やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

かわいいデザイン、かわいい建築

2009-12-05 | 建築
真壁智治さんの新著『カワイイパラダイムデザイン研究』を
読んだ。かねてから予告をご本人からお聞きしていたので、
9月に発売されるや否やアマゾンで買ったのね。

届いて驚いたのはその分厚さ!
400pもある。

小さきモノはみなカワイイのに
カワイクナイやん~って思ったのが第一印象。

しかも内容は多岐にわたり野心的な内容だったので
おいそれとは読み進められなかった。

要約しにくいが、デザインと建築において、
どういうものがカワイイとされるのかという
カワイイ基準構築と、個人と社会の関係性における
カワイイの役割や可能性について多岐にわたる方法論で
迫っていく。



真壁さんのカワイイパラダイムの視点はここ2~3年に
かけて表明されてきた。

大学のゼミでじっくり考えを掘り下げながら、
1年前位の雑誌『新建築』の巻頭言を4号連続で飾った。
「カワイイ建築の地平」というタイトルだったが、
業界関係者への布告だったのかもしれない。

その後シンポジウムを開催し、デザイナーや建築家へ
カワイイコトを多角的な視点から論じていって
話題をさらった。



女子たちから広がっていったカワイイ価値観は
カッコイイという男子てき父系社会から
母系社会への移行を示唆している点。

環境再生と心の再生をつなぎ合わせることに
カワイイなら力を発揮するという点など、
新しい視点が示唆に富む。



デザインや建築においても
きわめて個人的な主観であるカワイイが
おおいに使われていて、
それは対象の評価ということより
他者との関係性における共振性に
あるのかもって思ったりする。


また他人との共感を得ると同時に、
関係性の確認とつながりながら
楽しく自分が変われるものへの力を
カワイイという言葉がちつつあるのかもしれない、とも。

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