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JX日鉱日石、石炭火力並みの低コスト火力発電を開発 - 石油精製の際の副産物を賢く有効利用

2013-06-06 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
電力利権勢力が既得権を守るために石炭火力の新設に動いている。
石炭火力ならば「天敵」であるガス火力とガスコージェネを押え付けるのに便利な
コスト競争力を持つ上に、新電力を市場から排除し事実上の市場独占を維持できる。

環境政策への理解が浅く旧来型大企業の保護政策をとる自民党が
敵失に乗じて政権を奪取しているため、その動きに拍車がかかっている。

しかし結局、既得権擁護勢力は合理性と技術革新に破れることになりそうだ。
JXが石油精製の副産物を用いた新型火力発電技術を開発し、
千代田化工が工場で発生する水素を用いた水素発電を実用化したからだ。

ともに低コストかつ準国産(ウランと違い国内調達可能)の新エネルギーである。
技術進歩の遅い石炭火力と違い、こちらはコージェネレーションの拡大余地も大きくなる。

「既得権が勝てば日本の経済成長は抑えられ、ガスが勝てば成長率が改善するであろう」

と当ウェブログは以前指摘したが、ガス以外にも石油副産物の火力発電や水素発電という
強力な新勢力が加わったため、利権勢力は後退を余儀なくされるであろう。

日本経済にとっては間違いなく良い話である。
高効率の設備への新規投資が増えるだけでなく、
安い電力を公平な条件で供給することができる。

 ↓ 参考

原発3基分のガスコージェネを東京ガス・大阪ガスが供給 - オリックスも電力供給3倍増、新規投資活発に
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/76b3c30e07512cb4a21bf34edf62d4c5

ガス会社が原発を抹殺し、東電を圧倒する日 -「2030年には1000万kW分のコージェネ導入」と宣戦布告
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/416259413bd719c5f3987882f1720897

▽ 日本の環境・省エネ技術は世界最高水準

『ニッポンの環境エネルギー力 ―IT産業立国からエコ産業立国に大変身を遂げる「日本の底力」』


▽ ガスコージェネレーションと「新勢力」の開発競争が激化しそうだ

『原発ゼロ社会へ! 新エネルギー論』(広瀬隆,集英社)


JXエネ、低コスト火力発電 石油精製の副産物利用(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD300HY_Q3A530C1TJ0000/
JX日鉱日石エネルギーは石油精製の副産物を燃料に使う新方式の火力発電所を建設する方針を固めた。未利用の資源を生かすことで、化石燃料の中で最も安価とされる石炭火力にコストで対抗できる見通し。電力業界では円高修正などで天然ガスなど燃料が上昇し料金値上げが相次ぐ。電力自由化の流れもあり、異業種を含めて低コストの発電設備の導入の動きが広がりそうだ。〔以下略〕”

矢張り日本企業の技術力は素晴らしい。
石炭火力を新設するくらいなら原油を無駄なく利用できる
こちらの新型火力の方が遥かに賢明な選択肢である。

原子力と違って国策の保護に安閑としてきた技術ではないので
この新しい火力発電の市場競争力は高いと推測される。
問題は発電量のボリュームだろう。


世界初の水素発電所、千代田化工が実用化へ CO2ゼロで低コスト生産(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD0102I_R00C13A6MM8000/
千代田化工建設は水素発電所の実用化に必要な技術を開発した。燃料の水素を低コストで供給できる。国内外の企業と設備の商談に入っており、早ければ2~3年後にも世界初の水素発電所が稼働する見通しだ。水素発電は二酸化炭素(CO2)が発生せず、国内で燃料を自給できる。輸入の化石燃料に頼る日本にとって新たな電源になる可能性がある。
 水素は製油所や化学工場などで大量に発生している。〔以下略〕”

もう一つ驚いたのはこちら。どうやら燃料電池とは違うようだ。
水素が低コストしかも準国産で供給できるのであれば、
大型施設ではコージェネレーション、小規模店舗や家庭では燃料電池に利用できる。
いずれにせよ利権勢力にとっては凶報、日本経済にとっては朗報である。
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