英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

森村誠一の終着駅シリーズ 「砂漠の駅」 ~死体すりかえ殺人事件 殺した男の死体が女の死体になっていた!新宿~秋田男鹿半島、入道崎に消えた女~

2016-11-21 15:19:52 | ドラマ・映画
土曜ワイド、2003/02/08放映、終着駅シリーズ第13作「砂漠の駅」
~死体すりかえ殺人事件 殺した男の死体が女の死体になっていた!新宿~秋田男鹿半島、入道崎に消えた女~


 忙しいのに、サブタイトルに釣られて観てしまいました(実は、同時期に、横山秀夫サスペンス「陰の季節5“事故”」西村京太郎スペシャル「警部補佐々木丈太郎3 “密告”」を録画してしまい、スポーツ中継も多数あり、極度の寝不足(慢性)に陥ってしまいました。
 で、「殺した男の死体が女の死体になっていた」の真相ですが、私の予想では
「男Aが男Bに男Cを殺害するという嘱託殺人を持ちかけられ実行(毒殺)。死体をトランクに詰め込み遺棄現場に到着し、いざ、遺体を埋めようとしたら、トランクの死体が女Dの死体に変わっていた。
 実は依頼者Bが本当に殺害したかったのは女Dで、男Cは毒殺された振りをし、自分の代わりに女Dの死体を入れたのだった」
などという筋書きを予想していたのですが、全然違いました。


(ここからはネタバレ)
 実はこのドラマには犯人が3人いて、彼らにものすごい偶然が絡みついて、サブタイトルの現象が実現した。
 ややこしいので、真相(事実)を時系列に沿って整理すると
1.犯人Xが被害者Aを殺害。(国会議員の家に代々伝わってきた古伊万里を売却すると持ちかけ、その金を奪う)
2.被害者Aの死体をトランクに詰め遺棄現場に向かうが、殺害行為による緊張や罪悪感で吐き気を催し、公衆トイレで嘔吐。
3.この間に、犯人Y(窃盗の常習犯)が犯人Xの車を車ごと盗んで走り去る。
4.その後、バー『止まり木』の常連客を撥ね、ひき逃げ(直接、死体のすり替わりには関係ないが、真相究明に繋がる)
5.犯人Zが被害者B(バーのママ)を殺害しトランクに詰め走行中、公衆トイレに立ち寄る。
6.犯人Zと入れ替わるようトイレを出た犯人Xが、犯人Zの車を自分の車と勘違いし乗り込み走り去る
7.犯人Zが用を足しトイレから出るが、車は消えていた。
8.犯人Yが盗んだ車の中を物色し、トランクの死体を発見、仰天するも車と死体を隠す

いや、すごい偶然
①殺人を犯し、死体をトランクに詰め移動中、相次いで同じトイレに立ち寄る。しかも、車の車種や色も同じ。
②さらに同時刻に窃盗犯まで登場し、車ごと持ち去ってしまう

 “奇跡”を超える偶然だが、実は、この他にも偶然を重ねている。
③犯人Xの母親が犯人Zが仕えている国会議員宅で働いたことがある
 犯人Xがその国会議員の名を利用したのは、自分と関係のあり、ある程度昔のことも知っているので、騙すのに都合が良いからであろう。
 しかし、名を借りた国会議員の秘書も殺人を犯し絡み合うのは、強引な偶然である。
④窃盗犯Yがひき逃げした被害者が、被害者Bの常連客であった
 「この撥ねられた被害者の所持品の切りたんぽによって、国会議員が被害者Bのパトロンであることに結びつき、犯人Xと被害者Bと関係があることも発覚する」というストーリー上の必要があるのだが、あまりにも都合良すぎる恐るべき偶然


偶然の①、②は、“すり替わった死体”を成立させるために必要なので目を瞑れるが、③と④はないんじゃないのかなあ。
それにしても、3人の犯人、それぞれがもの凄くびっくりしたんだろうなあ


ちなみに、サブタイトル後半部分「新宿~秋田男鹿半島、入道崎に消えた女」は、骨董商・被害者Aの娘の行動で、事件の真相とは全く関係なかった。

【ストーリー】
 新宿西署の牛尾刑事(片岡鶴太郎)と妻の澄枝(岡江久美子)は、道を尋ねられたのがきっかけで、道行有美子(細川直美)という長野の松本に住む女性と知り合う。有美子は、一週間前に上京したまま連絡の途絶えた父を探しに出てきたという。有美子の父・道行有三(唐沢民賢)は骨董商で、“テラワキ”という男から、ある国会議員の家に代々伝わってきた古伊万里を売りたいという話を持ちかけられ、2千万円を持って上京したというのだ。
 牛尾が有美子から詳しい話を聞いている中、携帯電話が鳴った。掛けてきたのは、牛尾が時たま顔を出すバー『止まり木』の常連客の一人で、『止まり木』の様子がおかしいというのだ。今晩は新宿のホテルに泊まるという有美子を残し、牛尾は『止まり木』に向かった。そこには数人の常連客が心配顔で牛尾を待ち構えていた。彼らの話によると、『止まり木』は一週間前から何の前触れもなく店を閉じていて、ママの織田姫路子(一谷真由美)とも連絡がつかないという。牛尾はさらに、常連客の一人・三国(奥村公延)が一週間前に轢き逃げに遭って死亡していたことを知る。
 翌朝、牛尾のもとに有美子が訪ねてくる。何かの手掛かりにならないかと、父が家に残していった国会便覧を持って来たのだが、氏家泰行(長克己)という秋田県選出の国会議員の名前に印がつけられていたというのだ。ことの行きがかり上、牛尾は氏家に連絡を取り、会いにいく。だが氏家は、骨董などは持ってはおらず、売るといった覚えもないという。また“テラワキ”などという男も知らないというのだ。さらに、氏家の私設秘書の神田(池田政典)も、そんな人物は知らないと断言したのだった。

脚本:岡本克己(第1作からこの第15作までを担当)
監督:池広一夫

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2 コメント

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Unknown (ナイトセイバー)
2019-09-18 09:30:17
初めてメッセージします。
BSで何回も何回も再放送があっていますが、昨日と今日でもう一回、見直してみました。
「終着駅シリーズ」で、最も強引で、岡江久美子のヒント出しも非常にわざとらしい回でした。いくら夜で動揺していても、車を取り違えることなんかないはず。乗った瞬間、置かれている物やシートやらハンドルの高さやら違いますから!寺脇の、「燃料が10キロくらい走れるくらいしか残っていなかった」という話も、操作範囲を狭めるためか無理やりでした。ガス欠と一緒やん!と呆れました(笑)。
2003年に初回放送を見た時は、バー「止まり木」のママが、裏では飛んでもない悪党(揺すり屋)だったことがイメージに残っていたのですが、やはり変わりませんでした。牛尾や客たちにはあんなに愛想がよかったのに、裏ではあんな悪人だったとは!
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なるほど ()
2019-09-18 17:37:22
ナイトセーバーさん、こんにちは。
コメント、ありがとうございます。

 私が観たのは3年前で、記憶もあやふやですが、車取り違えの周辺のトリック?は非常に強引だったというのはよく覚えています。

>「終着駅シリーズ」で、最も強引で、岡江久美子のヒント出しも非常にわざとらしい回でした。

 終着駅シリーズはほとんど観ていないのですが、シリアスな印象を持っていました。でも、この回を観て、《こんなに無茶苦茶なシリーズだったのか》と呆れたのですが、この回はそういう出来の回だったのですね。
 ガソリン残量が残り10km分て、確かに、ほぼガス欠ですね。当時は気がつかなかったのですが、なるほどです。

 コメントが重複してしまったようなので、名前が「Unknown」の方は、削除させていただきます。ご了承ください。
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