やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

自然エネルギーを住宅で考える新著

2009-03-31 | 建築
設計家の野沢正光さんとは最近仕事で
おつきあいさせていただいているのですが、
新著を読んで、わかっていないことが
いっぱいあったと膝を打つことしきり。

彼が設計した「木造ドミノ」という
自然エネルギーを上手に使った
パッシブハウスの販売を、
国立市の農家と定期借地という形で
今年から始めているので、
理解してる筈だったのですが・・

新著『パッシブハウスはゼロエネルギー住宅』は
特に熱と断熱に焦点をあて、
自然エネルギーを利用するエコロジカルな住宅でを、
快適な住宅を設計することに対して、
古今東西の野沢さんが選び抜いた建物を例にしながら、
新しい考え方がいっぱい詰まっています。

とくに知らなかったなぁと唸ったのが;

○断熱や気密が建築のテーマになるのは
  ヨーロッパも日本も約30年前と最近のこと。
○断熱材と始めとしたマテリアルが急速に
  パッシブに向けて研究開発が進んでいること。
○世界標準化の建築潮流は環境負荷がたかいので
  ローカリティ志向の住宅であるべきこと。
○制御、解析、分析など高度な精度技術が
  ますます有効になること。

野沢さんは普段通り静かにポジティブで、
「ゼロエネルギー住宅」の次に
エネルギーを外に供給する
「プラスエネルギー住宅」を予言するくだりでは、
彼のほほ笑みが目に浮かびました。

これからの建築を考えて行くうえで、
私にとって新たな道標になっていく本ですね。

会津 張り子のお面はスグレモノ

2009-03-29 | カルチャー
’ひょっとこ’のお面を会津みやげと
言ってCさんからいただく。

張り子と同じような作りなのだけど、
お面の部分は鼻からおでこまでを覆い、
口は自由に使えるタイプ。

うまくできてるのが、装着のためくっついてる手ぬぐい。
頭の後ろで結ぶことによって、密着感が高い。

かぶり物だと安定する代わりに、重くて息苦しいことが多い。
そんなに激しくも動けないし。

紐やゴムなので装着するタイプのお面は
軽いけど、激しい動きに弱い。

でもこのひょっとこのお面は、手ぬぐい方式によって、
かなりの動いても大丈夫。

’私の写真アルバム’というサイトには真ん中あたりに、
このお面をかぶってひょっとこ踊りをしている様子が
紹介されている。

どじょうすくいとかやってみたいなぁ。

循環農業な一日 その2

2009-03-28 | 農・生物
午前中は農家のお手伝い。いつも思うけど、
お手伝いとは言うものの、お茶しにいってるのか、
邪魔しに行ってるのかはわからなくなる。
ボランティアっていうのとも違うなぁ、
足を引っ張ることも多いし、教わってばっかりだし。

今日はマサキという垣根などによく使われる低木の剪定。
ミノウスバなどの虫がつくと群となって広がるそうなので、
早めに枝や葉を切り落として、風通しをよくする必要があるとのこと。

最初やっていたら、「もっとばっさばっさやって欲しい」と言われる。
低木とはいえ元気な枝葉を思いっきり切るのは難しい。
しかも樹齢50年と聞けば。

なかなか踏ん切りがつかなかったのが、
その言葉で「迷ったら切ろう」という一種のルールが確立。



午後は、六本木のミッドタウン d-laboという
スルガ銀行という銀行が主体とは思えない
不思議な活動での講演会を聴きに行く。

金澤一男さんとおっしゃって
秋田県鹿角市で循環農法に取り組んでる方のお話し。
車のセールスをするサラリーマンだったのが
50歳を過ぎてから農家に転身した方。

ディーラーの支店長という感じの説明口調が微笑ましく、
農家になって8年目になり、生き甲斐と自信に満ちた
お話しは面白かった。

循環農法なり有機農法をやってる方の数も少ない上に、
トークもできる方となるとホント少ない。

土にも触れたり、にんじんを洗ったり食べたりする
体験コーナーがなかなかいい。

白瀑という清酒に出会えたのも収穫。



埼玉県小川町で有機農業の先駆者の一人である金子美登さん。
今日は3回もお名前がでてきた。

この金澤一男さんが一年間研修を受けた方、
午前中の農家に来た農業大学院生が話を聞きに行ったところ、
そしてダイヤモンドの農業特集で紹介してたことが話題になってて。

なにか縁があるのかな。

早すぎる死を悼んで

2009-03-27 | 
レストランジャーナリストの大谷浩己さんが
亡くなった報を聞いてここ数日は
驚きとかなしみと思い出が交錯しています。

今日のお葬式はかなしい式でしたが、
大谷さんは近くでにこやかに
僕たちを見守ってる気がしました。

アスファルトから顔を出している草や
飛び交う小鳥たちに目が留まります。

Le Mange-Toutの谷シェフが、「これからはどこでも
大谷さんは覗きに来るから手をぬけないぞ」って
落ち込む料理人を励ましてました。

彼らにとって大谷さんが味見をするのは、
今までは食べに来た時だけでしたから。

あちこちで大谷さんとご一緒した思い出が去来しますが、
最初に出会ったのは、処女作の本『東京味』。

夕刊新聞ゲンダイの連載をまとめた単行本ですが、
読者へのサービス精神が溢れながらも、
独特のリズムと言葉に引き込まれました。

本中で紹介してあったお店にいっぱい行ったのですが、
それはどこか文章のリズムを味わいに
行っていたのかもしれません。

その後何度もお会いする機会が生まれるのですが、
『東京味』からのファンだったと伝えると、
はにかんだように嬉しがってた記憶があります。

実物は本の中とは全然違って、
いろんなジャンルの知識でみなを楽しませ、
おやじギャグをとばす大谷さんは、
ヨーロッパー人のようなホスピタリティと
江戸っ子のような歯にものを着せない
腹のすわった気味のよさと
いたずらっ気にみちた愉快な人でした。

ジョーサンプルの結婚式へテキサス州ヒューストンへ
一緒に行った時はなんといっても楽しかったですね。
詳しい顛末は連載中だったINVITATIONに載ってますが。

みなさんがパーティの料理の準備で大変だったときに
二人で抜け出してダウンタウンでランチを食べに行ったのは
幸せな時でした。

メニル美術館へ行ったとき
現代美術への理解の深さにも驚きました。

最後にお会いしたのは昨夏にパーティをやったときです。
映画監督のMichael Kastenbaumが来日した時に、参加いただきました。
その時の様子も昨日の時のことのように想い出します。

もうご一緒に食べたり飲んだりできないのですね。
お約束していた店々は代わりに行ってきますから、
ゆっくり休んでいてください。

心からご冥福をお祈りします。
新月の夜に、合掌。

五感がない世界

2009-03-25 | その他
センスやこだわりを気にすることが強くなっているから、
商品、サービスに始まって建築の分野まで
五感に訴えることが花盛り。

五感への興味・関心が強くなったのはなぜなんだろうか?
いろんな理由があるのだろうが、スピリチュアルブームにも
原因がありそう。

あの世があるとして、あちらに行けば五感というのは
働かないで、もっぱらシックスセンスがコミニケーションの
中心になるのではなかろうかと推察する。

たぶん、網膜がないから視覚はなさそうだし、
鼓膜もないから音も聞こえないんじゃないか。
そして触覚がないって思えるからだ。

もちろん、五感を補ってあまりある感覚がいろいろ
あるのかもしれない。

でも、僕たちが此岸で使える五感が、彼岸の世界では
無いとすると、今の内にしっかり五感を研ぎ澄ませ、
めいっぱい受容しときたいって、ちょっと思う。

「ヴィオラ・ダ・ガンバで世界の旅」コンサート

2009-03-22 | art
ガンバだけによる美しき女性4人編成の
神戸愉樹美ヴィオラ.ダ.ガンバ合奏団の
コンサートを久しぶりに聴きました。

日本の雅楽「越天楽」に始まって
J.S.バッハ「バビロンの流れのほとりに」
M.ラヴェル 「亡き王女のためのパヴァーヌ」
A.C.ジョビン 「イパネマの娘」
から現代音楽までさまざまな編集を楽しみました。

昨今はアメリカ公演が多くなったそうなので
その理由を神戸さんにお聞きしたんですが、日米の現代の曲を
ガンバで演奏することが喜ばれることで続いたとのこと。

今日のプログラムにあったD.ローブや廣瀬量平だけでなく
もっと多く現代曲をするそうです。現代アートが好きな
アメリカの国民性を垣間見ました。

驚いたことは、
1、ヴィオラ.ダ.ガンバはチェロと同時期に生まれた楽器
   チェロの前身である古楽器だと思っていたのです。
2、イタリアに15世紀末頃登場したガンバが1561年には日本に上陸
   ポルトガル人宣教師が大分県で披露した記録があるそうです。

循環農業な一日

2009-03-21 | 農・生物
午前中は久しぶりに近くの農家のお手伝い。
農薬や化学肥料を使わない循環農法&自然農法を
やってらっしゃる。

今日のぼくの担当は畝作り。
クワをえっちらこっちら動かし、耕していく。
生えてる草もそのまま土に混ぜ込む農法。

ミミズやいろんな葉っぱがでてくるし、見えないけど
無数の微生物が織りなす豊潤な生き物の世界。


小麦やライ麦も順調に育っている。

日本の農家が麦を作らなくなったのは、
収穫が稲作と重なるから、
作業が大変になるからだと教わる。

たとえば、麦を干す場所とっても
田植えのためになかなか無いのが都市農業で、
倉からちょっと出して日干しして、しまってという
作業だけでもとっても手間になるらしい。



お裾分けいただいた、ほうれん草、のらぼうを家で
早速炒めてランチ。とれたて野菜のなんと美味しいこと。

とれたてをその場で食べるというのが、野菜の理想の
食べ方とすると、日数がたてばたつほど、運搬すればするほど、
加工すればするほど、味もだけど、生命力が落ちていくって思う。



夜は循環農法を大切に思うご夫婦のお家におよばれ。
生命力溢れる野菜のおいしい料理を堪能する。

平松剛『磯崎新の「都庁」』はオススメ本

2009-03-20 | 建築
市庁舎のスタディーを進めているなかで、
軽い気持ちで手に取った本書は仕事を離れても面白い。

1985年の東京都庁のコンペをテーマにしながら
1,戦後の建築界を唸らせた丹下健三の快刀ぶり
2,丹下門下だった磯崎新が学ぶだけでなく影響も与えいった様子
3,1960年代にモダニズムが行き詰まった時の磯崎新の迷いと脱出
が印象的だった。

バブルの崩壊後、新世代の建築家が世界に
新しい建築を問うてきたことに関する続編が読んでみたい。

焦点は日本なら伊東豊雄か隈研吾と
その門下たちがいいと思うけど。


広州みやげ’涼茶瓜子’

2009-03-18 | 
広州は日米欧の小売業メジャーどころは殆ど進出していている。
コンビニもたくさんあって、ホテル近くの7-11へ行ったとき、
ジャケ買いしたのが、「涼茶瓜子」。

開封してみるとひまわりの種。
軽くミント味になっていて、なかなかいける。
中国では普通によく食べてるスナックらしい。

母へお土産に混ぜて送ったところ、
彼女は茶という文字があるので、お茶かな?
と思って急須でお湯を注いだらしい。
するとミントの味がしたっていうからおかしい。
ごめんなさい、ちゃんと食べ方を伝えていなくって。

知り合いに差しあげたところ、
このひまわりの種を知ってたっていうから驚き。

イタリアでは同名の有名映画のような
ひまわり畑を見たことがあったし、
日本や中国でも食べているから世界で広がって
いるのかと思ったら、原産は北米。

16世紀にスペイン人が大陸に持ち帰ってから
日本まで伝播していったそうな。

ひまわりも遠い旅をしたんだね、ごちそうさま。
ぱくぱく平らげました。

詩人小熊秀雄 絵画展

2009-03-16 | art
戦前の異色詩人、小熊秀雄が残した絵画展を
池袋の熊谷守一美術館の3階ギャラリーへ見にいく。

熊つながりではないが、小熊は熊谷を尊敬してたし、
池袋モンパルナスって言って池袋から長崎町あたりの
芸術家たちと毎日のように会ってたから、
熊谷美術館で開催することは意味があった。

小窓からの景色もあってて、こじんまりといい感じ。

身近な生活からのスケッチが中心だけど、
近道するためによく通りぬけた立教大学の
油絵はとってもよかった。

童話『焼かれた魚』か読んで、
1~2階で熊谷の絵も見て、美術館をあとにした。

今日が最終日なので残念ながらもう見れないが、
来春同じ頃にパート2を行う予定とのこと。