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ねがうこと、ゆだねること

鈴木清順監督「夢二」

2012-02-04 | 映画
鈴木清順監督3部作の最後「夢二」を
観にいく。昨日はユーロスペースの
最終日。「ツィゴイネルワイゼン
陽炎座」と順に観たから、新年なんか
達成感がある。。



「陽炎座」が興行的にこけて、プロデューサ
荒戸さんの会社は倒産に追い込まれる。だから
「夢二」が公開されるのは10年後の1991年。

でも早い段階から企画を練ったそうだ。
逞しいというかたいした物。その直前の
1989年には、『どついたるねん』を制作して
成功。監督阪本順治と俳優赤井英和のデビュー
作で、原宿のテント観にいったねぇ。



10年練った分、清順ワールドが大炸裂。美術、
水、風、古い建物、紙風船、ボート、森、馬
・・などがシュールに立ちあらわれる。

沢田研二演じる夢二が、原田芳雄演じる富豪と
その夫人(毬谷友子)をめぐる創作の苦悩の
物語なんだけど、その構図は「ツィゴイネル
ワイゼン」と似る。



ボートひとつとっても、夢二が乗るボートが
漕がないのにするする湖を動いたり、夫人が
乗ったボートが回転して湖上に立ち上がったり
夢二と夫人が殺人鬼(長谷川和彦)に命じられて
ボートを漕ぐなど印象的なシーンが満載。

元宝塚の毬谷友子は映画初出演だし、坂東玉三郎が
男役として初出演(画家の役)と話題性もあったのに
またコケル。それでも三作作れたんだし、独創的な
映画があることはちょっと誇りだし、こうして楽しめる
のは嬉しい。