ぬめりの王様
うなぎ、納豆、おくら、里芋、山芋、昆布など、ぬめりのある食べ物は日本人の食生活には欠かせない貴重な健康増進食品だが、ナメコなどぬめりの多いキノコもそのグループになる。ヌメリと名の付くキノコは20種近くあるが、ヌメリをアブラ(油)と表現したムラサキアブラシメギモドキといった長すぎる名前のキノコやヌナワタケのようにぬめりのある植物に見立てて、ヌナワ(ジュンサイ)の名を使ったものなどを加えるとかなりの数になる。その他、ぬめりがあっても名前に使ってないものも沢山あるので、ぬめりのあるキノコは数十種類になる。
数多いキノコの中でもナメコは特に人気が高く、キノコ狩りで見つけた時には皆んなから思わず歓声が上がる。四国ではブナの枯れ木に発生するので標高1、000m以上の山でないと採れない。量販店で売っているのは菌生(おがくずを固めたもの)栽培だが、シイタケと同じようにほだ木栽培も可能で味はこちらが上位である。シイタケ栽培よりも簡単で、切り倒してすぐに植菌すると良い。各種広葉樹に森林組合などで扱っている種駒を春に植菌すれば、翌年の秋には発生する。
登山途中でも見つけることがあるが、傘が開いたものはナメコと同定するには少し経験がいる。傘が開く前のくりくり坊主の時はゼラチン質の膜に覆われてヒダが保護されているが、この膜は傘が開くにつれて傘から離れて柄に付きツバとして残る。群生するので収穫量が多く仲間と山分けできるので有難いのだが、慣れない内は誰かに確認してもらうのが先決になる。
傘が開く前の幼菌を使ったナメコ雑炊とナメコ山掛けうどんは絶品で病み付きになる。
ナメコ雑炊・・・ご飯は洗ってざるで水切りをしておく。ナメコと具材(鶏か白身魚など)を薄口醤油のだし汁で煮る。火が通ったらご飯を入れネギかニラを散らす。
ナメコ山掛けうどん・・・薄口醤油のだし汁でナメコをさっと煮る。どんぶりに入れたうどんに掛け、その上に下ろした長芋を掛け卵の黄身を乗せネギを散らす。
森ときのこを愛する会 島崎俊弘
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