奈良の名所・古跡

行ってみたい所があるといいのですが・・・古墳とか建物とか巨樹とかいろいろ・・・

三室山

2010年04月29日 | 名所
三室山の桜 

 平安時代の歌人・在原業平や能因法師など、多くの和歌に詠まれ知られます 撮影日;2010.4.3

 三室山は、古来から神の鎮座する山とされて来ました
 別名を「神南備山」「三諸山」とも言い、地名の神南の由来となっています

 聖徳太子が斑鳩宮を造営する際に、飛鳥の産土神をこの地に勧請されたのが由来となっていて、その神々は現在神岳神社に祀られています

 標高82mの頂上には能因法師の供養塔と伝えられている高さ1.9mの五輪塔が有ります 
 もとは神南の集落にあったそうですが、三室山が公園として整備された時に山頂に移されました

 周辺はすぐ近くを流れる竜田川の沿岸と共に「県立竜田公園」となっていて、ソメイヨシノやモミジの名所です
 山の半分に、ソメイヨシノなど約300本が植えられています 

★所在地;生駒郡斑鳩町神南4
★交通;JR・近鉄王寺駅下車 徒歩15分
★駐車場;有ります(無料)
★入場料;タダです
★問合せ;0745-74-6800(斑鳩町観光協会)



海龍王寺の五重小塔

2010年04月28日 | 文化財
 奈良時代のミニチュア五重塔です 撮影日;2010.3.22

 海龍王寺の西金堂内に安置されています
 相輪を含めた総高さ4.01m(相輪を除く高さは2.85m)です

 基壇には永仁2年(1297)の銘がり、その頃修理が行われたと推定されます
 相輪は明治39年(1906)の補作で、当初の形は不明です
 天平時代の建築として国宝に指定されています

 様式的には元興寺・極楽坊の五重小塔より古く、8世紀前半頃の建造
 箱状の構造物を積み上げ、組物などの細かい部材は外側から貼り付けたものとなっています
 初重には扉や壁がありません
 初層と二層目の間には組み入れの格天井を張っていますが、それ以外の設備は何もなく
 当初どのような用途に使われたものかは不明です
 細部様式が薬師寺東塔に類似しており、現存する数少ない奈良時代の建築の様式を知るうえで重要なものです

 この塔は小さいながらも模型ではなく、正式なとして造られ、西金堂はその覆屋として建てられたものだとする説もあります
 海龍王寺は法華寺の北東隅にあり、境内も狭く大きな塔婆を建てられなかったので、五重小塔を造ったと考えらています

 明治時代までは東金堂も残っていたそうです
 無住寺の状態が長く続いていた為、定かでは有りませんが、東金堂の中にも五重小塔があった可能性が有ります

★所在地;奈良市法華寺北町897
★交通;近鉄新大宮駅下車 徒歩20分
★駐車場;有ります(無料)
★入山料;大人400円
★問合せ;0742-33-5765(海龍王寺)



下之坊寺の婆羅門杉

2010年04月25日 | 巨樹
 圧倒される巨木です 撮影日;2010.3.20 

 下之坊の本堂前の石段を挟んで2本の大杉がそびえ立ちます
 右の太い方の杉が幹周7m、樹高48m
 左の杉が幹周5m、樹高43m
 樹齢は800年とされます

 説明板には【言い伝えによると この御神木の杉に生命力をいただき 本尊秘仏十一面観音様に願い事をして祈願護符を受け 再び杉に手を当て願いを込めると大願成就すると伝えられている 本尊様(聖武天皇と婆羅門僧正との合作と伝えられる秘仏十一面観音立像)】と書かれています

 婆羅門(ばらもん)とはインドのカースト制度の最上級階級のことです
 その為にこの大杉は婆羅門杉と呼ばれています
 特に右側の大杉は枝も太く、より大きく見えます

★所在地;天理市福住町265
★交通;名阪国道・福住ICより 北へ2.5km
★駐車場;有ります(無料)
★入場料;見学自由
★問合せ;


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福住の復元氷室

2010年04月24日 | 名所
 福住には、古代の氷室跡がたくさん残されています 撮影日;2010.3.20

 平成11年1月、岡本輝三氏の山林に氷室が復元され公開されています

 奈良時代の長屋王邸の発掘調査で「都祁氷室」と書かれた木簡が見つかり、夏に都祁から氷を運んだことが文字資料で確認されました
 氷室の作り方も記されていたそうです

 氷室とは、氷を貯蔵するための部屋を指します
 夏でも涼しい山中の地面に穴をあけ、茅などで覆い、天然の氷を夏まで貯えていました
 日本書紀には都祁の氷室に関する起源説話があります
 宮中では夏、酒に氷をひたして飲んでいたそうです

 「福住氷まつり」
 例年は2月11日の建国記念日に氷を収め、7月の第3月曜日、海の日に取り出されます
 イベントは、市長、市会議長その他、来賓の挨拶に始まり、氷室神社の宮司さんによる神事の後、参加者が順に氷室の中へ入り、残っている氷の見学をします
 その後、氷の取り出しが行われ、子供達の手によって道路まで運び出されます
 運び出された氷の一部は荷車に乗せられ、これもハッピを着た子供達によって福住小学校まで引かれます
 終点の福住小学校では氷の到着後、バザーや模擬店、氷の残量当てクイズの表彰式などが行われ、小学校が賑やかな「市」に変わります
 氷室に保存される氷は3トンで、取り出すときに残っている量は例年1.2トン前後だそうです

★所在地;天理市福住町
★交通;JR・近鉄天理駅より バスで福住下車 徒歩10分
★駐車場;有りません
★入場料;見学自由
★問合せ;0743-69-2001(福住公民館-福住氷まつり実行委員会)



上山田のくさ地蔵

2010年04月22日 | 石造物
 独立した岩にかわいいお地蔵さんが彫り込まれています 撮影日;2010.03.20

 高さ1.2mほどの磐に彫られた60cmほどの地蔵磨崖仏です
 クサ(皮膚病)ができたら、お地蔵さんの同じところに泥を塗って祈ると直してくださる、との言い伝えからこの名があります
 
★所在地;天理市山田町(上山田)
★交通;JR・近鉄天理駅より 六郷小学校前行きバスで上山田下車 すぐ
★駐車場;なし
★入場料;見学自由
★問合せ;0743-63-1001(天理市観光協会)

 伊勢街道(矢馬街道)沿いの川端にあります



山田道安親子の墓碑

2010年04月20日 | 石造物
 戦国時代の無縫塔です 撮影日;2010.03.20

 二基のうちの大きい方は、馬場城主山田民部大輔藤原順貞こと山田道安の墓碑です
 高さ160cmで天正元年(1573)の銘文があります
 小さい方は、岩掛城主山田太郎左衛門藤原順清こと山田天真の墓碑です
 (天真は道安の息子)
 高さ140cmで元亀2年(1571)の銘文があります
 ともに花崗岩製です

 山田父子の墓石は、山田天真のあとをついだ息子の順智、順安らが建てたそうです
 弟の順安は出家して安斉を名乗り蔵輪寺の住持となって祖父と父の菩提を弔いました 

★所在地;天理市山田町中(蔵輪寺墓地)
★交通;JR・近鉄天理駅より 六郷小学校前行きバスで「中山田」下車 徒歩2分
★駐車場;なし
★入場料;見学自由
★問合せ;

 山田氏一族の墓所のほぼ中央に立つ二基の「卵塔」と呼ばれる無縫塔が有ります
 無縫塔は僧侶の墓石に多い形式ですが近世の遺品が多く
 中世のものは奈良では珍しいそうです


 山田道安(どうあん)は戦国時代の武将で画家でも有りました
 豪放な水墨画で知られ、彫刻にもすぐれていたそうです
 永禄10年(1568)の松永久秀の焼き討ちにより損壊した東大寺大仏の修復につとめたことでも知られています
 天正元年(1573)10月21日死去
 

長力寺の菩提樹

2010年04月17日 | 文化財
長力寺菩提樹

 長力寺の境内に有ります 撮影日;2010.03.20

 平成18年2月21日に奈良市の保存樹に指定されました

 樹高は12.1m
 二本株立ちでしたが、太いほうは切り倒されています
 幹周は340(200+140)cm  

★所在地;奈良市針ヶ別所町615
★交通;名阪国道「針IC」より 徒歩20分
★駐車場;有ります
★入場料;見学自由
★問合せ;0742-34-1111(奈良市教育委員会)

 菩提樹は中国原産の落葉高木、高さは10mほど
 花期は6~7月頃で淡黄色の花を咲かせます
 日本へは、臨済宗の開祖栄西が中国から持ち帰ったと伝えられます



小倉八柱神社の石燈籠

2010年04月12日 | 石造物
 拝殿前に古い石燈籠が二基並んで立っています 撮影日;2010.3.20

 向かって左側の石灯籠は、高さ168cm(室生安山岩製) 
 南北朝時代の文和4年(1355)の刻銘あり
 鈍重な何かほのぼのとする豊かさを持ち、優雅な落ち着きを見せています

 右側の石灯籠は、文明8年(1476)のもので、高さは165cm(花崗岩製)
 室町時代に盛んに作られた形で、「大工次郎五郎」と石大工の刻銘が有り、貴重なものです

 願主頼円は川尻磨崖地蔵菩薩の願主でもあり
 往時の小倉の指導者として、相当発展を遂げたことが知られています

奈良石造美術研究会の看板 根っこのすばらしい木 

★所在地;奈良市小倉町291(八柱神社境内)
★交通;名阪国道「小倉IC」より 車で10分
★駐車場;有ります
★問合せ;



針観音寺の十三重石塔

2010年04月11日 | 石造物
 都祁来迎寺の僧西念が東山中の十三ヵ所に建立した石塔のうちの一基と伝わります 撮影日;2010.3.20

 境内の西側、小さな墓地に立っています

 南北朝時代中期の正平7年(1352)造立
 花崗岩製で、高さは465cm
 旧都祁村指定文化財です

 南面の基礎に「正平七年壬辰二月十五日 造立之大工 行就」の刻銘があります
 (この石塔の銘文は南朝の年号を使っているので、当時の都祁郷が南朝勢力下にあったことが分かります)
 塔身は二重円光背をほりくぼめ顕教四仏を半肉彫りして有ります
 東面:薬師如来、西面:阿弥陀如来、南面:釈迦如来、北面:弥勒

 本堂の西側に石造が有ります
観音寺石造
 庚申像は江戸時代中期頃の作
 長谷寺型十一面観音は寛延3年(1750)の作で、地蔵菩薩もあります 

★所在地;奈良市針町1384(観音寺内)
★交通;名阪国道「針IC」下車 徒歩10分
★駐車場;有ります
★問合せ;



奈良基督教教会

2010年04月05日 | 文化財
 キリスト教会としては珍しい和風様式の建物です 撮影日;2010.3.14 

 明治18年(1885)にジョン・マキム牧師(アメリカ人)らによって、伝道が始められました
 2年後に現在地の近く(花芝町)に教会を開設
 後に現在の正門辺りに移築
 昭和5年に現在の礼拝堂と、附属する会館を新築しています
 附属する会館の親愛幼稚園も昭和5年に開設されました

 日本聖公会に属しています
 
 会堂は、興福寺に隣接する位置にあります
 設計者は大木吉太郎(教会の信者であった宮大工)
 外観は、入母屋破風と千鳥破風を組み合わせた和瓦葺の屋根、真壁造り
 寺院風の和風様式建物です

 建物(会堂と渡廊下)は、国登録有形文化財に指定されています

 内部は外陣と側廊境に角柱、内外陣境に円柱を建て
 ともに吹き放ちとし、小組格天井を張っています

 敷地内にはマリア館と1989年新築のシオンホールがあります
 様々な催しや活動に使用されています

★所在地;奈良市登大路町45
★交通;近鉄奈良駅下車 徒歩3分
★駐車場;有りません
★入場料;タダです
★開館日;日曜・祝日
★問合せ;0742-22-3818


 参考;奈良基督教教会のホームページ ・ やまと建築詩のページ