除夜の鐘が響くなか、小林秀雄の講演集
『信じることと考えること』を聞き直していた。
ついつい聴き入ってしまう話し方だ。
その中に、小林が尊敬する哲学者
ベルグソンからの引用がある。
☆
あるご婦人の夢の話。戦地に赴いた夫が
戦死する生々しい光景をみる、いわゆる
虫の知らせが来る。
その通りのことが不幸にして起こっていて、
介抱した同僚達の顔まで当たっていたそうだ。
それに対して医者であり学者であった方が、
それは本当かもしれない、けど、問題が
あるって言う。
たまたま偶然にあたった方だけとりあげて、
無数のあたらなかった夢、正しくないまぼろしの
方をとりあげないのは問題だろうと。
☆
確かに、あたるほうが少ないと小林は言う。
夢は無数の間違いの方が多いだろうと。
でも、いろんな現象の具体性を
正しいか、正しくないか
主観的か、客観的で問うこと
科学の方法論に過ぎない。
死んだか死なないかという抽象的問題ではなく
婦人は自分の経験を話したんだと。
☆
うまく消化できてへんけど、印象的なんだなぁ。
一回しか起こらないことの方が面白い僕にとって、
再現性がないと対象にならないっていう科学は
やはり別の世界。
もちろん科学の恩恵は多大にいただいているけど、
考え方は少々あいれない。
☆
宗教人類学者の植島啓司がインタビューで;
「宗教と科学は何が違うかといえば、
反復可能性、実証可能性の問題に尽きます。
科学では同じことが2度起こらないと証明になりません。
しかし、宗教的なことがらは1回しか起こらない。
仏陀の悟りもイエスの生涯も1度きりです。
宗教はずっと“1回性”を問題にしている。
だから宗教と科学は永遠に交わらない。」
☆
人生、おもしろく、一回性にかけて・・・
みなさん、よいお年を。
『信じることと考えること』を聞き直していた。
ついつい聴き入ってしまう話し方だ。
その中に、小林が尊敬する哲学者
ベルグソンからの引用がある。
☆
あるご婦人の夢の話。戦地に赴いた夫が
戦死する生々しい光景をみる、いわゆる
虫の知らせが来る。
その通りのことが不幸にして起こっていて、
介抱した同僚達の顔まで当たっていたそうだ。
それに対して医者であり学者であった方が、
それは本当かもしれない、けど、問題が
あるって言う。
たまたま偶然にあたった方だけとりあげて、
無数のあたらなかった夢、正しくないまぼろしの
方をとりあげないのは問題だろうと。
☆
確かに、あたるほうが少ないと小林は言う。
夢は無数の間違いの方が多いだろうと。
でも、いろんな現象の具体性を
正しいか、正しくないか
主観的か、客観的で問うこと
科学の方法論に過ぎない。
死んだか死なないかという抽象的問題ではなく
婦人は自分の経験を話したんだと。
☆
うまく消化できてへんけど、印象的なんだなぁ。
一回しか起こらないことの方が面白い僕にとって、
再現性がないと対象にならないっていう科学は
やはり別の世界。
もちろん科学の恩恵は多大にいただいているけど、
考え方は少々あいれない。
☆
宗教人類学者の植島啓司がインタビューで;
「宗教と科学は何が違うかといえば、
反復可能性、実証可能性の問題に尽きます。
科学では同じことが2度起こらないと証明になりません。
しかし、宗教的なことがらは1回しか起こらない。
仏陀の悟りもイエスの生涯も1度きりです。
宗教はずっと“1回性”を問題にしている。
だから宗教と科学は永遠に交わらない。」
☆
人生、おもしろく、一回性にかけて・・・
みなさん、よいお年を。