やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

ボリショイバレエ『スパルタクス』

2012-01-31 | art
ボリショイバレエの初日を観にいった。
『スパルタクス』というローマに対して
反乱を起こした奴隷たちを題材にした
スペクタクルなプログラムだった。

スパルタクスを踊ったイワン・ワシリーエフは
若手だそうだけど、舞台空間を自由自在に
飛びまわっていた。ほかみんな踊りがパワフル。



そういう直感的なすごさと、知的な演出が交錯。
反乱軍と正規軍のコントラストがはっきり。
衣装、踊り方、大道具、照明にいたるまで設定が
峻別されている。

だから反乱軍と正規軍が、闘いの場面で接触、
すれ違うときのあでやかさ、華やかさ。
2項対立するものがあるから、お互いが
引き立つんだね。



作曲はハチャトリアン。1956年のボリショイによる
初演時はふるわなかった本作が賞賛に変わったのが
1968年にユーリー・グリゴローヴィチが振付した
バージョンからだそうだ。今回も彼の演出!

1月2日が誕生日で85歳を迎えた現役。誕生日を
祝うポスターがロビーに飾られていた。今回の
来日公演は2/12まで続くけど、『スパルタクス』
『白鳥の湖』『ライモンダ』という3作品とも
彼の振付・演出だ。写真はこちらから。

第9回フォトグラファーサミット

2012-01-30 | photo
渋谷のOnAir-Eで開催された
フォトグラファーサミット
観にいく。寒いのに満員の人で
盛りあがる。東京での写真スライド
ショーイベントの草分け的存在。

はじまりは写真家が自作の写真を
見せ合う会で、20人位で始まる。
それが6回目の六本木SuperDelux
(キャパ200)の頃から入りきれな
くなったので、渋谷O-Eastへ移る。
年2回くらい開催のイベント。



前半だけ見るたんだけど、5人の写真家が
それぞれ発表を行う。司会はフォトグラファー
ハルさんと、女性のギャラリスト。ハルさんは
海外からの個展オファーが多くなってるそうだ。

さて発表者相澤心也さんはソープランド。
ソープって新規営業/建設はNGだと知る。
綾瀬凛さんはホスト。歌舞伎町でスタジオをもち、
イケメンをテーマ。杉山宣嗣さんはコスプレ。
1000人撮影しアプリも。

権徹さんは韓国から留学を機に写真を学び、
韓国人をテーマに歌舞伎町周辺を撮る。
撮り始めの1996年頃はまだ韓国人は少な
かったそうだ。

それが2002年日韓W杯で様変わりし、
写真で食べれるようになり、韓流ブーム到来。
とても多くの韓国人が来るようになる。。定点
観測のような視点に思えて面白かった。



前半のトリは境貴雄さんという現代アートの方。
小豆で作った髭をつける人をアズラーと称し、
アズラーが流行っているという架空の設定の
パーフォーマンスを行っている。これも面白
かった。休憩時間に撮影会をやってはったけど
長蛇の列!

4つのテーブルには写真集やジンが置いてあった
けどそこも人だかり。やっぱ参加型がキーかもね。

麻績村・雪道ドライブ

2012-01-29 | 
長野の麻績村に打合せで行く。
上田駅のみすゞ飴本舗を横目に車で
出迎えてもらって麻績村へ。冠着山の
峠越えというコースで行く。

高速道路には麻績インターがあるので、
車で行くと麻績村へのアクセスはとても
便利だ。でも上田駅から峠越えをしたのは
大正解。雪道だしね。

晴れていたのに標高があがるにつれて、
雪が降ってくる。山や木樹も雪化粧が
ほどこされ、灰色の空が背景に広がる。
時折みえる街や家々は雪に覆われ美しい。



スタッドレスタイヤのスズキのジープは
雪道をなんとも思わずぐいぐい登っていく。
季節がよければ自転車のサイクリングにも
いいのではと話もでたけど、アップダウンが
きつくて向かないそうだ。



生活ゴミの中間処理場も見せてもらったん
だけど、敷地は雪が車の窓まで積もってる。
その中をつっきるのは快感。ほわっとした
雪の感触が伝わる。

車がスリップして空回転した時でも、
しばらく雪中にいるのも悪くないって
思ったほど。押しましょうか・・なんて
言ってるうちに脱出。



市営の宿&レストランに連れていってもらう。
雪が降らなければ南アルプスの景色が見えたのに
残念ですね、と言われたけど、いやいや、この
雪景色はご馳走ですよって答える。

レストランも誰もいなかったのに、徐々に客がくる。
ウェイトレスさんに聞くと宿泊客や温泉客だそうだ。
それが団体が湧いたようにやってきて3組!
もちろん予約なんだけど、一瞬強力招き猫やと思った。

鈴木清順監督「陽炎座」

2012-01-28 | 映画
鈴木清順監督3部作の2番目、「陽炎座」を
見にいく。前回観た「ツィゴイネルワイゼン」
大ヒットを受け1年後の81年に公開。

観るのは初めてで遅まきながら
なんだけど。美しく妖艶な清順
ワールド炸裂やった。スクリーンで
清順好きと観るのはいい。



泉鏡花が大正2年に書いた「陽炎座」を
もとに監督が好きにイメージを膨らませた、
まさに「作品」。ストーリーや意味は考え
ることなく映像を浴びてた。

映像もだけど池谷仙克さんの美術も凄みがある;


撮影の永塚一栄さんは「ツィゴイネルワイゼン」
では手を抜いていましたから、こんどは本気で
やりますと。さぞ力が入った現場やったんだろう。

女性達の科白の強烈なこと;
(品子役 大楠道代さん)
「一生醒めなければ、夢は夢でなくなるのに」
「四度目の逢瀬は恋になります」
(みお役 加賀まりこさん)
「恨むも惚れるもおんなじことですよ、女にとっちゃ」

終了後、プロデューサーの荒戸源次郎さんに
よるトークショーを前回に引き続き聴く。

松田優作さんは、清順監督を尊敬していて、
「ツィゴイネルワイゼン」をバイクに乗って
見に来てくれたあたりから、次作は彼で
行こうって荒戸さんと清順さんで決めてたそうだ。

アクション俳優だった優作さんにとっても転機に
なった映画で、このあと「家族ゲーム」の主役で
脚光を浴びることになる。



清順監督は演技に注文をつけない方だそうで、
新劇の劇作家を演じた優作さんのあの演技も
彼が考えてきたモノだそうだ。

興行的には散々どころか、会社が倒産。
(3回倒産する1回目)だから「清順は偉い!
でも一緒にやるもんじゃないね」といいながら
「こんな映画を作れたことがとても誇りだ」と。
いい顔をされていた。

校歌について

2012-01-27 | カルチャー
校歌って人の名前に似ている。
作られたときの流行や時代の
空気をたっぷり吸っていて、
じょじょに変わっていく。
変えたいって思っても
簡単には変えれない・・

日本初の校歌は、お茶の水女子大学の前身
東京女子師範学校開校の際、1875年(明治8年)に
明治天皇の皇后が作ったものと由緒正しい。
作曲は宮内省。

みがかずば たまも かがみも なにかせん
まなびのみちも かくこそありけれ

これは、なかなか渋い。校名も地名もなにも
ない。学ぶことはみがくこと、という考えに
絞り込んだ潔さ。「みかかずば」の愛称でお茶の水女子
大学だけでなく、付属の小、中、高校もこれが校歌。



ロバの音楽座は立川の幸小学校のソバにあって、
よくその校歌を歌う。谷川俊太郎さん作詞、
先日亡くなられた林光さんの作曲。1973年。

わたしがたねをまかなければ
はなは ひらかない
ぼくが あしをふみだすとき
みちは かぎりない
じぶんでかんがえ
じぶんではじめる
幸小のわたしたち

これが1番。学びの本質をそっと子どもの心に
吹きかける。深い。2番、3番もいいので興味ある
方は、こちらから。

幸小のところを変えて他校で歌われることも。
谷川さんは校歌もたくさん作詞されてる。
こちらに一覧が。



校歌といえば高校野球。昨年の夏の大会に初出場した
名古屋の至学館高等学校の校歌が話題になってたね。
作詞・作曲 飯尾歩。

一番高い所に登って 一番光る星を掴んだ
一番辛い道を選んで 一番強い心をまとった
海を渡る風が吹いた カシオペアが近くに見えた

夢を追い続けた そしてここまで来た
でもどうしてかな 熱い涙が止まらない
うつむきかけた時 君の顔が見えた
差し出された白い腕が 翼に見えた



「夢追人」って別タイトルが校歌にあるのも
ユニークだし、校名も地名もないし、曲も
ポップ。

2005年に誕生したのは、至学館大学生だった
女子レスリングの伊調姉妹と吉田沙保里が、
アテネオリンピックでメダルを獲得を祝して
作られたそうだ。


光州事件の舞台化「ちゃんぽん」

2012-01-26 | art
第2回日韓演劇フェスティバルを観る。
日本演出者協会と韓国演出家協会が主催。
日韓の演劇文化の交流を深め、両国関係を
考えることを目的としている。

2009年に第1回が開催されて、今回は
東京、大阪、福岡で開かれるそうだ。
観たのは『ちゃんぽん』。

ご案内をいただいた広田豹さんが演出・出演の
「リーディング in ホワイエ」。
つまり台本を持ちながら、読み合わせ
をするような舞台稽古風なもの。

衣装、音楽、小道具は充実していたし、
ちょっとした演技付だったので、ないのは
大道具くらいで十分楽しめた。


広田豹さん

1980年の市民と軍隊の衝突「光州事件」を
笑いとばしながら真実に迫っていく。

どういう背景だかの説明も簡潔にされていて、
言論統制がなされたとか、軍事独裁政権だったとか、
予備知識なしでOK。

原作はユン・ジョンファンさん。2004年の初演以来、
韓国では何度も上演されていて小さい舞台だけなのに
観客は10万人を越えているそうだ。


韓国の舞台写真から。

中華料理店が舞台で、お金をためてやっと店を
もてた主人公が開店2ヶ月目で遭遇する光州事件の
数日間を描いた物。

戒厳令下、軍隊が市民を守らないどころか攻撃してくる。
主人公はうろたえ自分達や店を守ろうとするのが、
最後には店のスタッフで軍部の衝突にかけつける
変化が描かれる。

食のシーンも多い。韓国のちゃんぽんは唐辛子で赤い。
料理店のスタッフが軍部に尋問されて好きな料理は
ちゃんぽんと答えることで「赤だ、北のスパイだ」と
決めつけられる。



去年のニコンの第36回目伊奈信男賞の最優秀作品賞が
韓国の写真家李尚一さんで、光州事件をずっと追っている
作品だったことはここに書いた。

小説、映画、テレビをはじめ様々な形で取りあげられている。
人々の心の奥に沈んでいるんやろう。どう向き合っているの
だろうか。

外国重なりの日

2012-01-25 | その他
去年の秋、英語が重なった日のことを
書いたけ
ど、今日も重なった。

その時触れた、ドキュメンタリー映画監督は
Michael Kastenbaumさんっていう方なんだけど、
インドから連絡を今年になって初めてもらった。
それが重なりの引き金を引いたのかも。



続いてはサンフランシスコから。Open Showという
写真のスライドショーイベントの創始者、Tim
Wagner さんとメールをやりとり。



彼が3年前に立ち上げはったOpen Showは世界18都市に
広がっている。そうやって世界に広げようという考え方
や情熱はとても尊敬する。その東京版を立ち上げようと、
仲間たちと企画を練ってるところ。

アメリカの写真家に会う連絡も今日あったね。アメリカ人
なのに日本人同士の連絡も英語になってら。



それくらいでも、けっこう重なった日だけど更にもうひとつ。
アメリカから1昨年日本に移住したアメリカ人から、企画への
参加の打診をいただいたのも今日。

まだ内容はよくはわかっていないので、これから把握するん
だけど。

振り返ってみればアメリカ人ばかり。そうなんだけど、
イギリス製artisan biscuitsのクッキーを食べたことも。
イラストがクッキーの形や模様に具体化してるのが面白い。



天然歯ブラシ

2012-01-24 | カルチャー
雪は都心も積もったみたいで今日は
凍結した道路が車や人に影響してた。
何台もの車が難渋した坂もあったみたいだし、
転んで怪我した人が200を越えたそうだ。

雪国の人達からすると可笑しいだろうけど、
慣れていないから仕方ないって思う。
それと同時に雪というか水の力をまざまざ思う。



話はぜんぜん変わるけど、歯ブラシっていつ頃から
始まったんだろうってふと気になる。wikiでは満足
できなくって探していると、あったねぇ。
History of Toothbrush

歯ブラシ・ホルダーってまた、ニッチな
商品を作っているFlipperという会社のサイトに
ミュージアムコーナーがあって、歯ブラシの
歴史も詳しく解説。写真もいい。

紀元前3500年頃?のエジプトあたりで
使ったのが起源ではと書かれ、木の繊維で
歯を磨いたのではと。



そんな歴史を紹介しようって考えていたら、
なんと、木の歯ブラシはMiswakっていう
天然歯ブラシとして、イスラム圏で今でも
使われているって書いてある!



これはボクが知らない一人で、テレビでも
紹介されたかもしれないね。
Miswakでひけばでてくるでてくる。
ちなみにこのブログを引用すると;

Miswakには19種類の歯に有用な
天然成分が含まれている。 
天然成分が口内の有害な細菌の繁殖を抑え、
タンニン酸が歯茎を病気から保護し、
アロマ成分(精油)が唾液分泌を促します。 

通常の歯ブラシと異なり、Miswakは洗浄が不要で、
軸とブラシが平行なので容易に歯間に届きます。



こうやって売ってるそうだ。
どこかで手に入れて試してみたい。
日本人に合うかどうか疑問もあるけど。

祝!テニス錦織ベスト8

2012-01-23 | その他
都心は雪が降っても積もる気配は
なかったのに、国立駅で降りて驚く。
雪国だ。大通りは雪が消されているけど、
住宅街に入れば雪景色。

車も走っていないから、まさにシンと
してて静か。なぜだか計画停電の夜を
思いだす。



テニスの全豪オープンで、錦織圭が
JW・ツォンガ(フランス)と対戦し、
フルセットの末、ベスト8入りを決めた
ニュースで盛りあがっていた。

日本人選手としてはいろいろ記録ずくめ
だそうだ。なにせ相手はシード6。錦織は
シード24だから、番狂わせだし、凄い。
まずはおめでとう!



公式サイトではテキストベースだけど
速報を流していたのでチラチラ見ていた。
ファイナルセットまでもつれた時は
ドキドキした。ラジオ放送もあるんだけど
残念ながら女子の試合中継だった。

勝因はいろいろあるのだろうけど、
体力と戦術の両方が指摘されていた。
伊達公子と組んだダブルスも勝ち上がって
いるから、今日は3日連続の試合、それでも
最後まで体力が落ちない。

明日のダブルス、明後日のシングルで5
日連続試合を行うことになるそうだ。
健闘を祈る。



もうひとつの勝因は戦術の変化。去年から
ブラッド・ギルバートにコーチを依頼。
アガシらを育て『ウィンニング・アグリー
(格好悪く勝つ)』の著書を持つ彼から
学んだのは守備の大切さだそうだ。

記録をサイトにあたると、際だった違いがあるのが
以下の点だ;

       錦織(JPN)       ツォンガ(FRA)
1st Serve % 82 of 125 = 66 %    85 of 144 = 59 %
Aces      1           13
Unforced Errors   30           70
Fastest Serve Speed  197 KMH       224 KMH

相手は早いサービス力をもちエースも13もとれる(錦織は
1つ)けれど成功率が低い。大きな差が自分のミスの差で
30対70。いかに錦織がミスを少なく固い試合運びをして
いたかわかる。

コーチの本『ウィンニング・アグリー(格好悪く勝つ)』
日本文化出版 (1997)は絶版だけど、高評価。
再版か文庫化が望まれる。

ハイライト映像も公式サイトに載ってるね。
写真も公式サイトから。


黒べぇ、待ってるよ。

2012-01-22 | その他
新年になって家に何度も来る黒い猫がいる。
うちの2匹の猫(とくにチャミ)は猫が来ると
大騒ぎで、うろうろ動きを早め、うぉーうぉー
って吠える。

だからかどうかわからないけど、寄りつく猫は
いなかった。遊ぼうって言ってるのかもしれない
けど、友好的な感じはない、って感じるw
猫同士はどうなのか、わからない。

それがその黒い猫は2~3度来たので、黒べぇと
名付ける。

猫たちも少々気になると見えて、外を探す様に
見はっているシーンを見かけるようになる。

これはと思い立って、エサを少々あげること
にした。飼い猫の様だったから食べるかなぁと
思っていると、食べに来た!



来ると黒べぇが来てよかったねと猫たちと喜び合い、
来ないと黒べぇどうしてるかねぇと言うようになる。

だんだん猫たちも吠えなくなってきたし、相変わらず
そわそわするけど、黒べぇもゆっくり座っている
時間が長くなってきた。



仕事へ行く前にエサを置いておき、帰ってくると
エサをみるのが楽しみになる。無くなっている日は、
黒べぇが来たんだね、挨拶した?と猫たちに聞き、
無くなっていないと、黒べぇ来ないねぇと。

友達が増えるのは嬉しいんだろうなって思う。
人間もちょっと嬉しいや、黒べぇが来ると。
黒べぇ、待ってたよって声をかける。

まだ窓越しだけど、春になったらもっと
接近できているといいなぁ。