やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

「春告げ雪」にうずくまる猫

2012-02-29 | 農・生物
すごく雪が積もったね、家の周辺も
東京も。なんでも春が近いことを告げる
「春告げ雪」っていうそうで、もうすぐ
暖かくなる前兆らしい。


窓からみた雪景色

1/22の本ブログで書いた近所の黒猫、呼び名を
「黒べぇ」って勝手に呼んでるんだけど、
マーキングっていうか尿スプレーを
するようになったので、エサをあげるの
中止してたんだ。

雄猫にとって縄張りを示すマーキングは
オーバーでなく死活問題につながるから、
怒った位ではやめない。

雄猫の場合約2キロ四方が縄張りになる
そうで、毎日の日課として縄張りに
マーキングをして回る。

うちの猫たちが黒べぇと会うのを楽しみ
にしているし、どうしようかなと逡巡して
いた。

そんな時に黒べぇが来たとおもったら後ろ
向きになって、尿スプレーを目の前の窓に
かけたから、もう餌をやるのを止めたのね。



餌をやめて1週間、縄張りだから餌の
有る無しは関係ないかなと思ったら、
意外というか案の定というか、ぱったり
黒べぇを見かけなくなっていた。来てた
かもしれないけど顔を会わさなくなった。

そしたら、今朝雪の中、黒べぇが来ていた。
猫たちは大喜びで話しかけている。



それならエサをやらんわけにはいかない、
ていうので上げると、喜んで食べた。
しかも食後にぐっと手を組んで雪の上で
うずくまっていたから、驚く。



寒いだろうに、黒べぇ。そんなところに
いたら・・って言ったんだけどしばらく、
そこにいて、ボク達を眺めていた。
ちょっと暖かくなる。

傑作、山口晃展

2012-02-28 | 環境
銀座、エルメス8Fのギャラリーで山口晃展が
始まる。2/11~5/13。銀座三越で開催されたのは
規模も大きかったけど、立体もあったし
堪能したのが、ちょうど一年前なんだね。
もっと昔に感じる。



今回は規模は小さいけど傑作ぞろい。
まずはエスカレータを降りたら広がる
のが「忘れじの電柱/2012」



日本の電柱の美しさは彼のモチーフだし、
銀座三越でも模型があったけど、今度は
高さがある。

ここからはちょっとネタバレに近いものが
あるかもしれないけど、なにが驚いたって、
この電柱。

もともとこのギャラリーにある柱を利用したん
だって。この柱の存在を覚えていない、っていうか、
いかに見てないか、やね。

これまた一年前やけどここに曽根裕さんの「雪」
見に来ている。



ほら、柱も利用して雪の結晶が展示してある。
う~ん、確かに見ているハズなんだよね、柱。
よく言えば、作品しか見ていないって言える?

逆に、山口晃さんはこのギャラリーに来たときに、
どなたかの作品があったとしても、この柱に目が
行ったんだろうなぁって想像する。

彼には電柱に見えていたに違いない。
等間隔で数本あって、太さといい長さといい
電柱だぁってw

もうひとつの傑作はまた明日にでも。
写真はこちらこちらから。

トスカーナの料理人

2012-02-27 | 
立川のシンボパンへ行くと、シンボさんの
幼なじみが遊びに来ていた。イタリアから休暇で
一時帰国した方で、なんでも4年間トスカーナの
田舎のレストランで料理人をやってるとか。

フィレンチェなどの都会人が、ゆったり食事や
結婚式を楽しむ場所らしい。ワインのキャンティ
地方にあるからそれはワインも安くって
美味しいそうだ。



フィレンチェとシエナの中間にあるその店を
google mapでみると、ほんと田舎の畑に
ぽつんと囲まれていることがわかる。

レストランのサイトを見れるから、
どんなところか想像できるのは、
ほんまいい時代。写真とかサイトの
作りは大したことないんだけど、
それがまた田舎らしさなのかも。

いいとこだなぁ。広大な敷地らしいし。
しかも500年前の屋敷を利用したそうだから
もう完璧やね。



幼なじみは日本のイタリアレストランで
働いていて、料理の文化的側面(なぜ
その料理が生まれたのか、なぜその素材を
使うのか)に興味が湧いてフィレンチェに
行ったっていうから、面白い。

しかもいまイタリア人のお家で暮らしている
から、さまざまな文化や生活をどっぷり楽しん
でいるのがよくわかる。

日本にいては当たり前になっているような
ことが、いろんな差異となってわかるのが
楽しいそうで、日本のこともっと勉強したく
なるって言ってる。

たとえば、宗教だって日本人は無宗教ではなく、
神道や仏教が生活に染みこんでいるのが、
イタリアで生活していると実感できると。

イタリアのカトリックだって原始宗教などの
融合の部分があるわけだしね。




Il Paese dei Campanelliっていう店名は、
オペレッタからとったみたいで、
Carlo Lombardo と Virgilio Ranzatoが
脚本、作曲で1923年に初演されている・・
イタリア語しかぱっとみ見つからないから
それ以上よくわかんなけけど。こんな感じ;



シンボパンはみんなの溜まり場みたいな
ものを目指しているそうだけど、この
幼なじみもそうだし、知りあいのママともが
教えてもらって来たとか賑やか。

お店でランチを食べたんだけど、暖かい
スープにサラダがついて美味しかった。

お父さんが自転車修理をその地下を根城に
やってはって、昔から立川競輪の選手が
よく立ち寄っているから、まさにたまり場。




改装した匙屋さん

2012-02-26 | art
先日近所のギャラリー匙屋のかよさんに
偶然電車で一緒になった。不思議と縁が
あって、立川ルミネ、家具ギャラリー
TreeNote、黄色い鳥器店で出くわしている。

年末に改装したって聞いたので遊びに行く。
萬田康文さんの写真展をやってはって、
ご本人の萬田さんにもお会いする。2/27まで。



匙屋さんでは2回目の写真展で、南イタリアの
アマルフィの西海岸の一日を撮ったものだそうだ。
もう10年前かな、アマルフィに行ったことを
思いだしていた。

また今週から彼は、今度は北イタリアに行くそうで
羨ましい。



前回の企画展はしゅんしゅんさんの素描展。
行けなかったんだけど、匙屋さんを書いた
原画がまだ何点か飾ってあって、ジンも
あったので購入する。



いいねぇ、好きなギャラリーの絵って。改装して
いままでは作業場兼事務所だった小上がり部分が
お店スペースに変わっていたんだけど、それが
素描でもわかる。


写真は匙屋さんのサイトから。



初体験、柳家喬太郎

2012-02-25 | カルチャー
三鷹市芸術文化センターでは数年前から
定期的(半年に1度くらい)に「柳家喬太郎
勉強会」って銘打って落語会をやっている。

これがなかなかとれないんだけど、やっと
抽選が当たった。初めてなんだけど
柳家喬太郎さんを聞きに行く。

夜の部のプログラムは
一、子ほめ さん坊
一、館林  喬太郎
仲入り
一、代書屋 風車
一、おせつ徳三郎 喬太郎

子ほめ、代書屋は結末が最初から
みえる類の噺で、この手が好きでない
ボクにとって、ちょいと退屈。結末に
変化球をいれてくれれば・・という淡い
期待も叶わなかったし。

館林はあまりやる噺家が少ないらしいけど、
喬太郎さんは何度もやってはるそうだ。
剣の使い手達の3人が主人公なんだけど、
違うっていってもそこは似ている3人だから
ちょっと一本調子な感じだったので、
あちきにはいまいち。



だから最後はちょっと心配していたら
まったくの杞憂。すばらしい人情物を
聴かせてくれた。拍手喝采!

登場人物の演じわけの妙も堪能。上質な一
人芝居。しかも座布団まわりの空間しか使えないし、
立ちあがることもしないのに、あれだけ演じるんだから
落語のすごさを楽しめる。

心中物なんだけど、落語用にうまく構成
されている。たとえば主役のおせつ徳三郎が
登場するのは後半。おせつにいたっては
最後まででてこない。

その最後のシーンがまた幻想的で素晴らしい。



おせつ徳三郎はハッピーエンド物もあるって
一緒に行った落語好きに教わる。きっと川に
飛び込んだ二人を刀屋が救うんだろうって思う。

帰って調べると、飛び込んだ筈の川に浮かぶ
筏の上に落ちて助かるという噺だそうだ。

種子の機能とデザイン展

2012-02-24 | 農・生物
京橋のLIXILギャラリーに行った・・・
っていってもピンと来ないかもしれない。

INAXギャラリーが名称変更したのね。
INAXもLINAXグループになったから。

今のところ名称だけみたいで、内容の小気味
良さには変わりはなかった。



今回は「種子のデザイン‐旅するかたち‐ 展
といって、植物の種子のかたちを、機能との
関わりから100種紹介されていた。

種子は何らかの手段で移動して、新しい
ところでの発芽を行う。水や空気に漂流
したり、けものや鳥に運んでもらったり。
動物にひっついて運ばれる種子もある。



面白かったのは、きしわだ自然資料館の
岡本素治館長の言葉で「鳥には歯がない。
鳥は果実を丸呑みにし、砂嚢ですりつぶして
消化する。」

へぇ~、だね。鳥にはみんな歯がないんだ!
口のサイズに合って、砂嚢で消化されないのが
鳥運搬の条件やね。続いてけものについては、

「けものは歯でかみ砕いてものを食べる。
けもの散布果実は歯をすり抜ける工夫が
必要である。よくあるのは柿の種子のような、
タネのまわりのヌルヌル物質である。」

柿の種ではなくって柿の種子wがヌルヌルして
手から滑るのは歯をすり抜けるためだったんだ!
これまたへぇ~の連続。



飯田女子短期大学の小林正明教授曰く、
「植物が動かないのは葉で光合成をするから。
動けないから葉を変化させて、果実や毛で
子孫を遠くまで移動させている。」と。

植物は根が生えてるから動けないって思ってた
けど、それもそうなんだろうけど、本質的には
葉で光合成するからなんだって・・完全には
理解できてないから、考えて行きたいなぁ。

変わり種子もいろいろあるけど、機能と
デザインに密接な関係がある;


羽を広げて滑空するアルソミトラ
グライダー発明の元になったというから
奥が深い


山火事の熱で目が覚めてはじけるバンクシア


直径30cmをこえる世界最大 フタゴヤシ
ヤシ自体も30m大になるビッグ級

写真は訪問記がよくまとまっているこちらから。
2/25まで。

ブラームスの盟友ヨアヒムへのオマージュ

2012-02-23 | art
イギリスのヴァイオリニスト、
ダニエル・ホープのコンサートを
トッパンホールに聴きにいく。



2008年、トッパンホールで初来日を
成功させ、2009年そして今回と着実に
ファンを増やしてきているという感じ。

プログラムがが19世紀前半のブラームスを
中心としたロマン派なんだけど、副題が
「ブラームスの盟友 J・ヨアヒムへのオマージュ」
となっていて、ヨアヒムと関連のある曲選び
という構成が面白い。



ブラームス:F.A.E.ソナタ より スケルツォ
クララ・シューマン:ロマンス
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 雨の歌
メンデルスゾーン:歌の翼に /魔女の歌
ヨアヒム:ロマンス
グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第3番
ブラームス(ヨアヒム編):ハンガリー舞曲第5番

J・ヨアヒム(1831-1907)って知らなかったけど、
演奏家&作曲家。例えば、2番目のクララ・シューマン(
あのシューマンの夫人)作曲のロマンスは、ヨアヒムに
献呈されているし、 ブラームスの雨の歌の初演は
ヨアヒムとクララ・シューマンによって演奏されたそうだ。

彼が12歳で師事したメンデルスゾーンも入れて、
グリーグとは何度も共演した間柄。最後のハンガリー舞曲
全21曲はピアノ連弾用にブラームスが作曲したものを
許可をもらって、ヴァイオリン用にヨアヒムが編曲してる。



そういった曲の背景にふれながら、曲が生みだされる
物語を想像しながら聴いていた。

ヨアヒムは夫人の不貞が原因で離婚するんだけど、
その疑惑には根拠がないってブラームスは夫人を
擁護する。そのことで二人の仲は一度壊れるけど、
また回復したそうだ。

big wordについて

2012-02-22 | 
アメリカ人の知りあいから、無事出産したって便りが
ある。経過を伝える文章にこういう一文がある;

'I started having major contractions at Starbucks! '

前後の文脈からcontractionsが陣痛だとわかる。
「スタバで大きな陣痛が始まったのよ!」
って感じかな。おめでとう!

というか暢気なもので、そんな陣痛が始まってるのに
まだ買い物中でスタバでお茶してるんだから。あわてて
ご主人に車で病院に運んでもらう。

車中産まれるっ!って叫びまくってたそうだ。無事
病院に着いたのが出産45分前。ほんまぎりぎりやねw

まぁ二人目の出産だからっていうのもあるやろうし、
アメリカってあまり出産でもあまり入院しないって
聞くから。昨日ブログのスタバ繋がりも感じた。



英語繋がりで、別のアメリカ人からもらった
メールの話;

' great interview and dark-room footage! '

写真家の渡邉博史さんのインタビューと暗室作業を
ロサンジェルスで撮影してもらったんだけど、
このfootageはわかんなかった。

辞書をひくと、映画のフィルムのフィート数
から、撮影したフィルム自体を指すことがわかる。

「とてもいいインタビューと暗室の撮影だった!」

って感じかな。アメリカ人も!が好きなのかも。
よかった、無事撮影が終了して。おつかれさん!
編集よろしく~



contractionsやfootageは昔英語の授業でbig wordとか
言って、この単語の意味がわからないと、どうにも
意味がわからない重要単語だな・・って思う。

でもこう書くならと辞書にあたるとちょっと違ってた。
どちらといえば、抽象性の高い言葉、難しい単語って
ことらしい。

floccinaucinihilipilification: 無価値とみなすこと
なんていうのが代表例らしい。

contractionsやfootageは、ぼくには難しかったし、
この単語がわからないと文章全体がわからないけど、
とても具体的な単語だ。big wordとは言わないかもね。


ラテに感謝! How Starbucks Saved My Life

2012-02-21 | エンタメ
ダイヤモンド社からでている「ラテに感謝! 」
2010年初版(原著2007年)を手に取ったのは
1,かつての白人エリートが人生どん底の64歳で
幸せをつかんだ物語だから
2,スタバのアルバイトによってもたらされた
から誰にでも可能性がある物語かもしれない
3,トムハンクスで映画化らしい

アメリカでベストセラーになった本で、彼の
インタビューはテレビ等でいっぱいでてる;


楽しい本だった。エール大学を卒業して大手広告代理店の
副社長まで上りつめた著者の実話。

それがクビになって個人事務所を始めたけど上手
くいかず、不倫して子どもが出来たのがばれて、
奥さんに離婚される。その新しい恋人とも破局・・
難病の癌に冒されまさに公私ともにボロボロ・・・
自殺しててもおかしくない・・って最低状態から、
最高の幸せをつかむ物語。



スタバで珈琲を飲んでたら、黒人の店長から
「仕事を探していますか?」と偶然言われて、
なぜだか「はい」と言ってから彼の人生が
変わり始める。

面接に合格し、トイレ掃除も行い、
苦手のレジを克服しながら徐々にスタッフに
認められていくこと、人種、職業への偏見が
とれていくこと、それが子ども達から歓迎されて・・
クビになりそうという不安も何度か乗り越える。

「大手広告代理店JWTで要職に就いていたときよりも、
スタバで働くほうが楽しかった」と言う言葉に
すべてが尽きる。

なんといっても職場がいい。スタバを理想化
っていうか美化しすぎない?って思うほど。
お互いを尊敬しあう楽しい文化が浸透し、
医療保険、学費補助なども充実している。



徹底した一人称、本人の語りだから、ちょっと
一本調子であきるところもある。話したくって
しょうがないのはわかるけど。

他人視線、というか他人視点、たとえば黒人店長の
視点で平行させると深みがでる気もする。その
あたり映画ではどうなるんだろうね。


著書と店長のツーショット

2007年出版といえばリーマンショックの前。
その後アメリカのスタバは2007年~2008年に
かけて、大きな経営危機に直面し、創業者である
ハワード・シュルツさんがCEOに復帰。

かなり大規模なリストラや改革を行い復活させた
って聞いている。短期的な株主重視がよくなかった
とのこと。

本書その後のスタバが気になるところ。

「異端の水墨画家・雪村」

2012-02-20 | art
NHKの新日曜美術館を久しぶりに見る。
雪村をやっていて面白かった。

戦国時代に武家の長男だったのに出家して、
禅と絵の世界を極めるというか楽しんだ
人物像が浮かびあがる。

200点を越える絵が残っていること、
江戸時代に彼の隠居家が再建されて
今でも残っていると知って驚く。



晩年を過ごした三春(郡山市)に雪村庵が
ある・・自然と一体化しようとした彼の生き方が
透けてみえるような建物と風景のようだ。



100年前頃に活躍した雪舟を強く尊敬していた
のは間違いないが、絵も性格も全然ちがう。
かたや正統派だし大御所だし静的だし。
雪村は異端だし、動的だし。

雪舟は国宝が6点あるけど、雪村にはない・・
なぜだろう。

雪村と雪舟を模写を試みた東雲さんによれば、
雪舟は構成が練られてあるのでしんどい作業だった
のに対し、雪村は描き進めながら筆が筆を
呼ぶような感覚で模写が楽しかったそうだ。



ゲスト出演した美術史家・山下裕二さんは
雪村が主に仙人を描いたのは仙人になりたかった
からだと楽しそうに語る。

2002年の雪村展を企画されたそうで、また
やりたいなぁと軽やかに言ってた。見て
いないので次回はぜひ。