流行のドレス着ているマネキン人形
動かない大きな目が泣いてるみたい
ショウウィンドウを鏡にあなたはいつでも気取って
自分の姿だけ見つめているのよ ん~…悲しいわ
さて、この一節を見て、「ああっ、あの歌か!」とピンときた方は、私と気が合いそうです(笑)
山口百恵さんの『美・サイレント』(作詞:阿木燿子 作曲:宇崎竜童)の2番の歌詞の出だしの部分です。
1番も素敵なのですが、ネタが割れてしまいやすいと思ったのと、「流行のドレス着ているマネキン人形 動かない大きな目が泣いてるみたい」…この詩、感性にしびれ、こちらを引用しました。
私にとって百恵さんは、少女の面影を残しつつ色気が馨しい大人の女性、そして、やや翳りがあり芯の強さを感じました。
山口百恵は当時、森昌子、桜田淳子と共に「中三トリオ」として、人気を博していたが、デビュー曲の『としごろ』はパッとしなかった。歌唱力は森昌子に遠く及ばず、アイドル性は太陽のように明るく輝く桜田淳子に比べると、月のような静かな光だった。声もやや低く、雰囲気も翳りがあり、アイドルには向いていないんじゃないかと感じさせるほど。純真な乙女というイメージだった。
それが2曲目『青い果実』で、いきなり「あなたが望むなら私何をされてもいいわ~♪」と来たものだから、腰が砕けそうになった。
いや、私もまだ子供で、その歌詞が示す内容はおぼろげにしかわからなかったが、なんとなく大変な歌詞をうたっているのではないかと怖れに似たようなものを感じた。
イメージチェンジが功を奏したのか、人気が上がり、この後も『禁じられた遊び』『春風のいたずら』『ひと夏の経験』『ちっぽけな感傷』と危険な歌を次々にヒットさせた。私はそんな彼女に嫌悪に似たものを感じ距離を置いた(って、全く一方的な話ですね)。
しかし、その中でも『ひと夏の経験』は内容はきわどくても「あなたに女の子の一番大切な~ものをあげるわ」というフレーズが胸に響いた。それにメロディが素晴らしかった。
距離を置いた理由は、そういう危険な感覚を抱いていたということが大きかったが、もう一つ理由がある。それは、彼女の楽曲にはテーマ(アピール点)があって、強烈なフレーズやメロディをサビや出だしに持ってくることが多い。
たとえば、『禁じられた遊び』では出だしが「怖くない あ、あん、あん 怖くない あなたとだったら 何でもできる~」と、当時、いや今でも「あ、あん、あん」が許せない。
その他、『横須賀ストーリー』も出だしで「これっきり、これっきり、これっきりぃ~ですか~」、『プレイバック Part2』では、サビで「バカにしないでよっ! そっちのせいよ」、『絶体絶命』では「はっきり片を付けてよ! はっきり片を付けてよ! はっきり片を付けてよ!……やってられないわ」など、強烈過ぎてのめり込めないものを感じた。(山口百恵のファンになったのは彼女の引退後だった)
さて、ようやく冒頭の『美・サイレント』に辿り着いた。この『美・サイレント』も企画性が際立った楽曲で、サビの部分の4文字伏字は注目度を上げるための小細工に思え、その前の「美・サイレント、美・サイレント、美・サイレント、美・サイレント」のリフレインの音感も字面も受け入れ難い感じがして、彼女のファンになった後でも、この曲だけは遠ざけていた。
しかし、恥ずかしながら、最近になってようやくこの曲の素晴らしさに気が付いた。半年ほど前に、『GOLDEN☆BEST 山口百恵 コンプリート・シングルコレクション』を購入したが、その中に引退後に編集し直した『美・サイレント (リアレンジ)』を聞いたとき、心がしびれた。その時に初めてこの曲の歌詞に耳を傾けた。
阿木さん、素晴らしい!(でも、原曲の方のサビの部分は今でも好きじゃないです)
話は後戻りするが、私が彼女のファンになったのは、彼女の引退してかなり経ってから。それまでは、先述した乙女の純潔を売り物にする歌詞の内容や強烈なサビに加えて、彼女の歌唱力に大いに疑問を持っていた。
ところが、ある時、彼女は歌が非常にうまいことに気が付いた……
『山口百恵 考』その2に続きます。(後日、本タイトルを『その1』に変更します)
動かない大きな目が泣いてるみたい
ショウウィンドウを鏡にあなたはいつでも気取って
自分の姿だけ見つめているのよ ん~…悲しいわ
さて、この一節を見て、「ああっ、あの歌か!」とピンときた方は、私と気が合いそうです(笑)
山口百恵さんの『美・サイレント』(作詞:阿木燿子 作曲:宇崎竜童)の2番の歌詞の出だしの部分です。
1番も素敵なのですが、ネタが割れてしまいやすいと思ったのと、「流行のドレス着ているマネキン人形 動かない大きな目が泣いてるみたい」…この詩、感性にしびれ、こちらを引用しました。
私にとって百恵さんは、少女の面影を残しつつ色気が馨しい大人の女性、そして、やや翳りがあり芯の強さを感じました。
山口百恵は当時、森昌子、桜田淳子と共に「中三トリオ」として、人気を博していたが、デビュー曲の『としごろ』はパッとしなかった。歌唱力は森昌子に遠く及ばず、アイドル性は太陽のように明るく輝く桜田淳子に比べると、月のような静かな光だった。声もやや低く、雰囲気も翳りがあり、アイドルには向いていないんじゃないかと感じさせるほど。純真な乙女というイメージだった。
それが2曲目『青い果実』で、いきなり「あなたが望むなら私何をされてもいいわ~♪」と来たものだから、腰が砕けそうになった。
いや、私もまだ子供で、その歌詞が示す内容はおぼろげにしかわからなかったが、なんとなく大変な歌詞をうたっているのではないかと怖れに似たようなものを感じた。
イメージチェンジが功を奏したのか、人気が上がり、この後も『禁じられた遊び』『春風のいたずら』『ひと夏の経験』『ちっぽけな感傷』と危険な歌を次々にヒットさせた。私はそんな彼女に嫌悪に似たものを感じ距離を置いた(って、全く一方的な話ですね)。
しかし、その中でも『ひと夏の経験』は内容はきわどくても「あなたに女の子の一番大切な~ものをあげるわ」というフレーズが胸に響いた。それにメロディが素晴らしかった。
距離を置いた理由は、そういう危険な感覚を抱いていたということが大きかったが、もう一つ理由がある。それは、彼女の楽曲にはテーマ(アピール点)があって、強烈なフレーズやメロディをサビや出だしに持ってくることが多い。
たとえば、『禁じられた遊び』では出だしが「怖くない あ、あん、あん 怖くない あなたとだったら 何でもできる~」と、当時、いや今でも「あ、あん、あん」が許せない。
その他、『横須賀ストーリー』も出だしで「これっきり、これっきり、これっきりぃ~ですか~」、『プレイバック Part2』では、サビで「バカにしないでよっ! そっちのせいよ」、『絶体絶命』では「はっきり片を付けてよ! はっきり片を付けてよ! はっきり片を付けてよ!……やってられないわ」など、強烈過ぎてのめり込めないものを感じた。(山口百恵のファンになったのは彼女の引退後だった)
さて、ようやく冒頭の『美・サイレント』に辿り着いた。この『美・サイレント』も企画性が際立った楽曲で、サビの部分の4文字伏字は注目度を上げるための小細工に思え、その前の「美・サイレント、美・サイレント、美・サイレント、美・サイレント」のリフレインの音感も字面も受け入れ難い感じがして、彼女のファンになった後でも、この曲だけは遠ざけていた。
しかし、恥ずかしながら、最近になってようやくこの曲の素晴らしさに気が付いた。半年ほど前に、『GOLDEN☆BEST 山口百恵 コンプリート・シングルコレクション』を購入したが、その中に引退後に編集し直した『美・サイレント (リアレンジ)』を聞いたとき、心がしびれた。その時に初めてこの曲の歌詞に耳を傾けた。
阿木さん、素晴らしい!(でも、原曲の方のサビの部分は今でも好きじゃないです)
話は後戻りするが、私が彼女のファンになったのは、彼女の引退してかなり経ってから。それまでは、先述した乙女の純潔を売り物にする歌詞の内容や強烈なサビに加えて、彼女の歌唱力に大いに疑問を持っていた。
ところが、ある時、彼女は歌が非常にうまいことに気が付いた……
『山口百恵 考』その2に続きます。(後日、本タイトルを『その1』に変更します)
美 サイレント 今Youtubeでまた聞いてみました。
大人な歌詞だよね。
あの聞こえそうで聞こえないつぶやき・・結局何て言ってたんでしょうか。。?
~今でも「あ、あん、あん」が許せない。~(笑)
あはは。 男性心理。。そういうものなの?
女性が百恵ちゃんに魅かれるのはまた違ったところかもしれないけど 百恵ちゃんの大ファンだった人が多いのはそれだけ魅力が歌にも人自身にもあるからですよね。
実は百恵ちゃんの影響大です。
赤いシリーズのドラマにはまってたけど、
色っぽい歌は、ちょっと大人すぎて、気恥ずかしい感じがしてました。
笑顔で軽いノリの曲もほとんどないですよね。
でも、いろんな曲が未だに歌えるって、すごいです。
>大人な歌詞だよね。
>あの聞こえそうで聞こえないつぶやき・・結局何て言ってたんでしょうか。。?
当時、百恵さんも歌番組で、よく質問を受けていました。百恵さんの口からかどうかは覚えていませんが、「あの口ぱく部分の歌詞は設定されていない」という回答だったと記憶しています。
その後、『ザ・ベストテン』でベストテン圏外に落ちる寸前に百恵さんが番組スタッフに回答した言葉を、口ぱくのタイミングに合わせて字幕を出しました。その言葉が「情熱」と「ときめき」だったと思います。
>~今でも「あ、あん、あん」が許せない。~(笑)
>あはは。 男性心理。。そういうものなの?
「あ、あん、あん」という歌詞(ことば)は、なにか媚を売る、男性の心をくすぐる意図が見え見えなので、そういうのを百恵さんに言わせるというのが許せないのです。
>私も百恵ちゃんは大好きで、子供の名前も、
実は百恵ちゃんの影響大です。
おお、なるほど!
>赤いシリーズのドラマにはまってたけど、
>色っぽい歌は、ちょっと大人すぎて、気恥ずかしい感じがしてました。
私が観たのは『赤い迷路』のみです。最終回に真犯人が明かされて、驚いた記憶があります。あの頃は、今と違い素直でした。
色っぽい歌は、私も同様に感じていました。子ども心に「そこまで言うの?」と。あの頃は、純真でした。
山口百恵さんは、英さんと異なり少年時代からファンでした。
私が彼女に注目したのは「横須賀ストーリー」からです。
宇崎竜童・阿木耀子のコンビを百恵さんが指名して実現したようなのですが、この時からスター山口百恵が作られたのだと思っています。
それまでは率直に言って、あまり興味はありませんでした。
彼女が引退する際は、その著作である「蒼い時」を本屋に先行予約したほどです(笑)
(これは当時の現物がまだ家にあります)
花の中3トリオとかなんとか言われていたのですけど、私の中では「顔なら桜田淳子、歌なら山口百恵、最も最後まで生き残るのが森昌子」だと子供心にもそう思っていたものです(笑)
「美・サイレント」の無音部分は、聞いた人がそれぞれに歌詞を考えてくれたらいいと、作詞した阿木耀子さんが何かの番組で語っていたのを見たことがあります。
無音部分があるので「サイレント」なのでしょうけど、あるセンテンスの途中で歌詞が無くなるという手法は、非常に斬新なものだと思います。
百恵さんが一時そう言った路線に向いたのは、親友・アンルイスの影響があるという説も聞いたことがあるのですが、真偽のほどはさだかではありません。
最近「山口百恵コンプリート」をレンタルで借りて聞いてみたのですが、やはり「横須賀~」からはっきり路線転換しているのがわかります。
子供の時は歌詞の意味などほとんど理解できなかったのですが、「横須賀」という単語に代表される雰囲気が好きだったのですね。
柳ジョージとレイニーウッド、ダウンタウンブギウギバンド、皆同じ香りがしたような気がします。
宇崎竜童さんが百恵さんの特集番組のインタビューで『横須賀ストーリー』の曲に関しては、すらすらメロディが頭に浮かんだと言っていたと記憶しています。確か「これっきり、これっきり、もうこれっきりですか」というフレーズには、もうこのメロディしかないと思った」と。
確かに、この『横須賀ストーリー』が彼女のターニングポイントになった曲ですが、その前から助走をしていたように私は感じています(「その3」でそのあたりに触れたいと思います)