英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

第65期王将戦第2局 その2「手順前後の周辺」

2016-01-29 21:05:46 | 将棋
その1「深謀遠慮の▲1八香」の続きです。

 ▲4五歩の仕掛けに対し△4六角と打ち、先手の角合わせに対し、歩を取りながら角を支える△4五歩。
 素直に▲4六角△同歩と応じては、後手が歩得しながら4筋の歩が伸びてくるので、▲4八飛と飛車を転回したのが第1図。

 ここで後手の郷田王将は△8六歩▲同銀と突き捨て、△6五歩(第2図)と攻撃を開始。
 △8六歩に対しては▲8六同歩も考えられるが、△8五歩の継ぎ歩が厳しいらしく、▲8六同銀が大方のプロの感覚のようだ。羽生名人も▲同銀と応じた。

 こうして銀を8筋に移動させ、薄くなった6筋を攻める……「これが攻めの調子です」という大盤解説の声が聞こえそうな手順であったが、これが手順前後だった。
 第2図で、▲6五同歩△6六歩(変化図1)▲6八金引(▲6六同金は△5七角成)△6五桂(思惑図)が

郷田王将の思惑で、こう進めば難解ながらも郷田王将の言い分が通った局面と言える。
 ところが、本譜の△8六歩~△6五歩の順だと、△6五歩の瞬間に▲4六角△同歩を入れてから▲6五歩と手を戻されると、△6六歩が利かなくなっている。(△5七角成がないので▲6六同金と応じられる。▲6六同金の他に▲7七角もありそうだ)

 第2図では「△6五歩▲同歩△8六歩とすべきだった」と言われている。
 郷田王将は△8六歩に▲同歩を気にしたようだが、「△8五歩▲4六角△同歩▲6六角△3三角▲4四歩△6五銀▲同銀△同桂▲3五歩(変化図2)△7七桂成▲同金寄△6五歩▲5五角△5四銀▲3四歩△5五銀▲3三歩成△同銀(変化図3)で後手十分」というのが感想戦の結論だった。


 ただ、第2図の局面で中継解説の畠山鎮七段は「△6五歩もやりたくなりますが、以下▲4五銀△3七角成▲同桂△5九角▲3八飛(畠山鎮図)とされ、△6六歩▲同金△6五桂▲6八銀(畠山鎮図2)となると、角が捕まり後手まずいです。ただ、もうひと工夫見つかれば深く読む順ではあります」と述べている。


 さらに、(私の疑問ですが)第2図で△6五歩としても、この瞬間に▲4六角(英図)をねじ込む手はないのだろうか?

 図から△4六同歩▲6五歩と進み


 ここで、△8六歩なら▲同銀で本譜に戻る。
 また、△4七歩成▲同飛△3八角も本譜の進行に比べ、8筋の突き捨てを入れていない分だけ損のような気がする。
 分からないのは、英図2で△6五桂と跳ねる手。これに対し、①▲6六銀、②▲6八銀、③▲6六角が考えられるが、私の棋力ではよく分からない。


 細かいうえに、要領を得ない記事になってしまったが、タイトルを争う対局者の2人を含めた検討で、『銀を8筋に移動させて6筋に手をつける「△8六歩~△6五歩」が手順前後』という結論が出たことに、将棋の難しさを感じた。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第65期王将戦第2局 その... | トップ | 「遮断」(中田七段作詰将棋... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

将棋」カテゴリの最新記事