「高知ファンクラブ」 の連載記事集1

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三郎さんの昔話・・・プップー兵太

2010-11-26 | 三郎さんの昔話

プップー兵太

 昔ある村に、のんきできさくな兵太とゆうお百姓がいた。
 野良着にかるさんをはき、腰にたばこ入れの大きな どうらんを差しぶらさげて、ほうかむりで鍬をかつぎ、畑の行き来によく通る道々、鼻歌機嫌でいつも大きなへぇーを歩くたんびにプップー、プップープのパァー、と愉快に屁えをこきながら通る。
 ひょうきんな兵太。ある時名主が兵太に、「おまやあ何時もプップゥ、プップーと人前でもどこでも、屁えをこきよるが、はずかしゅうはないか」と言ぅたら、兵太はにやりと名主の顔を見て言うこと、「屁えをひって、かならず恥と思うなよ、屁えは鳴り物の王なるぞ、おなかがすいて気が晴れて、琴と三味線と異なりて、匂いの出る音ほかに無し。」まだあるぞ、「公家も旦那もお女郎まで、プゥッ、スゥーと屁えこかぬ人は、広い天下に一人も無しと学者が言うた。」はっはっはーと高笑し「ラッパの鳴りは身体の調子よ。」といいながら、プップゥープー、パァーと、ひときわ高く吹き鳴らしながら、行ってしもた。
 名主は頭をかきながら、「兵太のやつに一本取られたわ」と。(屁えとはおならのこと)。

 余談。
 あるお見合い席、婿方は若いしと仲人のおばはん。嫁方は娘とその父母で、五人でささやかなお見合い。
 若い二人、初めの内は少し緊張していたが、話進むうちにややくつろいでうちとけた。その時小さい音で「プゥー」とおならの音がした。皆が顔を見合わした時、娘が恥ずかしそうに、「まあお父さん、いや」と言うと、父親は頭をかきながら、「こりゃ何とも失礼しました」と苦笑い。無事に婚約は成就した。
 これは娘の才知で、恥を父親が受けた。婿も気づいた。この娘は健康で賢いと惚れてしもた。

◎「屁えは健康のバロメーター」
 「でもの はれもの、処ろきらさず」とか。

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