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『週刊東洋経済』3月9日号 - 株高でも「国内は空洞化」、内需低迷がGDP低迷に直結

2024-03-07 | 『週刊 東洋経済』より
今週は東洋経済のメイン特集以外が良かった。
先週、「GAFAMの足元にも及ばない日立特集」
「サブ特集の「グローバル化の裏で国内空洞化」の方が重要」
と書いたのは間違いではなかったと思う。

メイン特集は誌面ではかなり褒めているが
オンライン記事では表向き言いにくいことを暴露し
日立社員が高給で外資に引き抜かれているとしている。
(つまり日立の待遇が劣っている訳である)

エントリーのサブタイトルは18頁より、
編集部の野村氏が「グローバル化の裏で国内空洞化」と題し
日本のGDP低迷は内需低迷とほぼイコールで(矢張り、である)
企業がグローバル化に適応しようとしても国内に恩恵は乏しいことを
詳細な数値を挙げ示している。
(当ウェブログのアベノミクス批判が正しかったという傍証であろう)


11頁では政府のマイナ保険証が「総点検」後も相変わらず
トラブル続きであることを伝えており、矢張り特集以外の記事が良い。

『週刊東洋経済』2024年3/9号 (シン・日立に学べ)



佐藤優氏の連載は懐かしい、ソルジェニーツィンのソ連解体論を取り上げている。
但しプーチンのキーウ攻撃大失敗でロシアはウクライナと敵対関係になっており、
ソルジェニーツィンの考えた以上にロシアは衰退していると言うべきだろう。
ところが氏はウクライナをガリツィアだけに矮小化して情報にスピンをかけており
リテラシーの低い読者だとうっかり煙に巻かれてしまいかねないので要注意だ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドのメイン特集は労作であるが
サ高住の悪質業者について深掘りが足りないと思う。
外国人労働者の受け入れで問題が解決する筈がなく、次回に期待したい。


また、巻頭で日本の半導体関連企業の地位低下しているとの
重要な指摘があり(「34年間で凋落した日の丸半導体」)、
今後もこれは揺るがない事実であり続けるだろう。
熊本を見れば、日本経済に対内投資が足りなかったことは明白だ。
一刻も早く投資庁を設立し保身経営者を淘汰すべきであろう。

『週刊ダイヤモンド』 2024年 3/9号 (後悔しない医療・介護)


池上氏の連載は中々良かった。
もはや「隠れ」ではなくなったトランプ支持者は日本にもいて
トランプに批判がましい発言をすると抗議されるようになったとか。
コロナ禍でこの老人ポピュリストがいかに愚かな対処をしたかを忘れた、
所謂「B層」の所業であり相手をするのも徒労だろうが、
日本社会の「民度」維持のためにも彼らの愚行を公表し
世間に警鐘を発することは必要であるばかりか、不可欠である。

対照的に、今週も最も宜しくないのは佐藤優氏の書評だった。
本の内容と関連の薄い自論を挟んでくるのが氏の通弊で、
何もできない立場なのに世界大戦を防がなければという感じの大言壮語。
ロシアがウクライナ相手に大損害を受け北朝鮮から助けて貰っているのに
世界大戦など起きる訳がない位のことは理解して欲しいものだ。

あとさいたまの公立の英語力を賞賛しているが
まだ客観的に成果を評価できる段階ではない上に。 
教育学での実証研究の難しさも理解していないようだ。。

    ◇     ◇     ◇     ◇

エコノミストのトランプ特集には期待したが、もう一つというところ。
ガザ問題は遠からず停戦(軍事的にはイスラエル勝利)になるから
バイデン劣勢は幾分か緩和される筈で、その後が重要だ。

今回の特集にあるように黒人層がトランプ支持に回るという
いかにも米有権者の劣化を示す現象が起きているのは重要だが
民主党も馬鹿ではないので半年もあれば巻き返してくるであろう。


メイン特集後半で驚いたのが元外務省の東郷氏で、
何と!ブチャ虐殺はウクライナが「誇張」しているという
とんでもないことを書いている。
祖父の東郷外相が大戦時に対ソ和平交渉で大失敗し、
多くの日本人がソ連軍により悲惨な死を遂げたのを忘れたのだろうか?
ウクライナ政府も大使館も須く抗議すべきであり、これは
日本は満州での日本人虐殺を誇張していると我々が言われているのに等しい。

ウクライナでの民族分布についても「25%~75%」という怪しい数値を
用いておりウクライナ中部や南部でのロシア語話者の少なさを隠蔽している。
東部ドンバス周辺を除きロシア語話者が少数派であることは統計上明白であり、
ホロモドールの歴史も完全に無視している点で全く評価できない。

『週刊エコノミスト』2024年 3/12号【特集:トランプ再び】


74頁のエコノミスト・レポートは良い。
ニッセイ基礎研究所の坂田氏の分析で、
若年層の貧困が増加、格差が拡大しているとの指摘だ。
2021年の格差拡大は明らかに安倍・菅のコロナ対策大失敗の影響だが
「高齢層中心の再分配」だからという説明は正しい。
但し正規・非正規の違いだけでなく学歴と業種の影響の方が大きい
(市岡繁男氏の連載にあるように、円安・物価高の悪影響も考えられる)
高学歴・高所得の執筆者には触れにくい点だろうが、次回に期待している。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は東洋経済に注目、株特集で「4万円時代」と掲げたのが皮肉で日経先物は現在暴落中。。

▽ 重要なのはサブの「地震と原発災害」の方、「志賀原発の周辺でも地震性隆起の形跡」とか(案の定である)

『週刊東洋経済』 2024年3/16号 (株の道場 4万円時代に買える株)


▽ 野村総研の木内氏は、株高の原因が円安と金融緩和であり「今春にも株価"逆回"リスク」と喝破

『週刊ダイヤモンド』2024年3/16号 (日本株 沸騰!)


▽ エコノミストもこの状況、新NISAの人気ランキングだけは見ておくか。。

『週刊エコノミスト』 2024年3/19・26合併号【特集:株価4万円突破! 勝つ投資】

市岡繁男氏が「日本株のピークは近い」としている。。
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