昨日一日何をしていたのかすっかり忘れている。いや、一人でコンビニまで買い物に出て……あ、そうだ。文藝春秋の最新号を買ったんだっけ。コンビニで文藝春秋を買う奴は珍しいだろうけど、駅前の本屋に行く歩行能力は今日の俺にはない。そしてついでに六個入りレディボーデンを買う。文藝春秋とレディボーデン、どちらが目的でコンビニまで行ったのか分からない。帰り道、杖をついてよろよろ歩いていたら、雑貨屋の親父さんが/今日はお一人ですか?いつもの美人さんは一緒じゃないんですか?と聞いて来る。リハビリ療養士のTさんのことだ。/彼女は週二回来てくれる療法士ですよ。/そうだったんですか。いつも仲良く買い物しているから私はてっきり……/だったらいいんだけどと話を打ち切り、ヨロヨロ歩いて部屋に辿り着く。そこから……まだ寒いのにアイスクリームを食べながら文藝春秋の「小池百合子元側近の爆弾告発」を読んだことは思い出した。その後、夕飯に何を作って食べたかは朧。テレビも何を見たのかも朧。来ていたセーターに涎の後があるから何かテレビを見ながらよくいるおじいさんみたいにうたた寝していたんだろうと推測は出来る。でもそろそろそんな「おじいさんごっこ」はやめにしたい。俺にはまだやらなくてはいけない「若者ごっこ」があるんだから。