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原発マネーに寄生する人々 - 原子力立地給付を独占する経産省OB、原発交付金で養われる自治体職員

2013-01-08 | いとすぎの見るこの社会-コミュニティ関連
朝日新聞の報道によれば原発交付金事業は経産省の天下り法人が独占し、
経産省OBが業務丸投げで高給を受け取っていたと言う。

また、毎日新聞の報道によれば福島・福井の6つの原発立地自治体では
自治体職員の人件費の3割以上を原発交付金によって賄っているとのことだ。

原子力関連分野においては至る所でこのような腐臭の漂う事実が出てくる。
特に補助金・交付金・寄付金等のカネの流れを見ると、
電気料金を占有して業界の維持拡大を図る巨大な政官財複合体の姿が現れる。
不気味なことに、カネを受け取っている者は決して自らの利害関係を語らない。

当ウェブログが何度も繰り返してきたように、
原子力は「合理的なエネルギー政策ではなく単なる利権に過ぎない」ことは
ほぼ立証されたものと言って良かろう。

「再稼働を望んでいるのは原発でカネを貰っている連中である。
 金蔓として望んでいるのであって、国民のためではない」


このような腐敗した構造は遅かれ早かれ崩壊するものである。

もし立地自治体の幹部に先見の明があるならば、
原発停止による巨大な財政リスクを低減するために
風力・新型ガス火力・バイオマスコージェネ等にシフトし、
ガス供給基地建設の可否を検討し始めたであろう。

殆どそうした動きが見られないということは、
原発と一緒に衰亡する道を選択したと考えざるを得ない。

 ↓ 参考

大間原発建設再開の理由は「原発マネー中毒」- 第二の福島原発事故が起きないと目が覚めない自治体
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/39d660d80b070df8a6c9cbaba5255416

全く反省なき自民党、安全性を軽視し原子力規制委を恫喝-「安倍政権の方針通り3年間で審査を終えるべき」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1d6a26e97aee09ac052c39124e5fc3a3

▽ 日本のエネルギー政策は、原子力関係者に牛耳られオープンな議論を排除してきた

『新版 原子力の社会史 その日本的展開』(吉岡斉,朝日新聞社)


原発給付金事業、22年間独占 経産省OB天下り法人(朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/0103/OSK201301020115.html
”【大谷聡、白木琢歩】原発近くの住民に現金を支給する「原子力立地給付金」制度で、経済産業省OBが天下っている財団法人「電源地域振興センター」(東京)が、給付金の交付事業を22年間独占して自治体から請け負ってきたことが朝日新聞の調べでわかった。センターは交付実務を電力会社に再委託し、2010年度で約3800万円の差益をあげ、OBらが役員報酬を得ている。
 給付金は、国が電気料金を原資に原子力関連施設の立地自治体と周辺自治体に払う「電源三法交付金」の一部。朝日新聞が関係する14道県に取材したところ、いずれの自治体も住民への交付事業をセンターに請け負わせてきた。12年度から事業者の決定を公募に切り替えたが、14道県とも応募したのはセンターだけだったという。
 センターは、事業の計画作りや道県への実績報告などを除き、給付額の計算や払い込みなどの交付事務を電力会社に再委託している。自治体から受け取る補助金と、センターが負担する事業費の差額は、10年度決算で約3800万円だった。理事長は、1990年の設立から4代続けて経産省(旧通産省)OBが就任し、現職の新欣樹(あたらしきんじゅ)理事長(09年7月就任)は元中小企業庁長官。公表資料によると、理事長は常勤で年収1658万円と規定されている。〔以下略〕”

福島事故以来、国民からの信頼が地に墜ちた経産省であるが
情けないことにまたしても自浄力の欠如を立証した。

経産省の外郭団体が原発再稼働を狙って
必死でプロパガンダを展開する理由はここにある。
国民のためなどではないのは明らかである。
税収に巣食うための手段として原子力を正当化しているだけだ。


原発交付金:6町で人件費の3割以上依存 楢葉町は9割超(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20130102k0000m010027000c.html
原子力発電所(福島第1原発を含む)が立地する全国21市町村のうち、福島、福井両県の6町が11年度、職員の人件費の3割以上を電源3法交付金で賄っていたことが、毎日新聞の取材で分かった。
〔中略〕
 人件費は任意に削減できず、義務的経費と呼ばれる。福島第1原発事故後に脱原発の機運が高まる一方、立地自治体が再稼働を求める動きが広がっているが、財政面で原発依存から抜け出せない背景が浮き彫りになった。
 3法交付金の多くは前々年度の発電量に応じ算出され、11年度は福島第1原発事故後の原発停止の影響を受けていない。経済産業省によると、3法交付金は行政職の人件費に原則として使えないが、公共施設の職員には使える。また、東日本大震災後、被災地に限って復興に携わる職員の人件費にも充てられるよう制限が緩和された
 人件費に充てた割合が最も高かったのは、町職員の人件費8億5431万円の94%に当たる8億216万円を充当した福島県楢葉町だった。【柳楽未来】”

原発立地自治体が再稼働に固執する理由はこれである。
交付金が「前々年度の発電量に応じ算出」ということは、
2013年度から甚大な影響が出てくる。

原発立地自治体がエネルギー政策あるいは電力供給への貢献を考慮して欲しいと
強く要望している理由は明らかである。カネが入ってこなくなるからだ。

もとより原発立地自治体が原発再稼働を望むかどうかは自由であるが、
再稼働によって幾らカネを受け取るのか、そのカネをどう使っているのか、
原発立地自治体は有権者に対して説明責任を果たすべきである。

受け取るカネには口を閉ざし、原発再稼働が国民のためであるかのうように
欺瞞的な主張を繰り返すならば、国民から不信を買うだけである。

▽ 原発立地自治体は、原発関連補助金がなければ財政が潰れる

『原発を終わらせる』(石橋克彦ほか,岩波書店)


▽ しかも地域経済では原発への依存度が高まり中小企業は成長しない

『福島原発の真実』(佐藤栄佐久,平凡社)

原発立地自治体は刻々と夕張への道へ進み始めている。
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