか書けなかった。現地でやれる
ことを優先しようって思って書くことはアキラメ。
何回かにわけて書いていくね。



泊めてもらうなどお世話になった知合い宅は
山側で海岸から道なり5キロあたり。
だから家は大丈夫だった。

といっても2キロと離れていない所から瓦礫の山。
そんな山の間まで津波が押し寄せたのは驚き。



家を失った知り合い家族を受け入れて
共同生活をしてはる。当初いたばあさんは
仙台の家族にひきとられ、別の家族が残っている。

被災状況は職住命で分けられる。
失ったのものが仕事場か自宅か命か。
この家族は職住がなくなり命が助かる。

彼らは幸い10倍をこえる仮設住宅の抽選に当たり、
再度の引越しの準備中。家電は一揃い最新機器が
揃っているので、衣類と食器類を集め中。



自衛隊、医療関係、自治体職員、企業体の応援、
親類友達、ボランティアもたくさん来ているが、
もともと地縁、ご近所付き合いも蜜でしょちゅう
行き来して、話をしたり、物を上げたり
もらったりしている。

何度も何度も311当日を振り返り
失われたものがどう失われたか、
なにが失われなかったか終わること
なく語ってくれる人達。

その日にたちもどって再構成をしつづける
ことで現実との折合いをつけようと
必死なのかもしれない。



ぼくが一番できることは話をお聞きすること
かもしれないって思う。

どうにもならないけど、どうにかなるって
前向きな人達が多かったのは恵まれたのかも。

新しく始まった日々、そして明日を
どうするかいっぱい心配し、いっぱい
笑い飛ばしている。

瓦礫の山

2011-04-29 | 環境
本吉街道という旧道を車で運んで
いただきながら、海へ向かう。

低いなだらかな丘が続く。新緑に覆われはじめ
山桜が点在するのどかな美しい風景が、とある
時点で一変する。

山あいが一面瓦礫の山。まだ海は見えない。
こんな山あいまで津波がおしよせたのかと、
言葉を失う。わずかに残る家でも2階で
逃げ遅れた誰々さんのところだと言う。

それから志津川湾に至る30分間、廃墟とでも
言えばいいのだろうか、瓦礫が延々続く。
それでも自衛隊のおかげで大分片づいたん
ですよ、と教わる。被災時はどんな状態だったんやろう。

メディアを通じて知ってると思っている状況は、
平面的な映像を頭の中で自動的に再構成したものだ。
現場にたつと、瓦礫の山というボリュームある存在が、
僕の全感覚を包む、いや皮膚を通りぬけて刺さる痛さ。

基礎だけを残して根こそぎ建物がもっていかれている。
仙石線という鉄道は盛土をわずかに残して、
レールがない。山に開いたトンネルの入口と
盛土の跡が鉄道だったことの痕跡。

3階建てのコンクリート建物が2つ、屹立している。
合同庁舎と病院だそうだ。窓が無くなって躯体の
枠だけが残る。屋上に逃げてもまだダメで鉄塔に
よじ登って助かったところ。眼下を人が流されて
いくのを鉄塔に捕まりながら見なければ
ならなかった状況。

3年前に来た時とはなにもかも違う。
アスファルトとコンクリートに覆われていた
中心街が土がむき出しになっている。

材木を燃やしているが塩をかぶっているから
ダイオキシンの発生になるから止めたいと。
生きることへの希求をダイレクトに感じる。

地獄という表現

2011-04-28 | 環境
昨日もちょっとふれたけど、
明日から震災のひどかった
南三陸町へ行ってくる。

一足先に三陸高田へ行かれた
善光寺住職の若麻績さんの
ことは以前書いたけど
「地獄をみた思いです」と、
言ってはった。

 「地獄ですよ。とにかく地獄だ。
あれは見た者じゃなきゃわからない。」
(仙台若林区で救出された)男性は、
疲れ切った表情でそうつぶやいた。
朝日新聞3/12



たすけあいジャパンを主宰している
さとなおの今日のブログには
週刊文春に掲載された報道カメラマン、
不肖・宮嶋こと宮嶋茂樹の文章を紹介している;

「世界中の紛争・災害を見てきたつもりである。
しかし、そのどこよりも、東北の地獄より
ひどい現場はなかったと断言できる。」
その上で
「歴戦の強者ですらこんな断言をする現場である。
特に沿岸部の被災地に行かれる方はよっぽどの覚悟と
装備が必要だと思う。」と警鐘を鳴らしている。

地獄という表現が使われるのは、どの災害・戦争
なんだろう。覚悟をいれて、しっかりと手伝って
こようと思う。

流れが重なる時

2011-04-27 | その他
潮時っていうのか流れっていうのか
変化が重なる日っていうのがたまにあるのね。
いろんな動きが重なった。

かねてからラブコールしていた
アーティストがとても興味ありと
言ってくださったり。

アート系の大御所との
アポイントがとれたり。

いいことばかりではなく
あるプレゼンをしていた
企画がNOになったのは残念。

プライベートでも久しぶりの方
から会いましょうって連絡があったり。
紹介したい人がいるからとお会いする
ことになったり。

そして南三陸町へ行くことも決まった。
電気や携帯が回復し、東北新幹線が再開したので
ぼくでも行ける環境が整ってきた。
さっさと行けないのもちょっと情けないが。


4/18東北新幹線 再開予定    

現地の知り合いに相談したら、歓迎と
言ってくれた。手伝うことは山ほどあるとも。
4/29から3泊の予定で行ってくる。


4/27天皇皇后両陛下南三陸町の伊里前小学校ご訪問





 

震災で閉鎖中「東京都児童会館」

2011-04-26 | 建築
東京も311の影響で建物は相当揺れた。
点検のため一時的に使えなかった
建物もみな回復していった建物が多い。
東京タワー、上野動物園など。

渋谷を歩いていたら東京都児童会館
テープで封鎖されていたから驚く。


近づいてみると、貼り紙で告知;
詳細な調査が必要なため、4月29日に予定していた
会館の再開を、当分の間延期します。



東京都児童会館はウィキペディアを
ひもとくと1964年開館。 皇太子明仁親王
(現今上天皇)の結婚・浩宮徳仁親王
(現在の皇太子)の生誕を記念し、
民間からの寄付金により建設された。

民間の寄付っていうのがいい。
設計は大谷幸夫といって丹下健三の
右腕だった人らしい。

後年(1985年)にできる「こどもの城」の
モデルにもなったに違いない。近いし。
親子で遊べる無料スポットとして、
かなり利用者も多かったようだ。
→あそび方はこちらに詳しい。

今後、新宿区内に建設される「子ども家庭
総合センター(仮称)」(平成24年度開設予定)へ
機能移転する予定とサイトにある。



隣接する美竹公園にはバスケットコートが
設置されているのに気づく。



近づいてみると、マイケル・ジョーダンと
ナイキが寄贈したらしい!

平日の午前中だから誰も使っていなかった。
彼の手形があったけど、想像どおりおっきい。



近くの山手線沿いの宮下公園の命名権を
ナイキが取得して整備する問題は、
ホームレスを支援する反対派ともめている。

210年10月14日ナイキは命名権料を支払った上で
宮下NIKEパークの名称を使用せず、改修後も
宮下公園の名称を存続させることを表明。

なのに2011年4月21日、反対派側は渋谷区を
相手取って代執行撤回を求める行政訴訟を提起。

これは長くかかっていくね。

松岡正剛「説明責任」について

2011-04-25 | カルチャー
福島原発事故に関して、諸外国から日本政府や
東電は説明責任=アカウンタビリティを果たして
いないということをよく聞く。

それは信頼性に由来するのだと考えていた。
なんか隠し事しているのではないのかとか、
ちゃんとマネジメントできているのだろうか、
という意味なのかなと。

松岡正剛『日本数奇』(ちくま学芸文庫)を
読んでいたら、説明責任について書かれていた。



「今日の日本にはアカウンタビリティが
ないという」書き出しの「説明の庭」
(初出は密教メッセージ、1997年) 

リスポンジビリティとアカウンタビリティの
二つがそろって責任は果たされる。

日本人はリスポンジビリティについては
自殺までして責任をとろうとすることが
あるのに、事態の問題点を外部にむけて
説明する責任からはついつい逃れてしまう
傾向がある。
(中略)
・・とくに説明を一点にこだわりすぎて、
先に進められないという傾向がある。
説明する言葉にパースペクティブを
作らない。そこが日本の問題らしい。

パースペクティブ、構想力もしくはビジョンと
言い換えていいのかもしれない。

納得が行くような全体像が語られないと、
なかなか得心がいかない。

たとえば放射線量を例にとると
手書きでもいいから各地区の各放射線量が
どうなっていて、問題点がどこにあって
測定種類と測定箇所をどう増やしていくか
といったビジョンを語られる必要があるのかも。



松岡正剛はこの文章の後半で、
真言という言葉で説明する仏教を
創り上げる空海が「説明の天才」でも
あり、それは日本の風土文化に
おいては「相当な構想」だったとか。



もともとあ・うんの呼吸や
以心伝心を風土とする日本だから。
また空海をひもときたくなる。

トルコ音楽と料理の夕べ

2011-04-24 | art
国立には木乃久兵衛という不思議な居酒屋がある。

ロケーションが辺鄙。
国立駅から10分歩いたところで
しかも地下1階。天井高のある
広い空間が拡がっている。

オーナー佐々木さんが映像作家でもあるので、
映画上映やコンサートなどイベントも多い。
しかもその趣旨にあわせた、料理を
提供していくのが大きな特徴だ。

今日は「トルコ音楽夜話」と題して
国立在住のサズ演奏者の藤井良行に
よるトルコ音楽の夜だった。



なのでトルコ料理がでてくる;
ドルマ(ピーマンに米や肉を詰めた料理)
ビョレク(チーズを巻いて揚げた、トルコ風春巻)
などのトルコ料理を楽しんだ。

イタリアンサラダがあったのはご愛嬌か。
トルコとイタリアは近いから料理でも
多くの影響があるからアリなのかも。

トルコはイスラム教の国だけど
アルコールには寛容で、アルコールの
強いラク、ビール、ワインの生産も盛ん。

お店ではさすがにアルコールまでは
トルコとはいかず、ビール、ワイン、
日本酒を飲んでたんだけど、一部が
震災寄付されるとのコト。




曲は吟遊詩人が歌ってきた
いわゆるトルコ民族音楽から
最近のロック調の音楽まで。

ベリーダンス系の賑やかさとは
違って物哀しい響きが多いものを選曲。
演奏者にお聞きすると、トルコではも
とともと悲恋、失恋を歌ったものが多いそうだ。


ダフで飛入り参加の立石潤三と

国立に住む4人で集まったんだけど、
トルコ料理はヨーグルト好き、
トルコ大統領がTime誌表紙の有力候補、
311大震災、太陽光発電ワークショップ、
宮崎県綾町、麻エネルギー自動車などなど
あちこちに話題がとんだ。

「林檎の礼拝堂」の田窪恭治展

2011-04-23 | art
MOTで田窪恭治展が開催中。
「林檎の礼拝堂」と呼ばれる
フランス・ノルマンディーで
15世紀の教会が朽ちて廃墟に
なっていたものを再生させた
(1989-1999年 )ことで
知られる様になった方。

同名の書籍(集英社刊)を読んで
知った口。読み返すと懐かしい。


田窪恭治《林檎の礼拝堂》

美術館から飛び出し、アートと建築を結びつけ、
10年間家族とともに現地に移住し、
コミュニティを作りあげながら、
建物を再生させる・・今日世界中で
行われていることの先駆者といえる。

資金も助成は無しで、個人や企業からの
(主に日本から)2億円集めたんだから、
集める方も出す方も偉いなぁ。



今回の企画展では、現地では実現できなかった
敷地の整備プランを実寸で、同じ方角に
東京ヴァージョンとして展示。

おびただしスケッチの一部が展示されている。
最終的に、林檎の樹をスクラッチするという
独特の技法で描いていくんだけど、この
スケッチを見ていると、他のバージョンも
みたくなる。



企画展のもう一つの柱が、香川の金刀比羅宮
(こんぴらさん)の聖域全体を対象とする
「琴平山再生計画」に取り組んでいる。

現在描き中の襖絵を持ち込んで、
現地の書院と同じ建具の中に組み立て、
椿の自生する庭を視野に入れたものは
見ごたえあり。


田窪恭治《ヤブツバキ》

そう、今度は林檎から椿にモチーフが
変わっている。

こんぴらさんは伊藤若沖、円山応挙を
始めとしてアート作品の宝庫でもある。
完成したら見に行ってみたいなぁ。


田窪恭治《神椿》

田窪恭治展は5/8まで。
尊敬する岡部あおみによる2004年の
インタビューはこちら

歯垢の除去

2011-04-22 | からだ
虫歯治療に通院始めたんだけど、
最新の設備なのか、ほとんど
削らないから痛みも少ない。

虫歯部分はピンセットかドリルで除去。
埋めた後で、ドライヤーのヒーター
みたいなもので温めると、
あっという間に固まる。

虫歯なんて久しぶりだから、
技術の進化なのか、腕なのか。

それなのにちょっとした痛みさえ
避けようと、歯や顎の位置をかえようと
もがくのが情けないって思ったのね。

それからは、身体の力が抜け、
先生にゆだねられるようになる。



虫歯治療の次が歯垢の除去。
長年の歯垢が歯周ポケットに
溜まっているとのこと。


歯茎と歯の間の歯周ポットに歯垢が溜まる

昔は血だらけになった気がする。
それが2万回転/秒の超音波でまず取り除き、
奥深い歯垢は手で除去してもらったんだけど、
血は出ない、さすが。

歯垢って下顎の歯には溜まるけど、
上にはほとんど付かないことを知る。

言われてみればそうなんだけど、
唾液は下顎にあって、四六時中
浸されているからね。

最後はこれでクリーニング

磨き方も、きちんと教わる。
今までは歯間の磨き方が足りて
ないって痛感する。


このスポット磨き歯ブラシや
デンタルフロスも毎日1回した
方がいいらしい。使い方も教わる。
歯も大事にしなくっちゃ。

ナショジオのデジタル版

2011-04-21 | エンタメ
ZINIOという雑誌をネットで配信する
事業の草分けがアメリカにある。

昨年末からソニーと組んで日本でも
配信サービス
も始めている。

ダウンロードした雑誌は、
PC,iPad,kindleなどで読むことが
できるんだけど、iPhone&iPad用の
アプリ
もある。

USA版に登録したら一冊を3ヶ月分
無料で配信してくれるっていうから
NYLONを選ぶ;


雑誌はどれも安い。特に年間購読が。
例えばNational Geographicを例に取ると、
1冊4.99㌦、約420円はまぁまぁなんだけど
年間購読が12冊が15㌦、約1300円!

これはみなデジタルに流れるぞって思いながら、
AmazonのUSAに念のためアクセスしてみた。

すると紙のNational Geographicも12冊が15㌦で一緒。
送料込み!思わずポチッと注文したら、
海外はだめって。そうかもと思ったけど残念。

デジタルだっていいやと、ZINIOに戻って
注文したら、なんと日本からでは買えないって。
でも待てよっと、住所をテキトーにしてゲット。

どうしてこんな安くって成り立つんだろう?
デジタルでも紙でも15㌦だなんて。



iPadで見るNational Geographic美しいなぁ。
文字も写真もグラフィックも地図も。いっぱいあるし。
アートディレクションが素敵。動画もある。
サイトもあるけど、美しさではかなわない。
自然保護への寄付にもなるし。