奈良の名所・古跡

行ってみたい所があるといいのですが・・・古墳とか建物とか巨樹とかいろいろ・・・

五つ塚古墳群

2007年04月01日 | 古墳
 小さな五つの盛土造りの古墳が一列に並んでいます 撮影日;2007.3.21

 墳丘は1・3・5号墳が径18mの円墳、2・4号墳が一辺14~17mの方墳です
 (市指定文化財)
 以前は5基とも円墳と考えられていました
 平成6年の市道改良工事に伴う測量・発掘調査で谷川に張り出した2号墳と4号墳が方墳と判明しました
 5基の古墳は、「W」字形に配置います
 2・4号墳が新しく、後から築かれたようです

 いずれも南に開口する横穴式石室です
 石室の岩が露出していますが、内部は土砂で埋没しています
 こちらのサイト⇒大和國古墳墓取調室のページで開口していた頃の石室が見れます

 築造は、石室構造から1・3・5号墳が6世紀後半、2・4号墳が7世紀頃

★所在地;奈良市山町円照寺五つ塚
★交通;JR帯解駅より 徒歩20分
★駐車場;円照寺宮墓前にスペース有り
★入場料;見学自由
★問合せ;0742-34-1111(奈良市教育委員会)



2012.09.09の円照寺五つ塚
 編集・画像追加;2012.09.10

●1号墳;いちばん西側にある円墳
 墳頂部は石室が崩れ、窪んでいます
 東西約18mで南北約14mですが、削平を受けており、おそらく径18mの円墳だったと考えられます
 高さは3mほど
 南南西に開口する横穴式石室
 天丼石が1石のみ残存、玄室の天丼石は石室内に落下しておらず、後世に抜き取られたようです
 玄室の長さは、奥壁から残存している天丼石までで3.5m、奥壁幅1.7m
 羨道の幅は約1.7m

■2号墳;北東―南西方向が15m、北西―南東方向は短辺で14m長辺で16mほどの方墳
 石室は南東に開口する両袖式の横穴式石室
 全長は6.3m以上
 玄室は長さ4.3m・奥壁幅2.Om・高さ2.5m(袖幅は右0.5m・左0.25m)
 羨道は長さ2m・高さ2m
 出土遺物:墳丘裾埋土から、土師器・須恵器・陶器、土製円板1・棒状鉄製品1が出


●3号墳;楕円形に見えますが、径18mの円墳
 石室は真南に開口する両袖式の横穴式石室
 全長は6.8m以上
 玄室は長さ4.6m・奥壁幅1.9m・高さ2.8m(袖幅は右0.5m・左0.2m)
 羨道は長さ2.2m・幅1.9m
 2・4号墳より、やや小型の石材で天井が高くなっています
 出土遺物:墳丘裾埋土から土師器・須恵器が出土

■4号墳;北北東―南南西方向に主軸をおく東西14m・南北16~17mの方墳
 石室は南南西に開口する両袖式の横穴式石室
 全長は5.8m以上
 玄室は長さ4.4m・奥壁幅1.75m・高さ2.4m(袖幅は右0.7m・左は埋没)
 羨道は長さ1.4m・幅1.2m
 出土遺物:墳丘裾埋土から土師器・須恵器・磁器が出土

●5号墳;周囲が削られ墳形ははっきりしませんが、円墳です
 1号墳同様、墳頂部は窪んでいます
 石室は埋まっていますが、ほぼ南に開口する横穴式石室で、他の古墳とほぼ同規模の石室と思われます

 1号墳・5号墳ともに江戸時代までには天丼石が抜き取られていたようで、石室から江戸時代の陶磁器が出土しています


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