やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

恵比寿へ越したFarmer's Table

2014-10-31 | tokyo
雑貨屋の草分け、Farmer's Table。1985年に表参道同潤会
アパートにお店を開く。小さいお店だったけど建物の雰
囲気を活かしていて、素敵だし、かわいいお店だった。



店主は石川博子さん。ご主人の石川源さんはグラフィック
デザイナーでお店のことも影に日向に手伝ってきはった。

米国製コーヒーメーカ=ケメックスを最初に日本に紹介した
のもここ。木製のパン皿は同潤会のお店で買う。今でも毎朝
の様に使ってる(一枚は割れて買い替え、もう一枚がちょっ
と欠けてる)。



取り壊しとともに、ウラ原宿へ移転。一軒家で庭があった。
オシャレでどんだけ家賃払ってだんだろう。1階はカフェ。



2010年恵比寿へ引越しはってやっと行く。古いビルの4階。
入るなり同潤会の時と窓が似てるって思う。スタッフの方に
そう伝えると、外から見た窓が決めてだったとか。やっぱり。



広々としたお店には、見たことのない雑貨、服、什器などが
鎮座している。イギリスから輸入しはった2暖の飾り棚を買う。


インベカヲリ「始まりに向けての青」展

2014-10-30 | photo
恵比寿のAmerica-Bashi Galleryで、インベカヲリさん
の新作を含む個展が開かれていた。このギャラリー
には初めて行く。

恵比寿ガーデンプレイスに近いし、表通りは何度と
なく通っていたけど、裏にひっそりと 一軒家があっ
てその1階。



インベカヲリさんにはOpen Show Tokyoで郡山総一
朗さんとのトークに出演いただいたんだけど、ご自
分のスタイルを13年間追求してきた、強さや凄みが
写真ににじみ出る。

写真は面白いというか、かっこつけようっていう写
真と正反対で、その人なりの素を彼女なりの演出で
ひきだしていく。



「写真より人が好き」という言葉どおり、モデルを
志望してきた人達がどんな人なのか想像するのが、
面白い。



どういう人かは、写真集にも書かれていない。今度、
フジテレビの深夜番組(関東ローカル)で、彼女と
モデルになった4人を追った番組が放送されるとか。

モデル4人との撮影を通し、現代女性を描いた
ドキュメンタリーです。半年くらい、取材して
もらいました。

モデルの子たちと共演し一緒に番組をつくれた
ことをとても嬉しく思っています。

「私を見て かぐや姫の帰る場所」11/19 26:10~
27:10。写真集『やっぱ月帰るわ、私。』のタイト
ルと共鳴している。インベワールドは進んでいく。

#5横浜トリエンナーレ2014 写真編

2014-10-29 | photo
横浜トリエンナーレの続きで、写真のこと。何人かの写真が
あったけど、奈良原一高さんの作品を初めて見る。1958(
昭和33)年27歳の時に発表した『王国』シリーズより


北海道トラピスト男子修道院を写した《沈黙の園》


和歌山の女性刑務所を取材した《壁の中》

が数点展示されていた。世間から隔離した場所。この人達
はどうなったんだろう。そしてこの建物や施設はどうなっ
ているんだろう。

11/18から 竹橋近代美術館でこの『王国』の展示が始まり、
全写真が紹介される。



土田ヒロミさんの代表作『ヒロシマ』に関する3つのシリ
ーズが展示。遺品の写真や、広島市内の定点観測も印象的
だけど、一番は人。



『原爆の子』で作文を寄せた子供たちのその後を追った『
ヒロシマ1945-1979 / 2005』。1970年台後半に撮影した人を
2005年に再撮影した写真が左右に。談話も載っているけど、
肉声が聞こえてくるようだ。



前向きで語る人、斜に構える人、撮影拒否だったのが、20
05年にはOKだった方も。

喜びが忘れられるのは哀しいが、悲しみが忘却によって薄
れることを人間は選んだのかもしれない。

#5横浜トリエンナーレ2014 in 新港ピア

2014-10-28 | art
横浜トリエンナーレの続き。会場を無料バスで移動
して、新港ピアへ。海沿いにあるし、倉庫を改造し
たいい会場なんだけど、ほとんど稼働していないの
では。駅からちょっと遠いだけなんだけど・・

こちらの会場も入ってすぐの大空間に大きな作品が
ある。


やなぎみわ《移動舞台トレーラー》 2014

やなぎみわさんって、写真などを使う作家では・・
と思ってると、2010年より演劇にも取り組んでる
とか。製作過程はこちらに。


設置時の映像。

会期当初にポールダンスショー(!)をやったり、
いとうせいこうさんとのトークショーが開かれたそ
うだけど、その演劇は披露されなかったとか。


イライアス・ハンセン《It ain’t what it seem》 2012

吹きガラスの制作もしてはったそうだけど、あえ
てフラスコなどの既存の実験器具などを組合せた
一種のマイクロポップアート。印象的。

奥の空間には、大竹伸朗さんの新作が鎮座。



彼の手によるイメージ図が意外にかわいい。



この他、BANK ART や黄金町でも作品が展示されい
るそうだけど、そこまでは行けず。また森村泰昌さ
んは今回に備えて、世界の作品や作家に会っていき
はったけど、アジアまではカバーできなかったとか。

そこは、福岡アジア美術館と連携展示を依頼するこ
とで補完しているそうだ。#5福岡アジア美術トリエ
ンナーレ2014
といって、 11/30まで。

#5横浜トリエンナーレ2014 in 横浜美術館

2014-10-27 | art
来春開催予定のOpen Show CP+の打ち合わせ
に、横浜美術館へ行く。大雪で今年は中止に
なったことは、ここにも書いたけど、はるか
昔のことの様。

Open Show Tokyoの方は6月の山谷佑介さんを
もってしばらく場所探し中。第2回からずっとお
借りしてた東京都写真美術館が2年間の改修閉館
となったからね。



打ち合わせが終わって、横浜トリエンナーレを見
る。アーティスティック・ディレクターは森村泰
昌さん。現代美術のフィールドから「忘却」をテ
ーマに作品を世界から集めはった。

今回はいわゆる旬の作家を紹介するショーケース
ではなく、我々が大切だと思っているテーマを反
映するビビッドな作家たちを選んでいる。生と死
の関係を考えることは忘却というテーマを考える
上ですごく重要。

彼の視点が一貫していて、各エリアの説明も彼の
言葉だから、自然彼の声で読んでいるし、彼とど
こか対話している感覚を、作品をとおして感じる
のが、キュレーターとは違う。

たとえば、第二次大戦を翼賛した詩をかいた、高
村光太郎、北原白秋、佐藤春夫、三好達治、草野
心平らの詩集が「大谷芳久コレクション」から一
部が展示;



戦時下でベストセラーになったこと、だけど戦後は、
本人も社会も封印し、「忘却」の中に押し込められ
たこと、なんて初めて知る。「忘却」させれられる
仕組みへの批判なのか、忘れてはいませんよ、とい
うメッセージなのか。



会場の入口は、横浜美術館の無駄とも思える大空間
をうまくつかった、マイケル・ランディの《アート・
ビン》 2010

美術のためのゴミ箱で、作家が失敗作を棄てるとこ
ろという作品。高いところに登って、作品を投下す
るのはどんな気持ちだろう。会期終了が近づいたけ
どそんなに溜まっていない。平面作品ではなかなか
空間をかせげないとか。


福岡道雄《飛ばねばよかった》彫刻 1966

昭和40年の作品とは思えない。
吹き抜けの空間にうまくはめ込んだ、


林剛+中塚裕子 《法と星座・Turn Coat / Turn Court》 2014

ちょうど反対の半分を使って、テニスコート風なもの
が展開されている。

栗コーダーカルテット・ロバライブ

2014-10-26 | music
栗コーダーカルテットがロバライブに初めて
やって来た。リーダーの栗原正己さんは、さ
ねよしいさ子のライブをロバハウスで1997年、
98年に行った時にリコーダー演奏家として参
加して以来だから、17年ぶり!

そのユニット名を聞いてわからなくても、ピタ
ゴラスイッチの曲を知らない人はいないかも。



佐藤雅彦さんの番組が始まって10年だそうで、
毎日何回か栗コーダーの音楽がNHK教育から流
れている威力は、はかりしれぬもの。

テーマ曲を始め、番組の音楽の生演奏はそれは、
いいものだけど、合計4分にも満たないw全曲生
音は珍しいそうで、小さい箱のロバハウスなら
では。



ルネサンス曲の演奏は渋く、ジョーズやスター
ウォーズといったサントラものの編曲は脱力系
で笑えた。



これが最後の曲でアンコール、と思わせたところ
で、ロバの音楽座とジョイントで3曲。ショピン
のノノホさんが、「カントリーロード」を歌う。



結成20年だそうで、ベストアルバム2枚組も出し
はったとこ。ゆるい感じは変らないんだろうけど、
これからも楽しみ。


打ち上げの時の記念写真

自転車2台とも盗難→1台帰還

2014-10-25 | その他
この夏、自転車が立て続けに2台とも盗まれる。
1台目は7月のこと。国立駅北口に三浦屋ってい
う21時まで開いてるスーパーがある。

雨の降る20時過ぎ、仕事帰りで買物に寄る。3
品くらいしか買わなかったので、ものの5分もな
いのに、出口からでたら、自転車が消えていた。

一瞬、自転車で来なかったかと思ったくらい。呆
然と雨を見つめていた。鍵などほとんどしたこと
が無かったのに、盗るかねぇ。

防犯登録をしていたけど、連絡もないので諦めて
いて、もう1台の自転車でこの夏は過ごしていた。



それが、この自転車も盗まれる。しかも自宅で!
自宅に置いておいた自転車を盗るなんで、引越て
から初めて、というか前のアパート暮らしも含め
て盗まれたことは皆無。

やはり雨が降ってたので、ちょっと借用して乗っ
て行ったんだろう。許せん。



この自転車は、ここでも書いたけど、もう30年近
く乗ってる、頑丈で乗り心地もよく、いまではこ
んな自転車は作られていないと、修理屋さんも太
鼓判のものやったのに。。

ご近所さんに嘆いていると、わりと自宅自転車の
盗難はよくあるそうだ。いい自転車なんて買えな
いね。

でも諦めがつかないので、ふと国分寺市の施設で、
放置自転車等を管理・返還している場所があった
ことを思い出して、行ってみる。



線路沿いに広がるその場所へ行くと、ずらっとど
こまでも自転車が置いてある。これから探すのは
大変だけど、あるといいなぁと思いながら見ていく。

すると、なんと7月に盗まれた自転車があった!盗
難登録は剥がしてあったので(ヒドイ!剥がすなよ
なぁ)、通知が来なかったわけだ。

しかも2ヶ月たって引取りに来なかったので、3日後
に売却される運命だった。間一髪で救出できる。よ
く戻ってきた。自転車屋に行って籠をつけ、油を買
って注入してやる。

この調子でもう1台も見つかることを祈る。

ウィレム・デ・クーニング展

2014-10-24 | art
ウィレム・デ・クーニング(1904-1997)がまとまって見
れるのは、日本で初という企画展が、ブリヂストン美術館
で開催中
。1/12まで。

海外でもたくさん所蔵している美術館はあまりないのでは。
その点、本展はデ・クーニングの有数のコレクションをも
つアメリカのジョン・アンド・キミコ・パワーズ・コレク
ションから油彩、水彩、素描作品27点が来ている。



後半生の1960年代の女性像が中心。50年代のような激しさ
は影をひそめ、「溌剌として健康的、時に滑稽な性格を示
している。」(カタログより)。

だから、ある意味なごやかに作品を見ることができる。ブ
リヂストン美術館の奥の2部屋が展示場所で、静謐な空間で
椅子に座ってゆっくり眺めていた。



それだけに前半性の独特な作品群をいちど見てみたくなる。
2011~12年にMOMAで大回顧展が開かれたのは羨ましい。

いつか日本で開催されるといいなぁ。すばらしいサイト
まだ残されている。サイトに作品がタイムラインで分類
れてる表がある。



年代やテーマによって、彼が抽象と具象のなかで揺れ動い
た様子もなんとなくわかる。彼の作品の変遷は河瀬昇さん
「アメリカ現代美術は何を残したか」などにも詳しい。

ルーヴル美術館の銅版画・カルコグラフィー

2014-10-23 | art
大日本印刷が銀座で運営するデザインやアートのギャラリ
ーgggがあってときおり遊びに行くけど、その隣のビルに
Maison des Musées du Monde(メゾン・デ・ミュゼ・デュ・
モンド:MMM)」というミュージアムショップやライブ
ラリーがあるのは知らなかった。

ファサードは割と派手なのに、gggからあっち側にに曲がっ
たことが無かったんだね。



フランス国立美術館連合(RNN)と大日本印刷が2003年に
始めはった共同プロジェクトがMaison des Musées de France
(メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス:MMF)が前身で、
2013にMMMへリニューアルされたとか。

ルーブル美術館を始めフランスの美術館、大英博物館、ボス
トン美術館などのミュージアムグッズ販売が中心みたいで、
4階もあり、地下のライブラリーは無料なのになかなかの蔵書。



とても気になったのが、カルコグラフィー(銅版画)。
ルーブル美術館が所蔵する時代もテーマもさまざまな銅版
画原版を用い、ルーヴル美術館内にあるカルコグラフィー
工房
において、版画職人によって刷ってくれるサービスが
あるという。



これは『エジプト誌』のウニ。形も面白いし、いい刷り。
サイズ:75.6×56.9cm 24,840円は無理がないでしょ。

ナポレオンがエジプト遠征にあたり150名を越える学術調
査団も同行し、幅広い分野での調査を行わたとか。その
研究の記録がフランスの国家事業となり、約900点の版画
図版を含む全23巻の書物『エジプト誌』として結実。


長谷川 潔 《グラスに挿された野の花 (秋)》

1951年に長谷川潔がルーヴル美術館カルコグラフィー室の
ために彫った原版からの刷り。50cm×32cmで27,000円。
詳しくは、サイト参照のこと。

銅版が保存されているから、当時も今も、刷師によって同
じような版画をリーズナブルに楽しめるわけで、うまい仕
組みやなぁと思う。今ではその数、13000枚以上あるとか。



大日本印刷は、ルーブル美術館とデジタル化に関する共同
ラボを開設していたり、ルーブル内にショールームがあっ
て驚いたこともあったし、彼らのリリースを読むと、今で
は展示手法を開発展開しているみたい、詳しくないけど。

野村恵子「赤い水」回顧展的写真展

2014-10-22 | photo
写真家・野村恵子さんの写真展「赤い水」を銀座ニコンサロンで
見る。この2年に撮りためたものが中心だけど、2006年発表「Bloo-
dy Moon」、2009年「Red Water」、2012年「Soul Blue」といっ
たこれまでの写真も展示されていた。



テーマや撮り方が変わるわけでない。野村さんのスタイルは変わ
っていないから、展示の順番は撮影の月日などあまり関係ない。
一枚の写真どうこうではなく、一連の続きの中で見ていく作家だ
と思う。

とはいえ、展示されていたの2枚の写真は懐かしく感じた。冬青社
から出版された「Bloody Moon」は持っているので、そこからもセ
レクトされていたからだ。



この展示会を機に、2012年「Soul Blue 此岸の日々」を買う。 
売は赤々舎
だけど、発行のsilverbooksは写真雑誌『PHOTO GRAPHICA』
『写真画報』の編集者・沖本尚志さんが立ち上げた出版社。

その第一号の写真集が「Soul Blue」だから、気合が入っている。気に
入ってくださったんだろうけど、森山大道さんの解説や帯文がある。



最近はあまり出版されてないようだけど、先日のTokyo Art Book
Fair
には出展してはった。ニコンサロンでの企画展は11/4まで。