「高知ファンクラブ」 の連載記事集1

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三郎さんの昔話・・・栗本半蔵

2010-11-25 | 三郎さんの昔話

栗本半蔵

 栗本家の本家は伊予西条の家老職で、半蔵さんは栗本家の別家で、剣道の達人で剣道の指南職で暮らしていたが、明治維新が来て、士農工商の廃止となった。
 本家は資産もあり、岡山に移り住み、良い暮らしが続けられた。
 半蔵さんもどうにか暮らしていたが、隣からの火が燃え移り火災に遭い、家屋敷丸焼けで、焼け跡に小屋を造り細々と暮らしていたが、侍の年寄りには出来る仕事もなく、生活が成り立たず、長女の縫と腹違いの弟夫婦らにその子供一人の四人連れで身をよせ、百姓を手伝い過ごしていたが、寿太郎夫婦にも子供が多く、小百姓で大所帯の暮らしはなかなか。
 そのうちに弟らには子供も出来て生活が困難となり、仕方なく半蔵さんを縫のところに残し、弟らは岡山の親戚を頼って大石を出て行った。
 その後半蔵さんは、長女縫のもとで、孫らを相手に隠居きめこみ、静かに生涯を終わった。
 もと侍の半蔵さんが孫の数元に言ったことは、剣の道は戦時以外は人を斬るのではなく、我が身を護るための武術であると。男は家の敷居を一歩出るや、七人の敵ありと。「気、動、色、食、心」、気の字を長く書く、動の字をがっちりと書く、色は薄墨で書く、食は小さく書く、心は大きく書く。
 その読みは、気は長く、勤めは堅く色薄く、食細うして心太かれ、と。

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